落下の王国

らっかのおうこく|The Fall|THE FALL

落下の王国

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レビューの数

46

平均評点

75.0(308人)

観たひと

520

観たいひと

101

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ファンタジー
製作国 アメリカ
製作年 2006
公開年月日 2008/9/6
上映時間 118分
製作会社
配給 ムービーアイ
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/ドルビーSR/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督ターセム 
脚本ニコ・ソウルタナキス 
ダン・ギルロイ 
ターセム 
エグゼクティブプロデューサーアジット・シン 
トミー・タートル 
プロデューサーターセム 
共同プロデューサーニコ・ソウルタナキス 
ライオネル・コップ 
撮影監督コリン・ワトキンソン 
プロダクション・デザインゲド・クラーク 
音楽クリシュナ・レヴィ 
編集ロバート・ダフィ 
衣装デザイン石岡瑛子 
キャスティングダン・ハバード 
字幕太田直子 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演カティンカ・アンタルー Alexandria
ジャスティン・ワデル Nurse Evelyn / Sister Evelyn
リー・ペイス Roy Walker / Blue Bandit
Kim Uylenbroek Alexander the Great/Doctor
エイデン・リスゴー Intern/Alexander's Messenger
ショーン・ギルダー Walt Purdy
ロナルド・フランス Otto
アンドリュー・ロッソ Mr. Sabatini
マイケル・ハフ Dr. Whitaker
グラント・スワンビー Father Augustine
エミール・ホスティナ Alexandria's Father / Bandit
ロビン・スミス Luigi / One Legged Actor
ジートゥー・ヴァーマー Indian / Orange Picker
レオ・ビル Darwin / Orderly
マーカス・ヴェズリー Otta Benga / Ice Delivery Man
ジュリアン・ブリーチ Mystic / Orange Picker
クトゥッ・リナ Chief Mystic
カミーラ・ヴァルドマン Crying Woman
Elvira Deatcu Alexandria's Mother
エマ・ジョンソン Alexandria's Sister
ダニエル・カルタジローン Sinclair / Governor Odious
ニコ・ソウルタナキス Horace
ジョン・ケイメン Morty
カレン・ハーケ Alice

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

自殺願望のあるスタントマンが幼い少女を操るために話し始めた虚構の物語が、やがて夢と希望を紡いでいくアドベンチャー・ファンタジー。監督・脚本は「ザ・セル」のターセム。出演は「グッド・シェパード」のリー・ペイス、本作が映画デビューとなるカティンカ・アンタルー、「カオス」のジャスティン・ワデルなど

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1915年。映画撮影中に橋から落ちて大怪我を負い、病室のベッドに横たわるスタントマンのロイ(リー・ペイス)は、私生活でも恋人を主演俳優に奪われ、自暴自棄になっていた。そこに現れたのが、オレンジの樹から落下、骨折して入院していた5才の少女アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)。自ら動くことのできないロイは、自殺するための薬を薬剤室から盗んでこさせようと彼女を利用することを計画。彼女の気を引くために、思いつきの冒険物語を聞かせ始める…。それは6人の戦士が、総督オウディアスへ復讐を果たす物語。弟を殺されたオッタ・ベンガ、妻を誘拐され死に追いやられたインド人、爆発物の専門家であるがゆえに危険分子とされたルイジ、幻の蝶の死骸を送りつけられた英国の博物学者チャールズ・ダーウィンと猿のウォレス、弟と共に死刑を宣告された仮面の黒山賊、そして、神聖な森を総督に焼き払われた霊者。彼らが総督の牙城に向かう途中、総督の旗を掲げた山車に遭遇、鞭に打たれる奴隷たちを解放しようと6人は山車の扉の前に立つ。中から姿を現したのは、扇で顔を隠した姫。一行は姫をさらい、一旦隠れ家に戻り雌伏する。その後、姫と黒山賊の間に愛が芽生え、結婚することになるが、式を取り仕切った司祭の裏切りによって一行は捕らえられる。砂漠の真ん中に鎖で繋がれた戦士たち。すると、ウォレスが入っていたはずの皮袋から仮面をつけたアレクサンドリアが出てくる。彼女は黒山賊の縄をほどき、手に銃を持たせた…。しかし、先ほど飲んだ睡眠薬によってロイは意識を混濁させその場に倒れこんでしまう。アレクサンドリアはロイに喜んでもらおうと再び薬剤室に忍び込むが、モルヒネの瓶を掴もうとした瞬間、転倒し床に落下する…。アレクサンドリアのベッドの脇で泣き崩れるロイ。彼は彼女に作り話を聞かせていたことを告白する。しかし、それでもアレクサンドリアは物語の続きをせがむのだった……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2008年10月下旬号

