スペイン製のマカロニを使ったウェスタンショー。
ネタバレ
マカロニウェスタン全盛時はチネチッタではなく、当時コストの安かったスペインでロケされたそうだ。
スペイン南部のアルメリア地方は、砂漠地帯のような風景で「パットン大戦車軍団」のロケにも使われた
(KINENOTE)。その大撮影地に「テキサス・ハリウッド」という映画村が出来ていて、往年のスタントマンたちが
ウェスタンショーを繰り広げている。しかし往時の面影はなく、さびれた田舎のおっさんのショーでしかない。
映画は少し逆戻りして、小学生のカルロスのイタズラから始まる。シングルマザーのラウラは不動産業で
辣腕を振るう。カルロスがスキースクールに出かけると、無造作にカードを渡す。これがカルロスの軍資金
となり、一人別れてタクシーに乗り、アルメリアへ。映画村には祖父のフリアンがウェスタンショーを仕切って
いる。カルロスの亡くなった父もフリアンと一緒に映画製作に携わる人だった。フリアンに会えば、父親の話も
してくれそう。ウェスタンショーのメンバーがそれぞれ面白い。首つり死体の専門スタント、馬に引きずれれる男、
屋根の上で撃たれて、地上に落ちる男、棺桶職人等々、個性たっぷりの面々が紹介される。
しかし役者の中には麻薬中毒の者もいる。映画村には警察が介入する。座長のフリアンは逮捕までされて
しまう。映画村の危機はそれだけではない。広大な敷地を含む土地がアメリカ資本の地上げにあって
しまったのだ。アメリカ資本のお先棒を担ぐののは、ラウラ。もうウェスタンショーどころではない。
釈放されたフリアンは、外敵と徹底抗戦を決意する。それがウェスタンだ。いつもは空砲でのショーだが、
カルロスのクレジットカードで実弾を800発仕入れる。先端の火蓋は切って落とされた。
西部のガンマンと現代の特殊部隊との異次元の決戦は、
仕上げは一対一のガンファイト。残念ながらフリアンは銃弾を左胸に受け、カルロスの悲痛な声を聞きつつ、
ついに息を引き取る。
劇中でもクリント・イーストウッドとジョージ・C・スコットは名は別格で輝く。フリアンは、イーストウッドとツーカー
であることを、カルロスに自慢する。証拠は、イーストウッドの自宅の電話番号の書かれたメモ。実際にかけて
みると、事務所の人間が、本人は外出中と応え、フリアンとの会話はボツ。そしてエンディング、イーストウッド
らしき長身のカウボーウハット姿の男が、フリアンの棺に保安官バッジを投げ入れる。
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