初恋のきた道

はつこいのきたみち|我的父親母親|我的父親母親

初恋のきた道

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レビューの数

87

平均評点

78.1(486人)

観たひと

759

観たいひと

40

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ラブロマンス
製作国 アメリカ 中国
製作年 2000
公開年月日 2000/12/2
上映時間 89分
製作会社 グアンシー・フィルム・ステューディオズ=ベイジン・ニュー・ピクチャー・ディストリビューション・カンパニー
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演チャン・ツィイー チャオ・ディ
スン・ホンレイ ルオ・ユーシェン
チョン・ハオ ルオ・チャンユー
チャオ・ユエリン 年老いたチャオ・ディ

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

雄大な中国の自然を背景に、健気な少女の初恋を描く純愛映画。監督は「あの子を探して」のチャン・イーモウ。出演は「グリーン・デスティニー」のチャン・ツィイーほか。第50回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

都会でビジネスマンとして働いているルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)が、父の急死の知らせを受けて数年ぶりに故郷の村へ帰ってくる。母(チャオ・ユエリン)は、古いしきたり通りに葬式をあげたいと願っていた。ユーシェンは部屋に飾られた父母の新婚当時の写真を見ながら、昔聞いた彼らのなれそめを思い出していた。町から教師として赴任してきた20歳のルオ・チャンユー(チョン・ハオ)と、彼に恋い焦がれる18歳の娘チャオ・ディ(チャン・ツィイー)。ディはなんとか自分の想いを彼に伝えようとし、やがて二人の間には恋心が通じ合う。そんなある日、チャンユーは町へ呼び戻されることになり、村の学校から姿を消してしまう。チャンユーが帰ってくるのを、雪の降りしきる冬の道でひたすら待つディ。村と町をつなぐこの一本道は、二人にとって大切な愛の道となった。葬式が終わり、息子ユーシェンは、父が一生立ち続けた教壇で、父が初めての授業のために書いた文章を読む。一方ディは、少女の日を思い出すように学校へ向って歩き出すのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2001年8月下旬号

VIDEO & DVDシアター:DVDコレクション 「初恋のきた道」「あの子を探して」

2001年2月上旬号

外国映画紹介:初恋のきた道

2001年1月下旬新世紀特別号

劇場公開映画批評:初恋のきた道

2001年1月上旬新年特別号

企画特集 中国映画から目が離せない:「初恋のきた道」にみる監督チャン・イーモウ

2000年12月下旬号

新作紹介:初恋のきた道

2001/06/06

2026/01/26

80点

映画館 
字幕


「ときめき」という言葉を見事に映像化

 恋愛映画は星の数ほどありますが、主人公の恋心にこれほどまでに肩入れしてしまった作品はそう多くはありません。好きな人の一挙手一投足にときめく乙女心の切なさは、誰でも遠い(?)昔、一度や二度は経験しているはずですから。

 中国は華北、小さな村に学校が出来ることになりました。村にやって来たハオ先生を一目見た途端、村の少女ディはたちまち恋に落ちてしまいます。でも、このエリート先生を狙うライバルはかなり多そう。しかも、村の女たちは学校の建築現場に近寄ることを許されていないので、ダイレクトなアプローチなんてとんでもない、物陰で好きな人を見つめることぐらいしか、ディには出来ませんでした。

 村では、各家庭で建築現場で働く男たちのお弁当を作ることになっていたので、ディは、毎日心をこめてお弁当作りにはげみます。ねぎ餅やきのこの餃子、粟チャーハンに季節の野菜をたっぷり使った炒め物など、中国の家庭料理がいろいろ登場するのですが、どれもヨダレが出るほど美味しそう! でも、せっかく腕によりをかけたお弁当も、先生の口に入るとは限りませんし、作った人が誰かも分からないようになっているのです。

 それでもディは心を込めたお弁当作りを続けます。あとは先生が学校から帰る時間や井戸で水を汲むタイミングを見計らってちょっと傍に近づくだけ。それはもう、涙ぐましいばかりの恋心、いえ、むしろ念力、テレパシーと言ったほうがいいかも知れませんね。片想いの人を遠くからジッと見つめて「ほら、振り返れ!振り返れ!」と念を送った経験ってないでしょうか? そんな初恋の切なさ、うーん、わかりますよね。

 いたるところで見かける女の子の存在、しかもその子はただならぬ眼力で自分を見つめているわけで、これじゃ余程の鈍感でない限り気が付かないほうがウソです。ハウ先生も次第にディの存在を意識するようになり、ついには2人の気持ちは通じ合うのでした。ここで教訓。好きな人が出来たらミエミエでもかまわないから、頻繁に出没すべし(ストーカーに間違われないように注意のこと)、ですね。

