荒野の女たち

こうやのおんなたち|7 Women|----

荒野の女たち

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レビューの数

5

平均評点

70.2(11人)

観たひと

22

観たいひと

10

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1965
公開年月日 1965/12/11
上映時間 0分
製作会社 M・G・M映画
配給 MGM
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ノーラ・ロフツの短編小説「中国風の終幕」を「ミサイル空爆戦隊」のジャネット・グリーンとジョン・マコーミックが脚色、「シャイアン」のジョン・フォードが監督したヒューマニズムドラマ。撮影は「長く熱い夜(1958)」のジョセフ・ラシュル、音楽は「ビッグトレイル(1965)」のエルマー・バーンスタインが担当した。出演は「女が愛情に渇くとき」のアン・バンクロフト、「イグアナの夜」のスー・リオン、舞台出身のマーガレット・レイトン、「北京の55日」のフローラ・ロブソン、ほかにベティ・フィールド、アンナ・リーなど。製作は「シャイアン」のバーナード・スミス。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1935年夏。中国と蒙古の国境附近はカンらの率いる馬賊たちの無法地帯だった。救済と伝道のアメリカ隣保館の長、アンドルース(マーガレット・レイトン)はエマ(スー・リオン)や、ペサー、彼の妊娠中の妻たちと壁を廻らし門を閉ざして僅かな平和の中にいた。ある日、吉報がもたらされた。医師が来るというのだ。女医カートライト(アン・バンクロフト)は酒を呑み、タバコを喫うという活動的な女で、アンドルースのクリスチャンの生活態度と相いれなかった。ある夜遅くイギリス隣保館が襲われ中国人を伴なって非難して来た。しかも、この中国人避難民の中からコレラで死ぬ人が出た。カートライトの処置で伝染をくい止めたのも束の間、この地区の治安維持をしていた中国部隊が移動しカンの恐怖を感じさせられた。立ち退きの提案を拒否したアンドルースに誤算はないと思われたが偵察に出て行ったペサーが死体になった。隣保館は瞬時のうちに蹂躙された。白人の女たちは物置小屋に押し込められ、中国人は虐殺された。そんな最中、ペサー夫人は産気づき、カートライトはカンらに直談判して医療器を取りもどした。がカートライトの不敵さに興味を抱いたカンの、好色な代償ー夫人の出産を終えてから彼女の体をカンに与える、という約束をした。男の子が生まれた。カートライトのお陰で女たちは待遇が良くなった。アンドルースは彼女を好色女と罵ったが、ほかの女たちは彼女の犠牲をよく知っていた。彼女はカンを説き、隣保館の全員を脱出させた。やがてカンの部屋に入り、2つの杯に酒を注ぎ、カンとともに呑んだ。それは毒杯であった…

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1966年1月上旬新年特別号

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2023/03/17

2023/03/17

80点

購入/DVD-R 
字幕


ジョン・フォードの遺作

フォードは、この作品と同じ頃、ロッド・テイラーで1本、アイルランドを舞台にした「ヤング・キャシディ」を撮っていたはず。
病気で降板し、たしかジャック・カーディフが完成した。
ジェイコムに入っていた時、スターチャンネルか何かで放送したのを見たが、忘却の彼方だ。
2005年くらいだったか。

「荒野の女たち」は、4年ぶり2回目の鑑賞になる。
ある程度、ネタバレになってます。
ほぼ言いたいことは、初回のレビューに書いてあった。
とにかく、ヒドイ話、私はバッド・ストーリーとそれを呼ぶのだが・・・。
何の為に、こんな話を映画化して人の眼に触れさせようとするのか、疑問符が湧く映画である。
それを映画の神様とも言われるジョン・フォードが。

アン・バンクロフトは、キリスト教伝導所でタバコを吸いまくり、キリスト教なんて信じてない女医である。
フォードはキリスト教徒であろうが、人一倍、教会・聖職者の偽善に対する眼が厳しい。
よほど、彼の人生に暗い影を落とす出来事があったのであろうか。
この映画では、伝導所所長のマーガレット・レイトンに対する批判の眼が、本当に厳しい。

