死刑執行人もまた死す

しけいしっこうにんもまたしす|HANGMEN ALSO DIE|HANGMEN ALSO DIE

死刑執行人もまた死す

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レビューの数

28

平均評点

80.0(133人)

観たひと

188

観たいひと

21

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争
製作国 アメリカ
製作年 1943
公開年月日 1987/12/19
上映時間 134分
製作会社 ユナイト映画
配給 ケイブルホーグ
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

第2次大戦中のプラハを舞台に、ナチスに追われるレジスタンスの恐怖を描く。監督は「メトロポリス」のフリッツ・ラング、エグゼクティヴ・プロデューサーはアーノルド・プレスバーガー、原案・脚本はベルトルト・ブレヒトとラングの共同で、脚本のみでジョン・ウェクスリーが参加している。撮影はジェームズ・ウォン・ホウ、音楽はハンス・アイスラーが担当。出演はブライアン・ドンレヴィ、ウォルター・ブレナンほか。オリジナル版は120分。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

第二次大戦中、ドイツ占領下のプラハで“死刑執行人”とあだ名されるナチの総督が暗殺された。マーシャ・ノヴォトニー(アンナ・リー)は怪しげな男を目撃したが追ってきたナチには別の方向へ逃げたと証言した。その夜、ゲシュタポに追われる犯人の医師フランツ・スヴォボダ(ブライアン・ドンレヴィ)はマーシャ一家が住むアパートに身を隠した。マーシャは教授の父(ウォルター・ブレナン)、母(ナナ・ブリアント)、弟のボタ(ビリー・ロイ)と住んでいて、ヤン・ホレック(デニス・オキーフ)というフィアンセがいた。ゲシュタポは対抗措置として市民の逮捕・連行をはじめ、教授を連れ去った。そしてチャカ(ジーン・ロックハート)という男を収容所の市民たちの間にまぎれ込ませ情報を取ろうとした。マーシャは父の件でスヴォボダに自首するように頼みに行くが断られる。意を決したマーシャはゲシュタポ本部に向かうが、途中でレジタンスや市民に妨害を受け罵られる。鎮圧に来たゲシュタポに連れられて本部に来たマーシャだったが、通報せず父の無実を訴えた。その言動にゲシュタポは不審を抱く。ゲシュタポは見せしめに、連行した市民たちを毎日3人ずつ処刑しはじめる。連行者のリスト作成に協力したのはチャカであった。やがてレジスタンスの重要メンバーがレストランに集まる日が来た。そこにゲシュタポが乱入、メンバーを殺害するなどしたもののリーダーのデディッチはとり逃した。ゲシュタポはただちに日頃マークしていたスヴォボダの家に捜査に向かった。負傷したリーダーを匿っていたスヴォボダはマーシャとの情事の最中を装い追求をかわすが、主任、グリューバー(アレクサンダー・グラナッハ)は現場にホレックを連れてきてくる。翌日、マーシャとスヴォボダはレストランに行く。彼女はそこでナチの地区司令官暗殺の犯人はチャカだと告発し、ナチは彼を連行する。チャカはレストランで食事をしていたと証言、だがレストランの人々は彼はいなかったという。他にもチャカのアリバイを崩す証言が次々と出てくるのだった。チャカのアリバイはグリューバーが握っていた。その頃ホレックの部屋に居座っていたグリューバーはスヴォボダはマーシャの偽証に気づく。阻止しようとしたホレックを打ち倒しグリューバーはスヴォボダの勤める病院に向かう。そこでグリューバーはスヴォボダに殺される。ホレックによりグリューバーがチャカの家に向かったと通報を受けたナチは、チャカの家に捜査に出向く。否定するチャカを余所に彼の執事は確かにグリューバーが訪れたと証言する。そして書斎からは総督暗殺に使われた拳銃が、地下室からはグリューバーの死体が発見されるのだった。二重スパイとして連行されたチャカをナチは街中で釈放しその場で射殺する。チャカを暗殺犯に仕立て上げるプラハ市民たちの作戦は成功したが、ノヴォトニー教授を含め多くの連行者は結局処刑されてしまった。そしてベルリンからは、ナチの威信のためにチャカを犯人にするようにという指令がプラハ占領本部に届くのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1988年3月上旬号

外国映画批評:死刑執行人もまた死す

1988年2月上旬号

外国映画紹介:死刑執行人もまた死す

1987年12月下旬号

グラビア:死刑執行人もまた死す

2020/09/22

2020/09/22

85点

購入/DVD 
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フリッツ・ラングの傑作

以前「ハイドリヒを撃て!」というハイドリヒ暗殺事件の強烈なチェコレジスタンス映画を見た。あまりにリアルな描写とその悲惨な結末に気分が悪くなった経験がある。
さかのぼること、あのフリッツ・ラングが映画化していた。
黒白画面の緊張感の走る展開はさすがラングである。後半二重スパイに仕立て上げる、市民総出の大芝居は、オリエント急行か?というような推理小説的味わいがある。
第二次世界大戦という特殊かつ悲惨な歴史での異常な事実。暗殺者が出頭しないと、市民の人質から次々に処刑するというナチスの対抗策がえぐい。犯人を匿ったりすると、その家族全員処刑という強烈な締め付けがある中で、自由を求める人民の戦いは連帯することでより強化されていく。
レジスタンスの自由へ向けての戦いという思想的な主張の力強さと映画芸術としての演出のすばらしさが両立している傑作である。

2020/08/06

2020/08/08

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
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チェコにおけるナチスへのレジスタンス活動

