終りよければすべてよし

おわりよければすべてよし|----|----

終りよければすべてよし

レビューの数

3

平均評点

68.3(8人)

観たひと

11

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー / 社会派
製作国 日本
製作年 2006
公開年月日 2007/6/2
上映時間 129分
製作会社 自由工房
配給 自由工房
レイティング
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督羽田澄子 
演出羽田澄子 
製作工藤充 
撮影西尾清 
ノンリニア編集佐藤斗久枝 
ピアノ高橋アキ 
整音岩橋政志 
演出助手佐藤斗久枝 
コーディネーターマーフィー洋子 
藤井恵美 
翻訳小林明男 
瀬口巴 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

ナレーション羽田澄子 
喜多道枝 

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

日本人の8割以上が病院で死を迎え、自宅での安らかな死を望んでも様々な事情から難しい状況となっている現状を踏まえ、国内やオーストラリア、スウェーデンなどで先進的な在宅医療の実例を取材、在宅医療を可能にする社会の仕組みとその課題を考えていくドキュメンタリー。演出は「-元始、女性は太陽であった-平塚らいてうの生涯」の羽田澄子。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

いま日本の社会で問題になってきていることのひとつに、老後の最終段階となる終末期のケアの問題がある。すべての人にとって、絶対に避けられないのが死。しかし自分がどんな死をむかえるかは誰にもわからない。理想的な死とは、自宅で親しい人に見守られ、安らかな最後を迎えることではないだろうか。しかし現在、『富山の射水市民病院の人工呼吸器はずし問題』が象徴しているように、多くの人が病院で延命措置を受けながら亡くなっている。いま日本では病院での死が80%を越え、自宅での死は13%にすぎない状況である。病院での過重な延命措置は、医療費の問題でもあるが、本当は人間の尊厳を守り、終末期のケアを自宅でできるようにする理念とシステムが出来ていないという、大きな問題を抱えているのだ。現在では、往診してくれる医師も少なく、自宅で安らかに最後を迎えるのは、なかなか難しい状況だ。この映画は、日本での在宅や福祉施設での人生終末期のケアの優れた例とともに、オーストラリアとスウェーデンの進んだシステムも取材。現在の日本が抱える医療問題を、在宅医療の実例を取材、在宅医療を可能にする社会の仕組みとその課題を考えていく。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007年6月上旬号

特別企画 羽田監督と終末医療を考える「終わりよければすべてよし」:羽田澄子[監督] ロングインタビュー

特別企画 羽田監督と終末医療を考える「終わりよければすべてよし」:作品評

特別企画 羽田監督と終末医療を考える「終わりよければすべてよし」:作品評

2007年

2022/04/07

75点

選択しない 


当時の恥ずかしいレビュー。

日本とオーストラリア、そして福祉先進国と言われるスウェーデンにおける在宅医療とターミナルケア(終末期医療)の現況を紹介する。
在宅で終末を迎えるということは、延命措置の囲い消し去り心穏やかに最期を迎えるということ。映画は医療側からの視点ということもあって、全編を通して悲壮感は極力排除してある。

国内の例として紹介された、24時間体制でサポートしてくれる会員制在宅医療システムや在宅療養支援診療所は、医療行為を必要とする高齢者とその家族にとって、この上ない安心となっているに違いない。取り組みはまだ始まったばかりだ。
介護保険制度、尊厳死、安楽死、延命措置など、現実には難しい課題が重く並ぶ。それでも在宅医療ケアの将来に尽力を注ぐ人が国内外には大勢いる。そのことを知り得るだけでも、本作の制作は意義がある。
今日の岩波ホールには、今まさにこの問題に直面している方が観ていたかもしれない。初老のご夫婦が多くの席を埋めていた。もっと若い人も観てくれたら、と思う。

興味深いのは、福祉大国スウェーデン。税金が高くても全てがうまくいってるように見えるけど、格差とかないんだろうか。そもそも基幹産業って何?

2007/06/24

2014/10/22

80点

映画館 


終末医療を考えることは、生きるとは何かを考えること

これは終末ケアだとか介護医療だとか、まさに今の問題についての現状を描いたドキュメンタリーで、日本でも少ないながらもうまくいっている在宅ケアや施設の運用を紹介していますが、私が強く印象に残ったのは、「誰がみても明らかなことは、医療がどんなに発達しても人は必ず死ぬ」ということを政治も行政も医療も真正面から見据えていない、ということでした。つまり高齢化社会が進めば進むほどこれは避けては通れないことであり、さらに言えば、終末医療を考えるということは確固たる死生観を持つということであり、生きるとは何かを考えることだと思いました。羽田監督は取材に協力してくれた人々への感謝と敬意をエンドタイトルで表していましたが、あまり多くはなかったと思われる製作期間で重要な問題提起をした羽田さんに敬意を表したいですね。

2000年代

2013/07/09

60点

映画館/東京都 


老後のケアの問題に向き合うドキュメンタリー

羽田澄子監督作品。老後のケアの問題に取り組む医師や患者達の活動を追ったドキュメンタリー。高齢化社会になり介護や福祉が重要な時代になっている。誰にが直面するであろう切実な問題を扱っていて、こうしたドキュメンタリーが作られる意義はますます高まるだろう。