ロンドンの新聞社に勤めるコラムニストのアイリス。
彼女は3年間想い続けた恋人で同僚のジャスパーが他の女性と婚約したことを知らされる。
彼女は一晩中泣き明かす。
ロスアンゼルスで映画の予告編制作会社を経営するアマンダ。
彼女は同棲中の恋人イーサンの浮気を知り、彼を家から追い出す。
彼女は泣こうとしても泣けなかった。
この見ず知らずの二人が失恋をきっかけにホーム・エクスチェンジのサイトで知り合う。
初めて知ったがホーム・エクスチェンジとは休暇中に互いの家を交換することで、欧米では一般的であるらしい。
サイトで意気投合した二人は翌日には荷物をまとめて旅に出ていた。
二人の目的は同じく失恋の傷を癒すこと。
男なんて真っ平。
そう思っていたのにバカンスには突然の出会いが付きものだった。
アマンダの家はプール付きの大豪邸。
一方アイリスの家は田舎にある小さなコテージ。
正反対の環境だがお互いにとっては申し分ない。
どちらも誰にも休暇を告げずに出発したため、訪ねてきた知人は面食らう。
アマンダは訪ねてきたアイリスの兄グレアムに一目惚れする。
彼女はワンナイトラブと割り切ってグレアムと一夜を共にする。
深追いするつもりはなかった。
だがこの関係は一夜で終わらない。
グレアムもアマンダに惹かれていたのだ。
彼は雑誌の一編集者。
彼女とは住む世界が違う。
そう割り切ろうとするのだが。
アイリスはアマンダの友人で映画音楽を手がけるマイルズ、また近所に住む引退した脚本家のアーサーと出会う。
彼女は失恋の痛みを忘れようと気ままな生活を送る。
だが忘れたいはずのジャスパーから仕事の用でひっきりなしに連絡が入る。
彼女はついつい彼の要望に応えてしまう。
どうやらジャスパーは結婚相手がいるのに、アイリスを手放したくないようだ。
果たしてアイリスは都合の良い関係を断ち切れるのか。
かなりご都合主義的なシナリオで、実際にはあり得ないような展開が続くのだが、失恋の痛みを知っている者なら誰でも共感出来る部分はあるだろう。
マイルズは恋人の二股を知り、「なぜ悪女に惹かれてしまうのだろう」と溜息をつく。
確かにしたたかな悪女ほど魅力的に見えるものだ。
そして誠実で優しい人間ほどその魅力に気づいてもらえない。
でも本当にその魅力に気づいてくれる人が現れたら、それは運命の相手かもしれない。
アーサーはアイリスに人生の主役になるように諭す。
彼は彼女の本当の魅力に気づいている男だ。
年齢は90歳を超えているが。
物語の展開も予想出来てしまうし、スターの豪華共演がなければかなり平凡な作品になっていただろう。
ただアーサーという人物を登場させたことは、この映画のシナリオの秀逸な部分だと思った。
彼は恋愛とは縁のない存在だが、彼がいなければ味気のない作品になっていただろう。
そしてこれは映画愛に溢れた作品だとも思った。
思わぬ名優がチラッと出演しているシーンも見もの。
ハンス・ジマーの手がける音楽も素敵だった。