チェコのプラハを舞台にした、ナチスへのレジスタンス活動を描くフリッツ・ラング監督の映画。第2次大戦中の1943年に製作されているので、エンドマークの「The End」の前に大きく「NOT」と出る。字幕には“闘いは続く”。日本での劇場初公開は、1987年。チェコ国民が、示し合わせたように嘘の証言をして“死刑執行人”とあだ名されるナチの副総督の暗殺犯をでっちあげるところが見所。一方で、暗殺者が逮捕されるまでチェコ国民が次々と処刑されるところが、ナチスの恐怖。

2020/08/02

2020/08/02

76点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


やや冗長

予想に反して、ハイドリッピ殺害自体は描かれず、その後の報復との戦いのストーリー。ドラマとしてよく出来ていて面白いが、今の目で見ると冗長

2020/06/27

2020/06/27

80点

レンタル/東京都/TSUTAYA 
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とても硬質な名作です

 図らずも「ジョジョ・ラビット」に続いて見てしまった。ジョジョラビットの設定は1942年、この映画の「制作年」は1943年。

「死刑執行人」というのは、そのあだ名を持ったかつてのナチスの官僚ラインハルト・ハイドリヒ(実在の人物)。冒頭ににやけて歩きながら登場するこの男の感じの悪いことといったら!彼らがドイツ語を話してるのもリアルで震えます。フリッツ・ラングの映画ですもん。相当人に恨みを買ったんだろうなという説得力のある演技。

ハイドリヒはチェコの反ナチ団体によって暗殺されます(史実)。一瞬、歓びに沸く市民たち。でもこのときまだ1942年。これはナチスを刺激したに過ぎなかったのかもしれません。

この映画がユニークなのは、まず、チェコの人たちが蜂起して反撃し、ナチスの重鎮の暗殺に成功したという稀有な勝利を描いていること。でも、「二重スパイ」のチャカを見事に市民たちが口裏を合わせて無実の罪に陥れていくのは、けっこう恐ろしいです。今なら、このくらい凡庸で人道的なところもある男なら生き延びさせることが多いのに、仕返しとはいえ集団リンチみたいになっていくのが怖い。

高潔なお父さんも助からない。「これは終わりではない」と訴える映画を撮れるのは、ドイツ人だったフリッツ・ラングがハリウッドでアメリカ人として暮らしてるからです。今こうやって残っているのが、ナチスや日本の戦意高揚映画じゃなくてこの映画でよかったです。

2020/05/01

2020/05/01

100点

レンタル 
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大傑作・2回目

2020年5月1日に鑑賞。DVDにて。2時間15分01秒。スタンダード・黒白。英語・ドイツ語。

史実からここまでの物語を構築した脚本・監督が素晴らしい。戦時下なので戦意高揚映画なのでしょうが、この脚本・演出・撮影(ジェームズ・ウオン・ホウ)・編集(カット繋ぎ)が傑出している。

サスペンス溢れる物語展開が素晴らしい。

開巻に登場する総督ラインハルト・ハイドリヒ(の役者)が、何とも不気味である。にやけた感じで軍帽を斜めに被り登場。ステッキをわざと落としてチェコ軍人に拾わせる。「ドイツ語だけを話せ!軍需工場はゲシュタポの管轄にする」「ロシア戦線へのチェコ人の参加は?ストライキの37000人のうち50人が処刑された。500人は処刑しろ」スコダ工場へ。

2019/06/02

2019/06/02

95点

レンタル/東京都/TSUTAYA/SHIBUYA TSUTAYA/DVD 
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「NOT THE END」

この作品を前回観たのが2002年だったので、17年ぶりに鑑賞。
フリッツ・ラング監督作品は傑作だらけで、「フリッツ・ラング監督作品では、どの映画が最高傑作か?」という質問されたら答えるのが難しい(笑)
この映画も、やはり、凄い映画!

物語は、第2次世界大戦中のプラハを舞台に、ナチスに追われるレジスタンスや事件に巻き込まれた一般市民の恐怖を描いたものであるが、死刑執行人の異名を持つ総督ハイドリヒの暗殺を直接描くことはしない。
実行犯がプラハ市民の中に潜んでしまって、犯人追及するゲシュタポの怖さ、しかしそのゲシュタポに屈することなく団結して闘う市民たちを描いたドラマは、市民たち目線で観ているこちらの心に響いてくる。

ドイツ占領下のプラハで“死刑執行人”と称されるナチ総督の暗殺事件が起こり、女性マーシャ(アンナ・リー)は怪しげな男を見たが、追ってきたゲシュタポには別の方向を教えた。
夜間外出した者は射殺される厳戒令の出ている夜に、マーシャが逃がした男(ブライアン・ドンレヴィ)が彼女の自宅にやって来る。マーシャも教授の父親(ウォルター・ブレナン)も「彼が暗殺者…」と勘付いているのだが、彼を一晩泊めさせる。暗殺者を匿った家族も皆殺しにされるという危険も顧みず…。
ゲシュタポは対抗措置として市民の逮捕・連行をはじめ教授も連れ去って、拷問などを行い始めた。1人の暗殺者を守りぬくか、300人もの連行された市民の命を守るか、という厳しい状況に置かれた市民。
そして、様々な駆け引きが続くのだが……。

ラストが「THE END」ではなく「NOT THE END」というのは、第二次世界大戦中の1943年に製作された映画であり、ナチス存続していたからだろうか…。

この「NOT THE END」なる終わり方は、近年の濱口竜介監督作品『永遠に君を愛す』でも見られたが、どうしても『死刑執行人もまた死す』の二番煎じに見えてしまう。

本作は、この前後に作られた『マンハント』や『恐怖省』などと共に、ナチスドイツに反対する姿勢を見せたフリッツ・ラング監督の傑作である。