ゴッドファーザー

ごっどふぁーざー|The Godfather|The Godfather

ゴッドファーザー

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レビューの数

240

平均評点

86.1(2152人)

観たひと

3174

観たいひと

271

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 任侠・アウトロー / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1972
公開年月日 1972/7/15
上映時間 177分
製作会社 パラマウント作品
配給 パラマウント=CIC
レイティング 一般映画
カラー カラー/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1282年、当時フランスに支配されていたシシリー島の住民が秘密組織をつくって反乱した時の合い言葉だったといわれる“MAFIA”は、19世紀に入り、“犯罪組織”としてイタリアの暗黒街に君臨するようになった。そしてイタリア系の移民として、この組織もアメリカに渡りアメリカ・マフィアが誕生した。その組織はシシリーやナポリ出身者またはその子弟で構成されており、組織の頂点にファミリー(家族)がありボスがいる。アメリカ・マフィアの年収は200億ドルといわれ、ギャンブル、合法企業の金融、運輸、スーパーなどを経営している。「ゴッドファーザー」はそうした巨大なマフィアの内幕を描いたマリオ・プーゾのベストセラーの映画化である。製作はアルバート・S・ラディ、監督は「雨のなかの女」のフランシス・フォード・コッポラ、脚本はコッポラと原作者のマリオ・プーヅォ、撮影はゴードン・ウィリス、音楽はニーノ・ロータが各々担当。出演はマーロン・ブランド、アル・パシーノ、ジェームズ・カーン、リチャード・カステラーノ、ロバート・デュヴァル、スターリング・ヘイドン、ジョン・マーレイ、アル・マルティーノ、モーガナ・キングなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

コルレオーネ(マーロン・ブランド)の屋敷では、彼の娘コニー(タリア・シャイア)の結婚式が行なわれていた。一族の者を始め、友人やファミリーの部下たち数百名が集まった。ボスのドン・ビトー・コルレオーネは、書斎で友人たちの訴えを聞いている。彼は、相手が貧しく微力でも、助けを求めてくれば親身になってどんな困難な問題でも解決してやった。彼への報酬といえば、友情の証と“ドン”あるいは“ゴッドファーザー”という愛情のこもった尊称だけだった。そして彼の呼び出しにいつなりとも応じればよいのだ。これが彼らの世界であり、その掟だった。ドンのお気に入りの名付け子で、歌手として成功したが今は落ち目になっているジョニー・フォンテーン(アル・マルティーノ)もその1人だった。新作映画で彼にきわめつけの役があり、俳優として華々しくカムバックできるに違いないのだが、ハリウッドで絶大な権力を持つプロデューサー、ウォルツ(ジョン・マーレイ)からその主役をもらえずにいた。フォンテーンの窮地を知ったドンは静かにうなずいた。ある朝、目を覚ましたウォルツはあまりの光景に嘔吐した。60万ドルで買い入れた自慢の競走馬の首が、ベッドの上に転がっていたのだ。それからしばらくしてフォンテーンの許に、その新作の大役があたえられた。ある日、麻薬を商売にしている危険な男ソロッツォ(アル・レッティエーリ)が仕事を持ちかけてきた。政界や警察に顔のきくドンのコネに期待したのだが、彼は断った。だがソロッツォは、ドンさえ殺せば取引は成立すると思い、彼を狙った。早い冬の夕暮れ、ドンは街頭でソロッツォの部下に数発の銃弾を浴びせられたが一命はとりとめた。これはドン・ビトー・コルレオーネに対する挑戦だった。ソロッツォの後にはタッタリア・ファミリーがあり、ニューヨークの五大ファミリーが動いている。こうして1947年の戦いが始まった。末の息子マイケル(アル・パシーノ)は、一族の仕事には加わらず正業につくことを望んでいたが、父の狙撃が伝えられるや、病院に駈けつけ、咄嗟の策で2度目の襲撃からドンの命を救った。ドンの家では長男のソニー(ジェームズ・カーン)が部下を指揮し、ドンの復讐を誓ったが、一家の養子で顧問役のトム・ハーゲン(ロバート・デュヴァル)は、五大ファミリーとの全面戦争を避けようと工作していた。やがてソロッツォが一時的な停戦を申し入れてきた。だがソロッツォを殺さなければドンの命はあやうい。マイケルがその役目を買ってでた。ソロッツォ殺しは危険だが失敗は許されない。彼はこの大役を果たし、父の故郷シシリーへ身を隠した。タッタリアとの闘いは熾烈をきわめ、ソニーは持ち前の衝動的な性格が災いして敵の罠に落ち、殺された。シシリーでもマイケルが危うく暗殺から逃れた。そんななかでドンの傷もいえ、和解が成立した。ドンにとっては大きな譲歩だが、マイケルを呼び戻し、一家を建て直すためだった。2年後、アメリカに帰ったマイケルは、ドンのあとを継ぎ、ボスの位置についた。ファミリーは縄張りを荒らされ、ゴッドファーザーの過去の栄光がかろうじて崩壊をくいとめているという状態だったが、マイケルの才能は少しずつ伸び始め、勢力を拡大しつつあった。ある日曜日の朝、孫と遊んでいたドンが急に倒れた。偉大なるゴッドファーザー、ドン・ビトー・コルレオーネは穏やかな死を迎えたのだった。父の死を受け、マイケルは遂に動き出す。その天才的な頭脳で練られた計画によってライバルのボスたちは次々に殺され、コルレオーネ・ファミリーの勢力復活が為された。マイケルの横顔は冷たく尊大な力強さにあふれ、部下たちの礼をうけていた。“ドン・コルネオーレ”と。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2025年7月号

