上院議員の娘アンジェラ(メアリー・ピックフォード)はドイツ人カールからもフランス人ジュールスからも愛を告白されるアメリカ人。彼女が愛しているのはカールだったが、時は第一次大戦の頃、男たちはそれぞれ母国に帰り兵役に就く。一方、アンジェラも祖母を訪ねてフランスへ行くが、乗った豪華客船ヴェリタニア号がドイツの潜水艦に沈められる。命からがらフランスについたアンジェラはヴァンジー城の主人となる。しかし、その城にもドイツ軍が攻めてきて民間人を殺し、また強姦するなどの暴挙に出る。ドイツ軍の中にはあのカールもいたのだが…
実際に沈められたイギリスの客船ルシタニア号(本作でのヴェリタニア号のモデル)にアメリカ人が乗船しており犠牲者が出たことがアメリカ参戦への後押しにもなったことから、本作も第一次大戦に関する戦意高揚映画としての趣きがある。
客船の沈没、城の中でのドイツ軍人の蛮行、そしてアンジェラからの通報でドイツ軍の大砲の位置を知ったフランス軍の反撃など見せ場の多いセシル・B・デミルらしい大作でもある。
なお今回の上映は、安田つぐみさんによるヴァイオリン生演奏付き。Uボートによる攻撃や、フランスでの戦争、そして恋する二人の情景などを楽曲の調べで盛り立ててくれました。