サスカチワンの狼火

さすかちわんののろし|Saskatchewan|Saskatchewan

サスカチワンの狼火

amazon
レビューの数

1

平均評点

60.3(6人)

観たひと

10

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1954
公開年月日 1954/4/1
上映時間 87分
製作会社 ユニヴァーサル映画
配給 ユニヴァーサル日本支社
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「グレン・ミラー物語」のアーロン・ローゼンバーグが製作し、「世界を彼の腕に」のラウール・ウォルシュが監督した1954年作品で、カナダ騎馬警官隊を扱ったテクニカラーの活劇。脚本は「命を賭けて」のジル・ダウドが書下した。撮影は「砂漠部隊」のジョン・サイツ、音楽は「王者の剣」のジョセフ・ガーシェンソンが担当。主演は「零下の地獄」のアラン・ラッドと「陽のあたる場所」のシェリー・ウィンタースで、J・キャロル・ナイシュ「ミズーリ横断」、ヒュー・オブライエン、ロバート・ダグラス「ゼンダ城の虜(1952)」、アントニオ・モレノ「雷鳴の湾」)、リチャード・ロングらが助演する。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

カナダ騎馬警官のオロータ警部(アラン・ラッド)は、クリー族の酋長の息子ケジュウとともに巡察を終えサスカチワン砦に向った。オロークとケジュウは共に育てられた義兄弟だった。2人は途中、凶悪なスウ族に襲われていた女グレース(シェリー・ウィンタース)を救って連れ帰った。砦の新任隊長ベントンは、穏和なクリー族に理解なく、オロークにケジュウの銃を取り上げろと命じた。オロークはケジュウから無理やり銃を奪ったので、ケジュウは怒って義兄弟の縁を切った。カナダ当局は米国からスウ族が移動し反乱して以来、クリー族にも武器弾薬の給与を停止したので、クリー族は猟もできず飢に迫られた。そのころ砦へ米国の刑事スミスが、グレースをお尋ね者として捕えにやって来た。グレースはスミスの兄を殺した犯人だというのだ。辺境の事情は険悪となり、ベントン隊長はウォルシュ砦へ引上げる命令をうけた。スミスもグレースとともに警官隊と同行することになった。途中スウ族の奇襲にあったが、オロークの働きで撃退した。オロークは隊長の無能を知り、反逆罪を承知で指揮権をうばった。ベントンは復讐を誓ったが、部隊の全員はオロークに従った。あるとき、スミスはグレースに強引に言い寄った。彼はグレースと無理に結婚するため、彼女の罪をでっち上げたのだ。オロークはスミスを叩きのめしたが、スミスは拳銃をかまえた。その瞬間、ベントンがスミスを射殺した。この銃声でスウ族が迫って来た。オロークは弾薬を1カ所に集めて火をつけ敵を撃退し、部下のヤンクに部隊をウォルシュ砦まで届けることを命じた。自らは平服に着かえ、1人クリー族の宿営地に向った。クリー族の酋長は、クリー族がスウ族と合同して戦わねば、スウ族にほろぼされるとオロークに告げた。オロークは砦に帰ってクリー族への武器供与の必要を説いたが、守備隊長は彼の反逆罪を挙げて、彼を営倉に入れた。そこにはオロークの部下たちも入れられていた。守備隊長、ベントンらはクリー族と会談するため、部隊の大部分を連れて出動した。その間に、ケジュウとグレースの扶けでオロークらは脱獄し、スウ族の襲撃をうけている守備隊長を救援した。オロークはクリー族にも武器をわたし、スウ族の背後から攻撃を加えてこれを滅ぼした。オロークは反逆罪を免ぜられ、除隊してグレースとともに新生活を築くため米国へ向かった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1954年6月下旬号

外国映画批評:サスカチワンの狼火

1954年4月上旬春の特別号

新作グラフィック:サスカチワンの狼火

2021/06/22

2021/07/01

60点

選択しない 


カナダの西部劇

ネタバレ

 前年「シェーン」でブレイクしたアラン・ラッドが主演した西部劇のひとつで、おそらく今回が初見だと思う。そもそもアラン・ラッドは「シェーン」ぐらいでしか知らないかもしれない。西部劇に多く出演した人なのであるいは昔テレビで見ているかもしれないけれど記憶にない。
 「シェーン」の印象が強烈だったのか本作でもシェーンと同じ鹿革服と思しき出で立ちで登場している。
もっとも本作は西部劇とはいえ舞台はアメリカとの国境に近いカナダで、主人公のラッドもカナダの騎馬警官隊の一員という役どころ。放浪のガンマンではないのでその鹿革服もすぐに真っ赤な制服に着替えてしまう。
 インディアンに育てられたという出自が彼を微妙な立場に置いている。インディアンに理解のある白人というこの手の設定はこの頃の西部劇ではわりとよく見かける。養父が酋長でもあるクリー族をスー族や警官隊から守るべく奔走する様子が描かれる。
 紅一点にシェリー・ウィンタース。彼女のエピソードはあくまで添え物ふう。男ばかりのドラマに添えられた花か。いきなり主人公に銃を向けるような勝気な女で登場。インディアンに襲われひとり生き残った彼女の面倒を見るうちにふたりの間に恋が芽生えるというなりゆきだ。
 卑劣な元カレや無能な隊長らを配してドラマを繋いでいき、終盤のスー族撃退シーンへと繋げている。カナダの大自然(壮大な瀑布を見ることができる)を背景にしていて砂漠が舞台となることの多いウェスタンの中にあってはユニークな一作になっている。