ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動

うぉーだんすひびけぼくらのこどう|War Dance|WAR DANCE

ウォー・ダンス/響け僕らの鼓動

amazon
レビューの数

3

平均評点

70.1(18人)

観たひと

25

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー / 戦争
製作国 アメリカ
製作年 2007
公開年月日 2008/11/1
上映時間 107分
製作会社
配給 IMAGICA TV
レイティング
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

アフリカの東部に位置するウガンダ共和国。著しい進歩が見られる一方、北部を中心に反政府軍によるゲリラ活動が今も続いている。ウガンダにおける戦争は複雑な側面も持つ。子どもたちは犠牲者であると同時に、反抗活動を維持してきた兵士でもあるのだ。反政府軍は、村から拉致した子供たちを少年兵として戦線に補充するという悪逆無道な手段をとっている。拉致された子どもたちは、銃で脅されながら隣人らに暴力を浴びせることを、さらにひどいときは両親を殺すことを強要されてしまう。そして男子は兵士として訓練され、女子は慰安婦にされるのだ。心に大きな傷を負った少年少女たちを救ったのは、歌と踊りと音楽だった。ウガンダの全国音楽大会に初出場を決め、上位入賞を目指し、ひたむきに頑張る子どもたちの軌跡を追った感動のドキュメンタリー。自らの言葉で語られる彼らの体験はあまりにむごいが、ときおり見せる輝く瞳は、明るい未来に満ち溢れている。監督は数々のドキュメンタリーを手がけてきたショーン・ファイン&アンドレア・ニックス・ファイン。「裸足の1500マイル」のジョージ・アコグニーが音楽監修として参加している。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

パトンゴ避難民キャンプには60,000人を超す避難民が生活している。このキャンプ内にある、銃弾で穴だらけにされた学校の壁の内側で、密かに奇跡が起こっていた。愛情と才能に溢れる教師たちの手によって、歌が、踊りが、音楽が子どもたちのもとに戻ってきたのだ。先祖伝来のリズムにのって体を揺らし、足を鳴らし踊る生徒たちの姿。彼らの踊り、それは祖国を思う願い。そして未来への祈り。そして[子どもであるべき時間] を取り戻す儀式だ。「音楽が生徒らの辛い思いを忘れさせてくれる」と教師は言う。が、本当は音楽による癒し以外に、彼が生徒たちに与えられるものがないのだ。「戦争がすべてを奪ってしまった。家、家族、そして子どもたちの夢を。」と彼は嘆く。しかし、この教師は自分が生徒たちに与えた『もの』の重大さに、まだ気づいていない。【全国音楽大会】ウガンダで、この大会を知らない生徒はいないであろう。国中の20,000校を超す学校が参加を賭けて挑む大会。そこでは、歌、踊り、楽器演奏など様々な部門で、生徒たちの技能が審査される。不安定な政治と貧困との命がけの戦いにあけくれるこの国の生徒にとって、大会は喜びと興奮と達成することの充実感を与えてくれる、必要不可欠なイベントである。年に一度行われるこの大会に、北部で最も危険地域とされるパトンゴにある学校が初出場を決めた。紛争地域にあるキャンプ内の学校からの参加が認められたのは歴史上初めてのことであり、記念すべき事件だった。その大事な大会での優勝を目指して、生徒と教師による猛練習が始まった。大会2週間前。首都カンパラから2人の音楽専門家が学校にやって来た。生徒たちのパフォーマンスを全国レベルに引き上げるため、厳しくも愛のある特訓が始まった。音楽教師のジョリーは、伝統舞踊、聖歌合唱、器楽の3部門を重視し、特に練習を重ねる。伝統舞踊は祖先からの大事な文化であり、代々受け継がれていく大切な踊り。伝統舞踊の部門で優勝することは、部族の誇りであり生徒にとっても大きな名誉なのである。生徒たちは、酷暑の中で、埃にまみれて練習に熱中する。南部の恵まれた子どもたちと違って、パトンゴの生徒たちは、制服はリサイクルだし楽器もしばしば手製のものを使う。しかし、才能と情熱、さらには戦争で奪われた人生を取り戻そうという熱意に支えられて練習を続ける。ドミニク、ナンシー、そしてローズ。練習で見せる真剣な眼差しやふと見せる笑顔とは裏腹に、彼らが背負っているものはあまりに悲惨だ。忘れたいであろう過去の悲しい出来事を、彼らは自分に言い聞かせるように語りだす。音楽を通して、彼らは少しずつ変わり始めていた…。何ヶ月にも渡る練習の末、大会の日がやってきた。いざ会場となるカンパラへ。手づくりの衣装と楽器を持ち、武装兵士に守られながらの2日間のバスを乗り継いでの旅路。初めて訪れるカンパラには高層ビルが立ち並び、兵士もいない。その平和な光景も、避難民キャンプから出たことのない子どもたちにとっては、まるで異国。「この子たちは電気を知らないし、水道水も飲んだことがないから」と同行した校長は言う。「キャンプを離れるのはこれが初めて、という生徒がほとんどなのです。」この大会で生徒たちは持てるすべてをぶつけて演じることができるはずだ。勝ち負けは問題外。パトンゴの子どもたちがウガンダ中に、挫けない心を見せつける時がきた。大会では、全国各地から参加する生徒たちのハイレベルなパフォーマンスに圧倒されながらも、奮闘するパトンゴの子どもたち。彼らは全身全霊で技能を披露した。そこには、まるで紛争地域で暮らしていることを感じさせないほど、純粋で子どもらしい笑顔が広がっていた。そして、部族の名誉である伝統舞踊を踊る彼らには、自信が満ち溢れていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2016/04/19