 さて、めでたく思いの通じ合った二人ではありますが、まだまだ試練は続きます。同じ監督作品「あの子を探して」でも主人公の女の子が都会に出て次々と困難にぶつかったように、今回も山あり谷あり...というより、谷・谷・谷の連続です。しかし、この困難の連続でディが見せる底力、忍耐強さが凄いです。細くて小さな身体のどこにこんなパワーが秘められていたのかと、びっくりです。

 それにしてもディがこんなにも心底好きになっちゃった先生とは、いったいどこが魅力なのでしょう? その点もこの映画ではちゃんと描かれていて好感が持てました。姿カタチだけでなく、先生の声やしゃべり方、そして知性に対する尊敬とあこがれ。ディにとっては先生の存在そのものが感動なのですね。そんな乙女心のひたむきさ・いじらさが見ている側にもヒシヒシと伝わって来た一編でした。

(2001/6/6 記)

2026/01/24

2026/01/24

100点

テレビ/無料放送/BS12 トゥエルビ 


泣ける!

久しぶりに自分の中で100点をつけることができる作品を観ることができました。
自由恋愛がまだ珍しい時代の中国の貧しい村で町からやってきた先生に恋をする少女の物語ですが、先生が二十歳で少女(チャン・ツィー)が18歳という設定になっています。
1950年代ということもあるのでしょうが大好きな先生になかなか気持ちを伝えられず誰が手に取るかわからないお弁当を先生にとってほしくて一番手前に置いてみたり、先生が子供たちを家に送る姿を遠くから見つめたりする姿はとてもいじらしいです。
先生が村から町に連れ戻されるシーンでは先生のために作った水餃子を鍋に入れて風呂敷で包んで追いかけていくシーンは涙が止まりませんでした。
そしてそこまでしてやっと一緒になることができた先生が亡くなったときその思い出の道を自宅まで担いで帰って埋葬するその気持ち。
これほど純粋に一人の人を愛し続けることができた幸せ。
この作品を見ていると自分の両親たちにもこんな時代があったのだろうか?
自分の人生はどうだっただろうか?
いろんなことを思い出しました。
またそれとは別に最近の作品は音楽がたくさん使われますがこの作品に関しては音楽がほとんど使われていません、台詞のない場面で音楽も使われず映像だけで魅せる事ができる作品はなかなかないです。
素晴らしい作品でした。

2025/01/17

2025/01/17

90点

VOD/U-NEXT 


素直に泣ける映画です

父が死んだ。母は頑なに父を担いで山道をねり歩き弔いたいと言う。棺にかける布も自分で織ると言い夜なべして織りはじめる。父と母は村ではまずあり得ない自由恋愛の結婚だった。以来40年、父は村のただ1人の教師として子供たちに勉強を教え、母はただひたすらそれを支え暮らしてきた。と、母のもとに帰ってきたひとり息子は語り始める、。
映画は現在をモノクロで、過去をカラーとして描く。なので場面が母の若かりし頃に切り替わると一気に村は明るい景色に変わる。学校内には掲げられた毛沢東の絵があるので中華人民共和国が建国され文化大革命に至る頃だろう。そのようななか当時18歳であった母のディは町から赴任してきた20歳のチャンユーに一目惚れ。彼の為に食事を作ったり、わざわざ学校近くの井戸に水を汲みにいったりする。その姿がとてつもなく可愛い。チャンユーの思想的理由か何かで離れ離れになり、長く辛い時間もあったがそれも乗り越え結ばれた。場面がモノクロに戻り、父の弔いが始まる。父と母を繋いだ村を横切る一本道を棺を担いで練り歩く。その数は100人にも及んだ。訃報を聞き教え子たちが駆けつけてくれたのだった。そしてラストシーン。学校から聞こえてくる声に引き寄せられ母が向かう先には、(父は息子に教鞭をとってもらいたかったとの話を聞いていた)息子が学校で子供たちに父が作った訓話を大きな声で話し聞かせてる姿が映っていた、。
素直に泣ける。珠玉の名作でした。名匠チャン・イーモウさすがです、。

2024/01/31

2024/01/31

90点

テレビ/無料放送/J:COM BS 
字幕


恋愛映画は苦手な私ですが

本作には没入できます。
主人公招娣(チャオディ)の心が揺らがないからでしょう。

私の性癖を書いても興味を削ぐだけなのですが、それを書かないとレビューできないので簡単に書きます。

私はたぶん、他人の不幸に同化してしまうタチなのです。ですから、恋愛映画の王道である「観覧車の上り下り(by 妻)」のような物語は、「なんでわざわざ他人の不幸を目撃しに映画館に行かねばならんのだ」と強がりながら、実は自分が辛くなるのが怖いアカンタレなので見ないのです。社会的な不幸なら、その負の感情を怒りにかえることで凌げるのですが、純粋な恋愛上の不幸はうまく処理できず、見るに堪えないのです。

