エリン・ブロコビッチ

えりんぶろこびっち|Erin Brockovich|Erin Brockovich

エリン・ブロコビッチ

amazon
レビューの数

75

平均評点

76.6(634人)

観たひと

1147

観たいひと

67

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 2000
公開年月日 2000/5/27
上映時間 131分
製作会社 ジャージー・フィルムズ作品(コロンビア映画=ユニヴァーサル映画提供)
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/ドルビーSR/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

全米史上最高額の和解金を手にした実在の女性の破天荒な活躍を 描いたドラマ。監督は「アウト・オブ・サイト」のスティーヴン・ソダーバーグ。脚本は「エバー・アフター」のスザンナ・グラント。撮影は「イギリスから来た男」のエド・ラッハマン。音楽は「アメリカン・ビューティー」のトーマス・ニューマン。出演は「プリティ・ブライド」のジュリア・ロバーツ、「ミラーズ・クロッシング」のアルバート・フィニー、「エニイ・ギブン・サンデー」のアーロン・エッカートほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

カリフォルニア州モハベ砂漠の小さな町。エリン(ジュリア・ロバーツ)は元ミス・ウィチタの美貌ながら、離婚歴2回、3人の子持ちながら無職。職探しに出て採用面接の帰り、追突事故に巻き込まれた彼女は、引退を控えた弁護士エド(アルバート・フィニー)に裁判の弁護を依頼するも和解金を取り損ねた。職もなく貯金も尽きかけた彼女はエドの法律事務所へ押しかけ、強引に彼のアシスタントとして働き始める。書類整理中、彼女は不審なファイルを見つける。不動産売却の書類になぜか血液検査の結果が添付されていたのだ。孤軍奮闘して調査した結果、大企業の工場が有害物質を垂れ流しにしている事実を突き止める。病に苦しむ住民たちを目の当たりにしたエリンは、気乗りしない住民たちを訴訟に持ち込むよう説得に回る。その後及び腰だったエドも本格的にその問題を担当。また彼女の隣りに住むバイク野郎ジョージ(アーロン・エッカート)が3人の子供の面倒を見てくれる主夫として私生活面をサポート。地道な活動が住民たちの共感を呼び、大企業と交渉の場を持つまでに。ついには執念で600人以上もの署名を集め、全米史上最高の和解金350億円を勝ち取った。大きくなった法律事務所で窓際の個室を与えられたエリンはエドから破格のボーナスを受け取るのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2000年8月上旬号

外国映画紹介:エリン・ブロコビッチ

2000年6月下旬号

劇場公開映画批評:エリン・ブロコビッチ

2000年5月下旬号

新作紹介:エリン・ブロコビッチ

2023/04/30

2023/04/30

60点

テレビ/無料放送 
字幕-吹替


オレンジから赤に,車に乗り,魂が乗り移り

ママのエリンは,ミスコンの受賞者で,地質学を学んでいながら,現在は金回りが良くない.彼女(ジュリア・ロバーツ)は自らの交通事故の訴訟を依頼した弁護士事務所に無理矢理に働き始めている.彼女は華美でもあり,言動にマナーはない.そこことについて事務所の代表でもあるエド(アルバート・フィニー)に咎められることもある.それでもエドは寛容でもあり,事務所の面々も彼女をよく思っているわけではないが,好意的な同僚もいる.
ハーレーダビットソンを愛する男ジョージ(アーロン・エッカート)が彼女に近づいていく.エリンの子を介して,彼女と彼は距離感をうかがいながらも近づいていく.保育や家事などの有料のサービスはあっても,対人的な面で単なるサービスでない人間の臭みがそこに必要となる.カリフォルニア州のヒンクリーンには大企業PG&Eが立地し,20年以上に渡り六価クロムを原因とする環境汚染により,住民に被害を与え続けてきていた.が,被害者である住民すらもその原因に気づかず,企業も隠蔽を図ってきた.エキセントリックなエリンの言動が,その因果を突き止め,彼女の人間の臭みが住民たちが起こそうとする大訴訟を駆動していく.彼女も咳払いをし,子どもたちの体調も万全ではない.彼女は流し台に発生したゴキブリにキレ,黄色く,おそらく砂塵が空気中に浮遊するような荒野を行き来し,被害者たちと接触をしていく.いい車や携帯電話といった道具も彼女は駆使していくが,美貌,露出や激情,時に飛び出る汚い言葉など,同じ人間としての平面から送られる視線によって,この訴訟への合意,ないしは調停への署名をまとめ上げていく.
黒ずくめで威圧する企業側の弁護士や,同州で最も公害訴訟に通じたパートナー弁護士たちは,ビジネスとしての姿勢を崩さず,その素っ気なさがエリンによって痛罵される様は痛快でもあるだろう.この場合のエリンには,間違いなく運動の魂が乗り移っていたのである.

2023/03/03

2023/03/17

75点

テレビ/無料放送/その他 
吹替


公害訴訟

3度目の視聴。
劇場で見た「ダーク・ウォーターズ」(2019)のあの巨大企業デュポンを相手どった公害訴訟には驚いたが、以前にも実話に基づく本映画があったのですね。その意味では、本映画の方が先駆である。実名の会社PG&Eの六価クロム問題。まだまだ隠された公害は?