2016/04/19

60点

レンタル 


踊ってるときの笑顔は本物だ

伝統舞踊を踊っているときの彼らの笑顔がとても美しかった。それが観られただけでも十分。ただ、紛争の体験を語るシーンは、「語らされている」感が非常に強く、居心地の悪さを感じた。もちろん、語っていることを嘘とは思わないけど、インパクトが出るように作り手の大人が手を入れたように感じ、先進国のエゴみたいものを感じる。彼らに自然にしゃべらせてあげれば、それで十分伝わるのに。もったいない。

2014/11/07

2014/11/07

80点

レンタル 
字幕


ぼくは部族の未来だ

ネタバレ

『僕が誘拐されたのは9歳の時だった』
『母は切り刻まれた父の身体を拾い集めて埋葬した。その母も反政府勢力に連れて行かれて3日たっても帰ってこなかった』

反政府勢力との戦いが続くウガンダ北部。9万人の子供が誘拐され、20万人の子供が両親を失った。
紛争地区から初めて全国音楽大会に出場するパトンゴ小学校の子供達。300kmの未舗装路をトラックの荷台に乗って首都カンパラへ。全国大会を戦う彼らの姿はまるで『gree』のようだ。手に汗握り応援したくなる!

『僕は木琴奏者、僕はアチョリ族、そして部族の未来そのものなんだ』

『私はもう両親を失った女の子じゃない。全国大会で優勝してトロフィーを持ち帰った女の子よ』

苦悩から歓喜へ、幼くしてこの世の地獄を見た子供達が希望を掴み取る姿に感動。

2013/10/14

2013/10/23

80点

テレビ/無料放送 


当たり前のように学校に行けること

ネタバレ

これは全く予備知識なく見たが、タイトルから想像していた話と全く違っていて驚いた。激しい内戦が続くウガンダ北部にある難民キャンプで、全国音楽大会で優勝を目指す子供たちのドキュメンタリーだ。

紛争地域の学校からは初めて出場ということでの注目度から、こうして映画にもなったのだろうが、子供たちの過酷な体験を聞いているだけで愁然となる。知識として知らない訳ではないが、当事者の言葉は鋭い刃のように胸に突き刺さる。そこで起きている悲劇とは相容れない雄大で美しい風景。

当たり前のように学校に行けること、演奏や音楽を楽しむことができること、その幸福度を忘れてはいけないと感じる。