『キューティ・ブロンド』(Legally Blonde:合法的ブロンド)2001
お気楽なブロンドのギャルが一念発起してハーバード・ロー・スクールに入学して自分を侮辱して振ったボーイフレンドを見返す痛快サクセス・ストーリー。女性を激励するエンパワーメント・ムービーだ。
昔、映画評論家の淀川長治さんはアメリカ映画の美点は「やったらやれる、やったらやれるの精神」と言っていた。
「挑戦して努力すればきっと成功する」というオプティミズム。楽観主義。フランク・キャプラの作品に代表される肯定的精神。
『キューティ・ブロンド』はそのキャプラ流楽観主義がベースに流れてるように思えた。
『ビリギャル』に似てるなと思ったら『ビリギャル』はこの映画より後の実話が元になってる。
勉強ができなかった人が一念発起する話でもあるけどボーイフレンドが「大学の間は頭が軽くて見栄えがするブロンドと付き合ってロー・スクールで富豪の娘と結婚するんだ」とライフプランをあけすけに語る場面は風刺が効いている。
ボーイズクラブのよくある価値観なのだろう。
レディファーストとセットになってる男尊女卑、ルックスによる差別を笑い飛ばしている。
公開前のスニークプレビュー(題名を前もって知らせず観客の反応を見る試写)てはもっとボーイフレンドにはっきり勝利したことがわかる方が良いという意見が多かった。そこでラストを追加撮影したらしい。確かに公開版のラストは痛快だ。
アメリカではこの作品は『バービー』の非公式実写化とみなされているらしい。まもなく『バービー』が本当に実写化されて公開される。どんな作品になってるかこちらも楽しみ。