映画としての巧妙な仕掛けが非常に面白いが、何故か私の胸に感動までは沸き起こさせなかった
サッカー欧州選手権(EURO2020)の全試合を観戦し続けたので、映画鑑賞は一か月ぶりです。当作品は、荒木飛呂彦の「超偏愛!映画の掟」で、彼が選ぶサスペンス映画TOP20の15位だったので、鑑賞するのを楽しみにしていました。
作品タイトルのバタフライ効果を映像化しており、主人公が特異の才能に目覚め、小さな変化を起こすと、次から次へと展開が変わり、観客の興味を逃さないストーリーとなっています。前半は、才能に目覚める前の主人公と周囲の友人達の少年少女時代を描きます。この雰囲気は「IT」を思い出させます。後半は、もう、バタフライエフェクトを何度も畳みかけるストーリー展開となります。ただ、私にとっては見たことがある様な構成でした。恐らく、当作品の影響を受けた作品が続出して、それらを私が見ていたからでしょう。それだけインパクトのある作品だったのだと思います。通常は、私の評価点は皆さんの平均評価点より高めなのですが、当作品の場合、私の方が低めなのが、それを物語っているかと思います。
前半、もう一つ何か仕掛けが欲しかった、という気もしました。後半の様々な変化を腹落ちさせるには、前半で主人公達の様子を丁寧に描いておく必要があったのは理解出来るのですが。何か、もう一つ魅力が欲しかった、アシュトン・カッチャーに対する私の不満かな。
一番の収穫は、エイミー・スマートの色んな役柄が見れることです。それに同期を取る様に、主人公の友人達の性格も変化し、役者として演じていて面白かっただろうなぁと感じました。主人公はアシュトン・カッチャーが演じていて、精神が少し不安定で、人が良さそうだけど、嫉妬もするという複雑な役柄を分かり易く演じています(好演と呼べるかは微妙ですが、、、前述の通り、もう少し魅力が欲しかった。最後の方の、エゴむき出しの表情は良かったです。)。ストーリー展開が巧妙な映画が好きな方にお勧めです。