2022/08/02

2022/08/02

80点

その他/録画スターチャンネル 
字幕


ジュリア・ロバーツの貫禄

 なかなか良かった。

 主人公のエリン・ブロコビッチ(ジュリア・ロバーツ)が、相手企業に対して、ひたすら歩き回って足で一つ一つ稼いで証拠を集めて積み上げていく所が。

 また、弁護士のエドワード(アルバート・フィニー)との言い合いのやり取りも。そして、監督のスティーブン・ソダーバーグの演出が、淡々としているけれども、それが、少しずつ積み重なっていく。

 2回目でもあるし、裁定(調停)の結果が分かっていたけれども、ハラハラしながら観れた、果たしてやれるのか、とか、妨害が入るのか、とか。そして、さすがに、結果を住民に知らせる所はグッとくる。

 唯一、残念だったのが、エリン・ブロコビッチの3人の子供たちの存在、いつもシッターに任され、ジョージ(アーロン・エッカート)に任され、置き去りにされ、一体どうなって行ったのだろうという事が気がかりだった。

 ジュリア・ロバーツが貫録の演技、スティーブン・ソダーバーグのこういう演出は、あまりに劇的でないのでちょっと辛い所もあるが、かなり好きな方だった。

2022/06/02

85点

レンタル/東京都/TSUTAYA/TSUTAYA 自由が丘店/ブルーレイ 
字幕


信念と団結

ネタバレ

観客をストーリーの世界に自然と引き込むようなシナリオの強さを感じさせる作品だった。
看護師の面接に落ち、駐車違反の切符を切られ、ついでに爪まで折れ、仕舞いには追突事故でムチ打ちに。
これ以上ないほどの災難に見舞われたエリン・ブロコビッチは離婚歴が2回、3人の子持ちで、預金残高が底をつきつつある絶賛職探し中のシングルマザー。
この情報だけで観る者は彼女に肩入れしてしまうだろう。
さらに彼女は何と10対0で相手に過失がある裁判で負けてしまう。
アメリカでは裁判の勝敗は弁護士の腕次第なのだと聞いたことはあるが、それにしてもこの判決は納得し難い。
事故を起こした相手が医者だったということも不運だったのだろう。
このシーンは後にエリンが闘うことになる相手の強大さを暗示している。
法律はいつだって力を持っている者の味方なのだ。
とにかくエリンの強さに感心させられる。彼女はどんな不運に見舞われても闘うことをやめない。それが彼女を更なる不運に導いてしまうのだが。
良いママになりたい、善良な市民になりたい、そう彼女は口にしているが、彼女が求めているのは愛よりも力だったのだろう。
彼女は自分を勝利に導いてくれなかった弁護士のエドに、秘書として雇ってもらうようにゴリ押しする。
そして彼女はそこで巨大企業による公害問題に関わることになる。
彼女が何故そこまでこの案件に固執するのか色々と気になったが、おそらく公害によって苦しんでいる住民と自分を重ね合わせたのだろう。
この裁判に勝つことは、不運続きの自分の運命に勝つことでもあるのだ。
自分の信念を貫き通す彼女の真っ直ぐで純粋な姿に惹かれるジョージの存在も印象的だった。
彼は第一印象はゴリゴリのマッチョなのだが、実はとても家庭的でフェミニンな部分もあり、そして結構強かでもある。
強かなのはエリンも同じなのだが。
彼女は女としての自分の魅力を分かっている。
ジョージは彼女の子供たちの良き父親役を務めるが、彼がエリンに求めていたのは家庭的な存在としての女性像だったのだろう。
だから次第に二人の仲は壊れていく。
エリンは何としても勝利を手に入れようとするが、巨大な相手と闘うためには団結が必要である。
彼女の信念がやがて大きな団結を生み、巨大な相手を打ち負かしていく様は観ていて感動的だった。
なんだかんだエリンに振り回されても、彼女の味方で居続けるエドの存在が微笑ましい。
ラストはハッピーエンドではあるものの、男社会の中で生きる女性の強さを意識させられる内容でもあった。
本当に平等な世の中なら、女性が色仕掛けをする必要などないのだから。
エリン役のジュリア・ロバーツの決して屈しまいとする意志の強さを感じさせる目差しが印象的だった。

2021/10/02

2021/10/02

78点

VOD/U-NEXT 
字幕


観終わったあとは気分爽快

うちの嫁もそうだが、取り敢えず美人は何かと得なんだな~と思った。

実話ベースだけによくある話と言えばそうなんだけど、エンターテイメントとしての仕上げは見事。

基本的に悪人の出てこない脚本が心地好く、法廷シーンをばっさりカットして即ハッピーエンドに持ち込んだのも正解。131分の長尺を飽きることなく観賞後、爽快な気持ちになれた。

『オーシャンズ11』『ワンダー 君は太陽』では全く印象に残らなかったジュリア・ロバーツ。出世作『プリティ・ウーマン』をぜひ観てみたい。

2021/07/22

2021/07/22

80点

選択しない 


埋もれていた人財

バツ2の3人の子を持つエリン。早くに子供が出来て職歴に華はない。しかし、彼女はアメリカ史上最大の360億円の和解金を勝ち取った女となる。
頭のキレも良くセクシーさやユーモア、なんといってもやり手のビジネスマンのような強引さや庶民感覚もある。非常にタフで優秀。
高い理想と信念を理解してくれた反抗期の長男、初めて言葉を発したのはボール、支えてくれたジョージ。

家族と仕事、そして職歴。
世の中には、こんな優秀な人財が埋もれているのだろう。こういう人材を有効に使う事は大事だと思う。