劇場公開映画批評:「落下の王国」

2008年10月上旬号

REVIEW 2008:「落下の王国」

2008年9月下旬号

インタビュー:ターセム・シン監督 「落下の王国」

2023/09/04

2024/01/03

65点

テレビ/無料放送/BS松竹東急 
吹替


めくるめく映像美を狙ったが。

おとぎ話ようなストーリーであるが、話として面白くない。斬新な色彩感覚とめくるめく映像美を狙ったのだろうが、物語との連携ができておらず、ただの空想話にすべっていく。次第に、どうでもよくなり、映画への集中力も途切れていく。残念。

2023/07/28

2023/08/25

75点

テレビ/無料放送/その他 
字幕


映像美のターセム王国。

ネタバレ

映画に関してはアンテナを張って注目作品を見逃さないようにしているが、本作はまったくのノーマークで、
録画鑑賞となった。観れば、色彩の乱舞で新鮮な驚きを持った。劇場ならばなおのこと素晴らしいだろう。

1915年の無声映画の撮影が盛んな頃、LAだかハリウッドの病院に、落馬事故で下半身不随のロイ
(リー・ペイス)が入院していた。同じ病院には果樹園でオレンジの樹から落ちた5歳の少女アレクサン
ドリアがいた。下半身ギプスのロイと左腕ギプスの少女が出会うことになる。
ロイは恋人を主演俳優に奪われる悲運も。歩けないロイは、少女を利用して自殺用の薬をパクることを
思いつき、まずは少女の歓心を買うために、おとぎ話をする。アレクサンドリアの名前からアレキサンダー
大王のエピソードを語る。少女は眼を輝かして聞く。ロイも明日は愛と復習の物語だ、と期待を持たせる。
ロイの元に片足の俳優ルイジが見舞いに来る。やはり恋人は主演俳優のシンクレアに奪われたようだ。
ルイジは自分の片足を例に、まだまだ役者でいける、と励ますのだった。

ロイのも語りが始まる。とある珊瑚礁に4人の男が送り込まれた。そこに一人のインド人が泳ぐ着き、
総督オウディアスが黒山賊の双子の弟青山賊を処刑する、と伝えた。5人は結束してオウディアスと
対決するために珊瑚礁を脱出した。リーダーは仮面の男の黒山賊。氷売りの黒人オッタ・ベンガは弓の
名手。片足の俳優ルイジは爆発物の名人。緑のターバンが美しいインド人。ダーウィンは相棒の猿
ウォレスを連れている。そして神聖な森を総督に焼き払われた霊者が加わり、総勢6人の反乱はどう
なるのだろうか…。

基本はロイが語る夢物語を映像化した形だが、ターセム監督のこだわりが映画全編にみなぎっていて、
ヴィジュアルアートを堪能する趣がある。まずはキャラクターを表現する衣装が素晴らしい。ビビッドな
色と選び抜かれた素材、そして奇抜なデザインで観客の心を鷲づかみにする。また悪役もいい。
スターウォーズのストームトルーパーの役割をする黒一色の不気味な鎧集団。姫には仮面のように
扇子が使われる。和のテイストなので、映画を見終わった後、衣装担当が石岡瑛子であったことに
膝を叩く思いだった。
また、世界各地でロケをした背景が素晴らしい。青い壁の中東風の住居。ご存じタージマハール、
それと肩を並べる史跡。巧みなカメラワークがターセム監督の美学を写し撮った。
ロイの夢の話という逃げ場所があるせいか、ストーリーの弱さが最後まで響いてしまった。

