ゲイやレスビアンなどの世界を描いた映画には、興味深い作品がいろいろとあります。でも、この映画はちょっと今まで観たことがないタイプの映画だなと驚きました。何と言っても93分の上映時間中、一度も女性の顔がはっきり出て来ないのです。町中の場面は結構あるのに、いつも女性は歩いていないか、後ろ姿か、画面の奥を小さく横切るだけ。もちろん本編では、女性の声も一切出て来ませんでした。徹頭徹尾男だけ。これまでこんな映画は記憶にないですね。
全部で三人しか出ない映画は、以前にも観たことがあります。(二人だけの映画もあったかも)それでも、これだけ大勢の人が出ていながら、それでいて女性が完全に出て来ない作品を観るのは、希有な体験でした。
くすっと笑えるところはあちこちにあります。でも、全体的には「あんまり笑えないな」という印象。同じアジアの国でも、やっぱり微妙な笑いの「ツボ」は全然違うんだなと、再認識した次第でした。