ですが本作のチャオディは、彼に一目惚れ。その後も一途。会えない期間には死を賭してまで会いに行こうとします。ストーカーだと思われてもおかしくないその一筋な思いが、もし報われないとしても、それは彼が振り向かないか、裏切るかどちらかなので、彼女には何の責任もなく、何の不幸も訪れないのです。私の言う不幸とはそういう意味です。

ですから本作は何度でも鑑賞できます。
葬列の場面と、ラストの学校の場面とでは涙ぐみます。
私にとって、唯一楽しめる、純粋恋愛映画なのです。

ここからは、少し脇道です。
夫が死に、残されたのは盲目になった妻とその娘(ディ)。
たいへん貧しい寒村の中で、この二人が村に住んだまま生き抜いたのはなぜなのか。
それは、中国が共産主義国家になったからです。

現在の中国に対しては言いたいことがやまほどある私ですが、戦後の革命によって、餓死や奴隷労働、そして(欧米や日本など)外国の侵略を防いできた共産主義中国の出現とその施策は、人類史上の大きな成果だと考えています。

もう一つ、本作に関する妻の意見を付け加えて終わりにします。
イナカの若い娘が都会のインテリに憧れることはよくあるが、本作のように成功することはなかなか描かれない。安珍清姫の清姫のようにストレートな愛情をぶつけたディだけれど、彼は安珍のように逃げ腰男ではなく、しっかり受け止めたので、ディは清姫のように蛇に化身して安珍を焼き殺すようなことにならなくて良かった。
これで良かったかしらん、奥様。




























2023/06/07

2023/06/08

60点

テレビ/無料放送 
字幕


視線を釘付ける文化,そして赤化

雪のある車道,その先にある村は100戸ぐらいだろうか,小学校があるらしい.金策に走り回り,ぶっ倒れて父が死んだため,息子ションズ(スン・ホンレイ)のその村に帰ってくる.母(チャオ・ユエリン)は父の遺体を運ぶのを拒否している.石積みの学校の前で母は座り込んで,泣き出す.と思えば,母は機織り機で織った布を棺桶にかけたいとわがままを言い出す.この葬儀の方式は,トラクターで運ぶのではなく,棺桶を担いで運ぶ,文化大革命以前からの方法である.
過去の回想になると映像はカラーに切り替わる.父(チョン・ハオ)はその村に馬車に乗って,よそ者の先生として20歳でやってきた.母(チャン・ツィイー)は盲目の母の母と二人で暮らしている.
草原があり,樺の木が白い樹皮を並べている.草は当然のように風に揺れている.この草原で食事をしているであろうヤギがヒツジが群れをなして蠢いている.また馬が歩いているのも見える.学校の建設にあたって女性は直接に作業することはできない.作業をしている男性に食事を作る役目がある.女性の中には母がおり,男性の中には父がいる.母は父を見つめ続ける.その視線が学校に注がれ,草原に注がれる.草原を抜ける道には父が歩いており,それを母が見つめている.母は自らのその視線を追いかけるようにして,いつしか走り出している.母は得意のきのこ餃子で父を喜ばせようと,丼に入れた餃子を持ってひたすら草原を走っていく.しかし,父に追いつくことはなく,父は村を出て行ってしまう.父は学校で子どもたちに教育を施しており,そのいい声の朗読の声を母は日々聞きに行き,日常化している.父のいなくなった学校は,障子が破れている.その障子を張り替え,赤い飾り付けをすると,屋内の光線が変化したように感じる.また,冬になると草原は積雪によって光を変え,村と世界の様相を変えている.
母は再び走っている.村人たちがただ歩いている中を走っている.彼女の赤味を帯びた衣装を父は好んでおり,村に彼女が映えている.その赤はまた,政治的な色でもある.
葬列が冬の道を歩いていく.棺桶は町まで担がれており,父の教え子たちが列に加わり,担いでいる.そしてまた,若い母の視線と赤い姿で走っている姿がクロスディゾルブされながら映し出されていく.村にもたらされた文化と赤化の様子が印象的である.

2023/04/09

2023/04/09

70点

選択しない 
字幕


素朴でキュンキュンする

チャン・ツィイーのデビュー作、公開時21歳。ほぼすっぴんと思われる顔のアップが多用されているが苦にならない美しさ。

先生への思いは純愛というかむしろ衝動的で、当時の農村のような環境であれば取引も何もしようがなく、おいしいご飯を作ってあげたり、おめかしをしたり、来るかわからないのに迎えにいったり、あまりにまっすぐで、却って新鮮。

これを一歩遠景から見てみるとまあ「リソースで釣ったり値踏みをしたりされたり」なので、最近のマッチングアプリの世界と地続きのような気がしないでもないけど、しかし剛速球。勝負の回数も少ないしね。

文革の農村を舞台にした美少女ものということでは、本作とは対象的に猛烈に陰惨な結末を迎える「Xiu Xiu(天浴): The Sent Down Girl」(シュウシュウの季節)も思い出しました。これも美しい傑作なのでおすすめです。お話は重たいけど。