巻頭特集 コッポラ、映画で“世界”をつくる男:CHAPTER 2 テーマで読むコッポラ映画 濃密な家族のドラマとイタリアの血 「ゴッドファーザー」3部作

2018年7月下旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第1弾 1970年代外国映画ベスト・テン:ベスト19グラビア解説

2010年7月上旬号

午前十時の映画祭:「戦場にかける橋」「ゴッドファーザー」「ワイルドバンチ」

2007年9月上旬号

特別企画 アル・パチーノ~現代に生きる伝説~:アル・パチーノと「ゴッド・ファーザー」

1975年5月下旬号

知性的エンタテインメント 「ゴッドファーザーPART2」:

1973年2月上旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:ラスト・ショー/フェリーニのローマ/死刑台のメロディ/わらの犬/真夜中のパーティー/ジュニア・ボナー・華麗なる挑戦/ゴッドファーザー/キャバレー/フレンチ・コネクション

1973年1月下旬正月特別号

今号の問題作2:ゴッドファーザー

1972年7月下旬号

特別グラビア:ゴッドファーザー

「ゴッドファーザー」/コッポラが描いた魅力ある“犯罪者たち”:

「ゴッドファーザー」/製作者アルバート・S・ラディに聞く:

採録:ゴッドファーザー

DISK 「ゴッドファーザー」とニーノ・ロータの音楽:

外国映画紹介:ゴッドファーザー

1972年7月上旬夏の特別号

旬報試写室:ゴッドファーザー

1972年6月上旬号

特別グラビア:話題のアメリカ映画 「ゴッドファーザー」

2025/06/24

2025/07/03

100点

選択しない 
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映画館でのあるまじき行い

ネタバレ

ニューヨークのイタリア系犯罪組織(ファミリー)の長を父に持つ青年が、父のあとを継ぐ。
父が率いるのは5大ファミリーの1つに数えられるほどの大きな組織で昔からの仲間も多い。青年は三男、家業から距離を置いていたが、抗争で襲撃されて入院中の父を間一髪のところで救ったことから次第に巻き込まれていく。
この作品の魅力は何だろう。3時間近い上映なのに飽きない、むしろ先の展開が見たくなる、ギャングの話なのに家族の物語、1940年代後半という時代、俳優陣のすばらしい演技、光と影を十分に意識した画面… いくらでも挙がってきて、いつのまにか作品を堪能している。作品の魅力、いや魔力にとらわれている。
初めて見たときは違った。チュー坊だった僕は飽きてしまい、その上一緒に行ったクラスメート数人とふざけ合ってしまうという映画館ではあるまじき行いをした。画面にツッコミを入れたり、持参したお菓子を食べるとか食べないとかでつつき合ったりして、おそらく周囲の人たちに結構な迷惑をかけていた。(その時の観客の方々、ごめんなさい。)※
そうなった原因は、本作品がギャングの抗争映画で銃撃戦がひたすら繰り返されるのを僕が勝手に期待していたことで、家族間の感情の微妙な機微みたいなものを理解しようという心構えが全然なかった。つまりは映画ファンに成り立ての僕は先入観と違うことに対処できていなかった。
本作品のストーリーをちゃんと理解したのはそれから3年後ぐらい、テレビで初放映されたときだった。面白いじゃん!
以来、初見時の反省も手伝ってか、放送でも上映でもチャンスがあれば見るようになった。見そびれることもあったが、そうすると残念な気持ちが残ってしまうというほどの作品になった。今では“見なければならぬ”という魔力を持って迫ってくる。
で、今回は「午前十時の映画祭」で上映だ。おととし、初見から50年記念としてブルーレイで三部作をまるごと見たばかりだし、今回は見送ろうかとも思っていたのだけれど、結局劇場まで足を運んだ。じゃないと後悔する。
そんなふうに「ゴッドファーザー」の魔力は今も続いている。

※当時は今のように本編前にマナーの注意が流れることはありませんでしたが、当時でも上映中は静かにしなければならないというのは常識でした。

2025/06/26

2025/06/27

100点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


ここにもデニーロ

2週間の公開で、結果3回観たこととなったが、それでも全く飽きずに観られる素晴らしい映画。

そして今回、またデニーロを発見した、

冒頭のコニーの結婚式のシーン。

暗い部屋からヴィトがブラインド越しにマイケルを見つめるシーン。
これがデニーロの目だった。
ゴッドファーザーⅡのデニーロが窓から外を眺めるシーンと同じ顔がそこにあった。

