確かに凄かった金槌のアクション、監禁前と後のチェ・ミンシクが演じたオ・デスの変貌もそうですが、でも、それらは霞んでしまうほど、オ・デスとイ・ウジンが対峙した際の衝撃の連続はインパクトがありました。オ・デスとミドの関係に早い段階で気付いた方も多いみたいですが、わたしは対峙の際に知ったので大変、驚きました。自ら自身の舌を切断、音声が流れる、犬の真似までするオ・デス、それらは怒涛の勢いという言葉が相応しい場面でした。
その対峙に至るまでの誰が?目的や理由は?のサスペンス、加えてエロスもドキドキさせられたし、時に挟まれるシュールな笑いは良好なアクセントになっていました。
復讐の理由やその手間暇は国民性と解釈できなくもないですが、物語や映像は独特な異国感を漂わせていました。後にスパイク・リーがリメイクしましたが、ある種、失敗に終わったのは、そのあたりが理由にあるのかもしれません。また、日本のコミックが原作ですが、ほとんど、原型がなくて製作側の誠実や律儀さも感じられますが、実際のところはどうなのでしょうか?ある意味、快適な監禁生活とシンクロして不確かな事柄ではあります。また、あのラストの雪の中のシーンはどのように解釈をすればいいのでしょうか?
アクション、バイオレンス、サスペンス、ラブストーリー等、いくつかのジャンルの混在、また、緊張する、興奮する、想像させる等、観る側を良い意味で動揺させるし、内臓の中でしばらくは動いているはずのタコの足みたいに気持ちの悪さも残る作品です。