終末医療を考えることは、生きるとは何かを考えること
これは終末ケアだとか介護医療だとか、まさに今の問題についての現状を描いたドキュメンタリーで、日本でも少ないながらもうまくいっている在宅ケアや施設の運用を紹介していますが、私が強く印象に残ったのは、「誰がみても明らかなことは、医療がどんなに発達しても人は必ず死ぬ」ということを政治も行政も医療も真正面から見据えていない、ということでした。つまり高齢化社会が進めば進むほどこれは避けては通れないことであり、さらに言えば、終末医療を考えるということは確固たる死生観を持つということであり、生きるとは何かを考えることだと思いました。羽田監督は取材に協力してくれた人々への感謝と敬意をエンドタイトルで表していましたが、あまり多くはなかったと思われる製作期間で重要な問題提起をした羽田さんに敬意を表したいですね。