哀愁(1940)

あいしゅう|Waterloo Bridge|Waterloo Bridge

哀愁(1940)

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レビューの数

45

平均評点

75.0(183人)

観たひと

290

観たいひと

14

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1940
公開年月日 1949/3/22
上映時間 109分
製作会社 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー映画
配給
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「響け凱歌」で共演した「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リーと「椿姫(1937)」のロバート・テイラーが顔を合せての主演映画で1940年作品。ロバート・E・シャーウッド作の舞台劇『ウォータールー橋』の2度目の映画化(1度目は「ウォタルウ橋」'31)で「征服」のS・N・ベールマン、「キューリー夫人」のハンス・ラモー及び「心の旅路」のジョージ・フローシェルが協力脚色し「心の旅路」「キューリー夫人」のマーヴィン・ルロイが監督した。撮影は「ガス燈」「心の旅路」のジョゼフ・ルッテンバーグが指揮し、音楽は「育ち行く年」のハーバート・ストサートが作曲している。「剃刀の刃」のルシル・ワトソン、「勝鬨」のヴァージニア・フィールド、「征服」のマリア・オースペンスカヤ、「キューリー夫人」のC・オーブリー・スミス等が共演。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1940年燈火等制下のロンドン。ロイ・クローニン大佐はフランスへ赴任するのでウォータールー駅へ自動車を駆っている。駅に近くウォータールー橋にさしかかると大佐は車を降りる。橋は第1次大戦当時、爆破されて架橋し直したとはいえ、大佐には懐かしいのであろう。霧に霞むらんかんにもたれつつもの想いにふける。それは1917年、彼は25歳の陸軍大尉であった。スコットランドの旧家クローニン家に生まれ、フランスの戦野へ出征の途上、ロンドンで閑暇を楽しんでいるのだ。折しも空襲のサイレンが鳴り人々はウォータールー駅の避難所へ駆け出す。中の1人の女が何か落とした。大尉は手助けをして彼女と共に避難する。見れば美しい。まだ女学生と見える彼女はマイラと名乗った。オルガ・キローワ・バレエ団のダンサーなのだ。ロイは彼女の舞台を見物すると、夜食に誘ったのであるが、厳格なキローワ女史はマイラに行くことを禁じた。しかし彼女は親友のキティの助けでぬけ出して大尉と会った。翌日彼はマイラを訪ねて結婚を申込み、その次の日式を挙げる約束が出来た。ところがその晩彼女は速達便を受取った。出発命令が下ったから直ぐ立つ、会いたい、というのである。マイラは飛出して駅へかけつけたが走り行く車上に立つロイの姿をチラと見ただけであった。劇場に急いでもどると、舞台に穴をあけたというのでキローワ女史はクビを申し渡し、マイラの弁護をしたキティも諸共クビになった。貯蓄の全部を出した結婚衣装を買ったマイラは、ロイの母に会いに行った。その約束のカフェでマイラは不図見た新聞に、ロイ・クローニン大尉殉死の報を見て卒倒した。それから2ヵ月間マイラは病床にふした。就職口がないためにキティが夜の女となっていることを、全快して彼女は初めて知って、その友情に泣かされた。そして今やロイ亡きあと何の生甲斐もなくなったマイラは、自らもキティと同じ道に陥った。それから1年、ウォータールー駅でマイラは凱旋して帰ったロイと会った。彼の殉死は誤報だったのだ。彼女が待っていてくれたと思って喜んだ彼は、彼女の身の上の変化に気がつかず、彼女をスコットランドの家へ伴った。マイラは愛が絶対である。その他のあらゆる事は関係ないと、自分自身に言い聞かせたが、もしも彼女の1年間の行状が知れれば、ロイの破滅となるに違いないと思い直して、ロンドンへひとり帰ってしまった。ロイは後を追ったがマイラは身を隠した。マイラは思い出のウォータールー橋の上に、いつか来てしまっていた。何度考えても彼女は愛するロイに幸福を与えることは出来ないとしか思えない。思いつめたマイラは突進して来る軍用トラックの前に身を投げて最期をとげたのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/12/19

2023/12/19

80点

選択しない 


純愛のメロドラマ

メロドラマの古典的名作。純愛という言葉が相応しい。泣かせようと思えばもっと過剰な演出で泣かせると思うが、抑制を効かせてくれたおかげで品が良く再見に耐えられる作品。ビビアン・リーが美しくスカーレット・オハラ役よりもコチラの方が好き。
ロバート・テイラーも良い。二人が蝋燭が消されていくお店の演出の中でダンスする場面はロマンチックで素敵すぎる。

2023/12/18

2023/12/19

70点

VOD/U-NEXT 
字幕


「この橋に誓った愛は…この橋で燃えたいのちは… 霧けぶる別離の用に心をぬらしかえらぬ想い出に 身を灼きつくす…」

ヴィヴィアン・リー&ロバート・テイラー主演作。
原題は「Waterloo Bridge」で邦題の「哀愁」も良いが原題はストレート。
1940年の作品だがバキバキにリマスターされて美しすぎる画像。
戦前の作品とは思えない。
ヴィヴィアン・リーは「風と共に去りぬ」から一年後の主演作。
全く違うタイプの女性を演じているが美しさは変わらず。
これぞメロドラマといったところ。

2023/01/22

2023/01/22

65点

その他/TSUTAYA DISCAS 
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歴史に残る名シーン。