4:3シネスコ収録のDVD-Rの画面。
そして暗い物語展開。
1935年、中国とモンゴルの国境近くの辺境の悲惨な話に、初回鑑賞の時は、ゲンナリしまくったが、落ち着いて見れば、やはりフォード、立派な作品だ。
この作品の、アン・バンクロフトはどの聖職者よりも、神々しく見える。
神を信じない殉教者、そんな言い方も出来るであろうか。

カラー・シネマスコープ  86分
MGM映画
音楽は、「走り来る人々」「神の小さな土地=真昼の欲情」に続き、またもやエルマー・バーンステイン。

2022/11/25

2022/11/26

70点

映画館/大阪府/プラネットプラスワン 


蛮族にひとり立ち向かう女。

ネタバレ

ジョン・フォードの遺作は、中国を舞台した女たちの物語。「荒野」とタイトルにつき、原題は“7 women”という本作、てっきり「七人の侍」“7 samurai “のような活劇で西部劇という印象を持っていたら、随分と異なる内容。

モンゴルの蛮族に襲撃されたアメリカ人伝道師の砦で、主人公の女医カートライト(アン・バンクロフト)が身体を張って、女たちを守るという物語。高慢な女伝道師が平時は威張り散らして、襲撃された後は自らを犠牲に他の女を守った女医を非難するという酷さに、宗教者の欺瞞を曝け出す。

最後は力では勝てないカートライトの毒薬を使った”カミカゼアタック“。30年代中国におけるアメリカ人という設定も珍しく、最後まで目が離せなかった。

2022/09/18

2022/09/18

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
字幕

『荒野の女たち』。中国と蒙古の国境付近。殆どがスタジオセット撮影。現地ロケはしていないようだ。主人公は女性ばかり。布教活動に没頭する女性(マーガレット・レイトン)、派遣されてきた女医(アン・バンクロフト)など。馬賊の頭領(マイク・マザーキ)はネック・ハンギング・ツリーで勝利。

2018/12/09

2018/12/10

70点

購入/DVD 
字幕


ジョン・フォードの劇映画としては遺作にして、異色作。

 この後、ドキュメンタリーを1本撮ったらしい。

 本作の舞台は、1935年、モンゴル近くの中国北部。
 これを知っただけで、見る気が萎える。

 タイトルバックは屋外シーンで、馬群の疾走が映る。
 しかし、90分弱の上映時間の99%は、スタジオ内の貧相な中国の建物セット。
 しかも、ここはキリスト教の伝道所で、シスターばかり。
 エディ・アルバート(ローマの休日)は神父みたいな?役で、数少ない男性陣の一人。

 中国人の大人・子供の役者も、アメリカでかき集めたアジア系俳優ばかりに見え、ジョン・フォードが、この題材のどこに興味を持ったのか、理解に苦しむ。

 そこへ男まさりの女医、アン・バンクロフトが赴任して、タバコを吸いまくり、ひんしゅくを買う。
 そしてモンゴル人=馬賊にして蛮族がなだれ込んで来るという展開。

 問答無用の悲惨な展開。唖然。
 何やら、その非情にして残酷な味わいは、コーネル・ワイルドの「裸のジャングル」を連想した。
 異文化による人権の蹂躙・・・。
 ここまでで、こりゃひどい映画だと思った。30点かなと。

 しかし、アン・バンクロフトの奮闘と、伝道所の女所長の描き方は面白かったので、40点プラス。
 キリスト教映画にして、キリスト教の偽善も暴く構造になっている。
 あの「わが谷は緑なりき」のウォルター・ピジョンのくだりを思い出した。

 役者は、キューブリックの「ロリータ」で売り出したスー・リオン
 フォード一家で「サウンド・オブ・ミュージック」にもシスター役で出てたアンナ・リー
 キューブリックの「スパルタカス」でカーク・ダグラスと決闘したウディ・ストロードが、モンゴル人メイクで別人の如く登場する。
 さすがにスゴイ身体《からだ》。

 ツタヤ復刻シネマライブラリーでの貴重なリリースだが・・・。
 DVD-Rのうえに、4:3の非スクイーズでのシネスコの低画質だ。
 出来と画質で、二重にガックリ。

 

1999/07/16

2012/05/15

60点

テレビ 


巨匠ジョン・フォードの遺作であり珍しく主人公に女性を配したドラマ。
女医(アン・バンクロフト)の捨て身の行動が感動的だが後味が悪いのは否めない。