これは大発見だった。

2025/06/20

2025/06/21

100点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


どこも見逃せない

本当に大好きな映画で、無駄なシーンが本当にない。
そして、いろいろな発見が多い。

パーティのシーンを見ていると、こんなところにテシオが出ているんだとか、ウェデイングケーキを持ってくるオッサンも、いろんなところに出没していたりするのを発見して楽しくなる。

有名かもしれないが、ソニーが殺されるシーン。
ハイウェイの料金所が映る前に大きな看板が出てくるんだが、その看板は、女性が電話に向かって「Don’t Worry Me」と言ってるという看板で、「コニーがそう言ってれば」と思わせる。
(もしかしたら、「Don’t Worry,Mum」かもしれない)

シチリアで、アポロニアの親父に結婚を申し込むシーン。
マイケルは、自分が何者であるかを伝えた上で、
「俺を売ったら、高い金になる」というのだが、それを通訳したのがファブリツィオ。彼にマイケルは売られてしまうんである。

今回観ていて、「ああ、そういえば、このシーンはいつも嫌だなあ」と思ったシーンがあった。
カルロの浮気相手からの電話を受けて、逆上するコニーと、それをさらに挑発するカルロのシーン。嫌なシーンである。
コニーの出てくるシーンは大体嫌いだなあと思った次第。

良い映画はエンドロールも素晴らしい。
この映画のエンドロールも相当に素晴らしい。

キャストは三段階に出てくる。
最初は、大きな文字でマーロン・ブランドから始まり、一人ずつ、8名くらいか
二段目は、役名と役者名がリスト形式で10名くらい。
三段目は、スタッフや音楽などが出て、もう終わりだなと思ったところで忘れられたのか、追加されたのか一番最後に出てくる10名くらい。ここにはクレメンザの妻とか、サンドラとかが入っている。

一段目には、出て当然の主演・助演が出てくるが、ソロッツオとか警部とかも出てくる。

一番悲しいのが、フレド(ジョン・カザール)。

男の兄弟でただ一人、一段目に登場せず、二段目扱い。
それだけなら、まだいい。
順番が、
テシオの次のコニーの次のカルロの次という扱い。
カルロの次である。。とほほ

2025/06/13

2025/06/13

100点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


デニーロがいた

本当に大好きな映画。
一つとして無駄なシーンがない。
そして、見れば見るほど、見つめれば見つめるほど、より良くなるシーンがある。毎回発見する

今回は、一番最後のシーン。
狂乱のコニーを外に出したあと、ケイから「本当なの?」と訊かれ、「仕事に口を出すな!」と怒った二度目の顔が、

完全にデニーロだったこと

さすが親子って違う違う。Ⅱを撮った後、リマスターか何かのタイミングで加工したのではないかと思えるくらい、デニーロだった。

午前十時の映画祭に今日から2週間上映される。4回くらいは観に行こうと思いつつ、流石に多いかと思うけど、でもそれくらい観るだろうなと思えるほど、本当に大好きな映画

ヴィトの死に方は素晴らしい。
孫と遊んでいるうち死んでしまうというのは、相当に幸せな死に方だと思う。

2025/06/08

2025/06/08

88点

映画館/東京都/TOHOシネマズ日本橋 
字幕


任侠映画の金字塔と再確認

義理と人情、組織と個人、家庭と仕事、旧世代と新世代…。相克する様々な要素を孕んで展開されるドラマは、単なるギャング映画を越えて一大叙事詩の趣き。

2025/02/08

2025/06/05

75点

映画館/群馬県/高崎電気館 
字幕


次代が時代をどう受け継ぐのか?

裏社会の話のはずなのに
まるで関係ない華やかで自由な結婚式パーティーからスタートしていて
しがらみも何もないような雰囲気に満ちていたのに
一つドアを開けて、部屋に入ると、そこはもう裏社会。
好々爺がゴッドファーザーの顔を見せる。

その明暗の対比が恐ろしい。
明の部分も、その繁栄はどこかで血を流す事になった人々がいて
その血の犠牲によって生み出された繁栄。
だからこそ一方の主人公となる若者はこの家から離れたいと思っていたのだろう。
そのしがらみが、いつか自分の身に降りかかる災難を想像させていたのかも。
でも結果は真逆…

飛び込むしかなくなった裏の世界。
ゴッドファーザーは好々爺として死んでいき…
ただの青年でいたかった男がゴッドファーザーになる。

ファミリーの因縁。
血の因果。
その応報は………

血なまぐささとパーティーや結婚式などの華やかさが
お互いを演出し合うんだけれども
その足には、重しとなる因縁の鉄球が繋がっていて
自由に羽ばたくことを許されない世界があると感じさせます。