ネタバレ

第一次世界大戦の最中。ロンドン市内に空襲警報が鳴り響き、慌ただしく人々が行き交うウォータールー橋で、イギリス軍将校ロイ・クローニン大尉(ロバート・テイラー)とバレエの踊り子マイラ・レスター(ヴィヴィアン・リー)は出会う。逃げ込んだ人々で満員の地下鉄の駅で、明日戦地へ向かうというロイに、マイラはお守りのビリケン人形を渡す。翌日、ロイは大佐との食事をすっぽかし、マイラが出演するオリンピック劇場へと足を運ぶ。マイラを食事へ誘うロイの手紙はバレエ団団長のマダム・キーロワに見つかってしまうが、マイラの友人キティの機転でロイとマイラは無事会うことができ、レストラン「キャンドルライト・クラブ」で楽しいひと時を過ごす。閉店前の最後の曲『別れのワルツ』が流れる中、口づけを交わし愛を確かめ合う2人だったが、マイラは彼とはもう2度と会えないだろうと思っていた。しかし翌日、フランス行きが2日延期になったロイが現れ、マイラにプロポーズ。将校の面倒な結婚の手続きのためロイは奔走し、上官に話を通してマイラを伴って聖マタイ教会へと向かうが、午後3時以降はできないという法律によって式は翌日11時に行うこととなる。マイラは宿舎へ帰り、友人キティと踊り子仲間に明日結婚することを告げ、皆が喜びに沸く中公演へ向かうちょうどその時、急に戦地へ発つことになったとのロイからの電話で、マイラはウォータールー駅へと向かう。しかしロイが乗る列車は動き出し、2人は互いの姿を遠く確認することしかできなかった。公演に遅れたマイラはバレエ団を解雇され、彼女を庇ったキティも共に解雇される。マイラとキティは初めはレビューのショーの仕事を、さらにはほかの様々な仕事も探すが、うまくいかず日々の暮らしにも行き詰まるようになる。キティはロイにバレエ団を解雇されたことを話すよう勧めるが、マイラのプライドはそれを許さなかった。ある日ロイから、ロイの母あマーガレット夫人が赤十字病院の仕事を休んでロンドンに上京しマイラに会いに来るという手紙が届く。粗末な部屋に呼ぶことはできずマイラは喫茶店で会うことにするが、なかなか来ないマーガレット夫人が来るのを待つ間、店員が親切で持ってきてくれた新聞の戦死者の記事欄にロイの名前を見つけてしまう。動揺したマイラは遅れてやってきたマーガレット夫人にまともな応対ができず、そんな彼女を不審に思ったマーガレット夫人はすぐ帰ってしまう。マイラが体調を崩し寝込んでいる間、キティは生活費とマイラの薬代のため娼婦に身を落としていた。いっそ死にたいと思うマイラだったが、生きていくしかないとキティに強く励まされ、自身も娼婦に身を落としていく。そんなある日、いつものように駅で客の兵士を探すマイラの前に、死んだはずのロイが現れる。死亡記事は誤報だったのである。マイラは罪悪感に苛まれながらも拒みきれずにロイの故郷スコットランドへ赴き、マイラへの誤解を解いたマーガレット夫人らクローニン家の人々に優しくもてなされる。その日の夜に開かれた舞踏会で、思い出の曲「別れのワルツ」でロイと踊りながら幸せを噛みしめるマイラだったが、罪の意識に耐えかねてついにマーガレット夫人に秘密を打ち明け、ロイには言わないでほしいと頼んで屋敷を去る。翌朝マイラの置き手紙を見たロイはマイラを探しにキティの部屋を訪れ、キティと共にマイラを探し回るうちに、彼女が言えなかった事情を察し、もう彼女が二度と自分の前に現れないことを悟る。
そしてマイラはロイと出会ったウォータールー橋を彷徨い歩き、軍用トラックに身を投げる。事故現場にはロイがマイラに返したあのビリケンのお守りが落ちていた。
月日は流れ、1939年。ロイはウォータールー橋の上で、ビリケンのお守りを手に回想する。「私が愛したのはあなただけ。これからもずっと。」というマイラの言葉を。

元祖すれ違いラブストーリー。原題はウォータールー橋。戦争がもたらした悲劇が哀しい。戦争はいつも女や子ども、弱い者をより苦しめる。
マイラの辿る運命は悲惨だが、それゆえにキャンドルライト・クラブでのダンスのシーンが美しく感動的だ。演奏が終わりに近づくにつれ、楽団員がひとつ、またひとつとキャンドルに蓋をかぶせて消していき、少しずつ暗くなるホールに浮かび上がる2人のシルエットは歴史に残る名シーンである。ヴィヴィアン・リーの瞳の煌めきの何という美しさよ…!

2021/12/20

2021/12/31

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
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奥ゆかしい

◎ 10か月前に観たばかりだが、再び鑑賞。その時は「隔靴掻痒の恋愛映画」と書いたが、この奥ゆかしさは貴重品だ。
◎ 劇中「別れのワルツ」が何度か流れるが、大音量で涙を誘ったりしないところも奥ゆかしい。

2021/12/05

2021/12/05

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
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戦争悲恋ものの代表作みたいな作品。
同時期の『風と共に去りぬ』の自立した女性像とは全く正反対のタイプの、元バレリーナ役をヴィヴィアン・リー。額の数本の太いシワが少し気になるが、さすが美人である。
今時の女性が観たら、特に最後の行動なんて全く理解できないであろう古いタイプの女性像をどう思う事か。
個人的にはヴィヴィアンよりも親友のキティ役ヴァージニア・フィールドの方が可愛くて好み。自分がロイ大尉だったら、早速キティに乗り換えるところだけど(笑)

2021/12/03

2021/12/01

65点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
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空襲の時の地下鉄

NHKの朝ドラで大阪の地下鉄建設の二次的目的として空襲時の避難先となることが触れられていました。この映画がきっかけになったのかもしれない。イギリスも戦争の痛みを知っているのですね。ヴィヴィアン·リーには悲劇のヒロイン役は似合わないけど見事に演じています!80年前の映画とは思えない!