備忘メモ:
全般的にテンション低めなのだけど、何故か好きな作品だ。翻訳されると見失うものがある。妻や夫との心のすれ違いも、母国語同士の会話であっても、それ以外の言語外表現をも含めて、感じてしまう。東京(アジア)という全く未知な文化・習慣・英語が殆ど通じない世界に一時的に身を置くことになった時にも感じる。「明日に掛ける橋」の歌唱途中で拍手が沸き上がり演奏を止めてしまったり、寺や和服の結婚式に珍しさは感じるものの新郎の眼差しに新婦が手を添えるシーンに微笑んでしまうのは、そこに人間共通の心情を感じたからだろう。
ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)とシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)が次第に惹かれ合うのも、そんな状況下だったからこそだったのだろう。二人には年齢差(そこから起因する過ごした年代の違いによる興味関心の違い)を感じて、ボブはシャーロットに男女としては接しない。でも同年代のシンガーとは酔っぱらって一夜を共にする。それを分かったシャーロットの反応は、如何にも女性だった。ここが面白い~。こんな微妙な心の揺れを上手く表現していた作品だと思った。私は、シャーロットがどんな反応するかハラハラしながら観てたもん。
ビル・マーレイはお笑い全盛期の彼に比べるとテンションはとっても低い(役柄の影響もあったのだろうが)。スカーレット・ヨハンソンも普通の女の子(あんな美人なのに)全開だ。冒頭の青シャツとピンクパンツの後ろ向き寝姿シーンは、「素直な悪魔」のブリジット・バルドーのセクシーさとは大違い。でも、それだからだろうか、、真逆なジョークしか言わないボブが、ラストシーンでシャーロットの耳越しに囁いた内容だけが観客からは聞こえず(そう、一番重要な台詞を隠したのだ、最後の最後で)、シャロットの抑えてきた感情が爆発して、ボブの(最後の最後で初めて見せた)晴れやかな笑顔で締めくくるなんて、なんて素敵なんだ!ず~っと、「ラストにボブは何て言ったんだろう」って考え続けてしまうじゃないかぁ~
それにしても、ロキシーミュージック「More than this」カラオケもテンション低かったけど、音程は合ってたなぁ。
ボブが子供のことを語るシーンがとっても良い。「子供が生まれた時は、これまで自分が慣れ親しんだ生活習慣が完全に終わってしまうんだと思い、とても嫌だった。でも、子供が歩き出し言葉を喋る様になると、子供が自分にとって何よりも掛貝の無いものになったんだ」
最後のボブの言葉って、何だったんだろう。「東京に来た時の僕の気持ちは最低だった。妻から逃げ出し、未知の国で孤独だったから。でも、君に出会えて、とっても充足した。何故なら、僕は君にある意味恋をしたから。そして気付いたんだ。自分の中には人を好きなって、労わる気持ちが未だあることを。君のお陰で、僕は帰国して、家族と再び幸せになれる気がするよ。本当に素敵な一時をありがとう。」