2023/08/16

2023/08/16

60点

テレビ/無料放送 
字幕


一瞬を鮮明に想像する

おもちゃのような手紙,宝箱の中の写真,そしてベッドで語られるファンタジー,そこにある儚さは,人生が一瞬でしかないことの寓意のように映っている.その一瞬は,落下の一瞬でもあり,人生と物語がともどもにその瞬間を輝かせようともしている.
ロサンゼルスの昔として語りの舞台は整えられる.語られる物語は砂漠から始まり,それは自殺願望のある映画俳優ロイ(リー・ペイス)の心象のように映されている.冒頭にはスローモーションがあり,聞き手でもあるアレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)は耳からの情報を視覚的に再現ができる子どもでもあり,彼女はいくつかの危機的な場面で,フラッシュバックを体験している.彼女は右目と左目では違うものが見えることを経験し,目をつぶり,目を擦ることで星空が広がることも現実として体験している.
「英語」とされる手紙がヒラヒラと落ちていき,こうした重力性の運動は,砂漠の圧倒的な水平的構成とそこをいく虚しさ,あるいはこぼれ落ちてしまう水によっても表現されていく.看護師のエヴリン(ジャスティン・ワデル)は姫のように現れる.アレクサンドリアはその名前からアレクサンダー大王として物語に登場する.星空の下にある珊瑚礁の島の4人とインド人,そして猿のウォレスもそれぞれに現実の何者かでありながら,少女アレクサンドリアの視覚的想像力が再現した何かでもありうる.物語の言葉は,現実のここにあるベッドとそれを囲むここにある病院世界に聞こえる言葉たちと同期し,互いに互いを借りあっているようにも感じらえる.
腕の怪我あるいは足の怪我によって,身体性を失った若い女と男は,アメリカーナ・エキゾティカと呼ばれる蝶を欲望しているように見え,その欲望は,例えば物語の中のダーウィン(レオ・ビル)として仮象されている.復讐の思いは,爆発を司る科学者ルイジ(ロビン・スミス),海を泳ぎ切るインド人(ジートゥー・ヴァーマー),奴隷労働のうちで兄弟を殺された男(マーカス・ヴェズリー),焼けた木の中から現れる霊者(ジュリアン・ブリーチ) らに仮託されている.
ロイや物語の中の彼は幾度となく眠りに落ちそうになる.モルヒネの力を借りて深い眠りに落ちようともする.舌で感じられる氷屋の氷,聖体のパンのように口から入る食べ物,噛むことを補う入れ歯など,口は語る以外にも何事かを求めているように感じる.仮面は,被る者の世界の見え方を変え,被った者が他者から見らえるその姿を変え,ひいては被った者の行為を変容させる.心と魂と力の同一が強く語れ,男たちは叫んでいる.「グーグリ」という呪文が聞こえ,視覚は回転し,城の外には青い街が広がっている.
言葉と視覚,身体と映像の関係を物語の仮構を借りながら鋭く突いてくる.

2023/07/29

2023/07/29

80点

選択しない 
字幕


めくるめく映像美(語彙)

美しいものに関してのボキャブラリーが圧倒的に豊かで、見たことが無いものを次々と見せてくれて幸せになる。景色も衣装も物凄い美しさ。

ワンシーンたりとも、平凡な絵柄が無い。

インドのジャイプールが何度か出てくる。多分現地の本物よりも美しく撮ってある。

黒が黒くて解像度が高い画面で見た方がよい映像なので、これは劇場向きではないかもなー。

物語も悪くないけど、何より映像。映像監督って発想もすごいがこれを絵に落とすまでの手間を考えるとその根性こそ凄まじい、と思った次第。

2023/06/11

2023/06/12

70点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


創作おとぎ話

大けがを負って寝たきりのスタントマン・ロイ(リー・ペイス)と5才の女の子アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)との交流。
ロイは自殺願望があるが、動けないためアレクサンドリアに5人の勇者の冒険物語を創作し、お話の続きを聞きたいアレクサンドリアに自殺用の薬を取ってこさせようとする。アレクサンドリアは骨折で左の腕が動かないが、使い走りぐらいはできる。ただ年齢が5才という無邪気な年齢のため、なかなか意図したとおりには動いてくれない。
結局最後にアレクサンドリアが薬を取ろうとして転倒し、また動けなくなったとき、ロイにも生きる力が湧いてくる。
現実とおとぎ話を交互に描き、どちらの行方も気になる作り。
映像、特におとぎ話の部分がきれい。アレクサンドリアのカティンカ・アンタルーの演技は演技なんだろうか地なんだろうか。ほっこりするうまさ。

2022/06/18

2022/06/18

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


全カットがグリーティングカードになる

ネタバレ

傷を負ったスタントマンが
少女に語る不思議なおとぎ話
が全てなのですが
大人のファンタジー大好物のわたくし
懐かしいな
昔シネスイッチ銀座でスクリーンで観ました
衣装デザインが大好きな石岡瑛子さんですし
セルの監督ならば絶対観たかった
今回久しぶりにWOWOWで配信していて
やはりとてもビジュアルが凄くて
どのカットを取っても絵になるし
良く若い時行ったインドの
ジョードプールのブルーシティや
アグラのタージマハル
湖の宮殿(007オクトパシーでも使われた)
レイクパレスにも泊まったし
思い入れが沢山あります
子役はこの映画だけなのかしら
良く見つけてきたな
とてもキュートで全部アンハッピーにしたい
語り部もこの子ならハッピーエンディングに
しちゃうよねえ
終わりよければ全て良し。