グラディエーター

ぐらでぃえーたー|Gladiator|Gladiator

グラディエーター

amazon
レビューの数

97

平均評点

78.0(925人)

観たひと

1544

観たいひと

67

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 歴史劇
製作国 アメリカ
製作年 2000
公開年月日 2000/6/17
上映時間 155分
製作会社 ダグラス・ウィック・プロ作品(ユニヴァーサル映画=ドリームワークス提供/製作協力*スコット-フリー・プロ)
配給 UIP
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/ドルビーSR/DTS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ローマ帝国の時代、将軍から剣闘士となった男の数奇な運命を描いた史劇スペクタクル大作。監督は「G.I.ジェーン」のリドリー・スコット。脚本は「アミスタッド」のデイヴィッド・フランゾーニ(原案も)と「永遠の愛に生きて」のウィリアム・ニコルソン、ジョン・ローガン。撮影はスコット製作のTVシリーズ『ハンガー』(V)のジョン・マシソン。音楽は「プリンス・オブ・エジプト」のハンス・ヅィマー。出演は「インサイダー」のラッセル・クロウ、「8mm」のホアキン・フェニックス、「ミッション・トゥ・マーズ」のコニー・ニールセン、「アミスタッド」のジャイモン・ハンスゥ、「バロン」のオリヴァー・リード(撮影終了直前に急死し、本作が遺作となった)、「許されざる者」のリチャード・ハリスほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

西暦180年。ローマ帝国の治世。歴戦の勇士として名声を馳せる将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)は、遠征先のゲルマニアの地で、時の皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)から次期皇帝の座を託したいと要請を受ける。だが、これを知った野心家の皇帝の息子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)は、老父をひそかに殺して自ら後継者を宣言、マキシマスは処刑を命じられた。処刑者の手を逃れたマキシマスだが、故郷に帰り着くと愛する妻と息子は惨殺されていた。絶望と極度の疲労の末に倒れた彼は、気づけば奴隷商人に捕らわれの身に。剣闘士を養成する奴隷商人プロキシモ(オリヴァー・リード)に買われたマキシマスだが、持ち前の技量で一躍剣闘士として頭角を現す。いっぽう、皇帝となったコモドゥスは元老院の反対を無視し、首都ローマの巨大コロシアムで剣闘試合を開催。プロキシモに連れられ、図らずもローマへ帰還したマキシマスは、死闘の果てに勝利をおさめ、仇敵たる皇帝コモドゥスと対面を果たす。その夜、かつて恋仲だったコモドゥスの姉の王女ルッシラ(コニー・ニールセン)の訪問を受けるマキシマス。コモドゥスはルッシラの息子ルシアスを亡き者にしようとしており、彼女はそれを阻止するため、彼に協力を求めたのだ。姉の裏切りを察知したコモドゥスは策を弄した末、コロシアムでマキシマスと直接対決。かくしてマキシマスはコモドゥスを倒し、自らも果てるのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2000年7月下旬号

劇場公開映画批評:グラディエーター

外国映画紹介:グラディエーター

2000年6月下旬号

新作紹介:グラディエーター

2024/04/10

2024/04/10

85点

選択しない 


迫力の剣闘シーン

戦闘シーン、コロッセオでの剣闘シーンの迫力が圧倒的で、凄惨だが目が離せない。又、実際のロケとCGを駆使して作り込んだローマの町やコロッセオ、そこでの大群衆を捉えた映像もスケール感があり流石、ハリウッドの大作と唸らせる。そして大アクションの陰で展開される政治的な策謀のドラマも見応えがあり、あっという間の3時間だった。実際の史実とは違う創作だろうが、人間がよく描かれており、特にホワキン・フェニックス扮する皇帝の屈折した人物像が面白く、やはり敵役がこれぐらいクセがないとドラマが盛り上がらない。ラッセル・クロウも堂々たる戦士ぶりで素晴らしく、久しぶりのオリバー・リードも存在感を示した。コロッセオの支配人役でデビッド・ヘミングスが出演しているのも懐かしい。

2024/03/03

2024/03/03

85点

VOD/U-NEXT 
字幕


ローマ帝国の真のカリスマ

冒頭のゲルマニアとの闘いからリドリー・スコットらしい大袈裟なまでに壮大なスケール感に圧倒される。映像美に加えてメリハリあるストーリーテリングも手伝い、先達の皆さんが言及されている『ベン・ハー』『スパルタカス』両作品とも未見の私には充分楽しめる内容となった。

CGを最大限に活かしたローマ帝国の再現度も見事。ラッセル・クロウが無骨な軍人役に適任。男も惚れる男っぷりとは正にこのことだろう。狡猾な新皇帝役のホアキン・フェニックスも流石だった。

あそこまでリスクを犯すのはやや無理を感じたが、自らコロッセウムに降り立ったホアキン・フェニックスの心意気や良し。ラッセル・クロウが命を落としたのは観賞後に残るカタルシスの点では残念。また、戦闘シーンのディテールの緻密さは『七人の侍』など一連の黒澤明の作品群に一歩及ばぬ感あり。

2023/12/02

2023/12/03

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


ドロドロしたスペクタクル史劇

 ローマ帝国時代の奴隷ものというと、キューブリックの「スパルタカス」が思い出されるが、SFXが発達した分、何かドロドロしい。
 巨匠リドリー・スコット監督によるローマ帝国を舞台にした壮大なスペクタクル史劇だ。開始早々、血しぶきが飛んで来そうな戦闘シーンが繰り広げられる。
 その戦闘に勝利したローマ軍は広大な領土をさらに広げるが、皇帝(リチャード・ハリス)の顔はさえない。戦いに疲れ、退位を考えている。後継者に考えているのが、この戦さを勝利に導いた将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)だ。皇帝には息子のコモドゥスがいるが、皇帝の器でないことを見抜いている上でのことだ。そのことを知ったコモドゥスは父を憎み、マキシマスに殺意を抱く。コモドゥスを演じるホアキン・フェニックスは名優ローレンス・オリビエに面影が似ている。そういえばオリビエが「スパルタカス」でかたき役を演じていたのも何かの縁か。
 コモドゥスは姉のルッシラ(コニー・ニールセン)に想いを寄せている。ルッシラは幼い息子を守るため、コモドゥスに従わざるを得ない。ルッシラはかつてマキシマスとも恋愛関係にあったようで、そのこともコモドゥスのマキシマスへの憎悪の一因のようだ。
 コモドゥスから逃れ、奴隷となり、剣闘士として、ふたたび都に戻ったマキシマスは殺りくの場で、コモドゥス、ルッシラと再会する。巨大なコロッセウムが見事に再現され、ローマ帝国の建築技術の高さに目を見張る。しかしそこで行われるのが殺し合いというのは文化的とは言えない。
 スペイン人と呼ばれるマキシマスの出自についても触れて欲しかった。

2023/05/15

83点

VOD/NETFLIX 
字幕


大衆を惹き付けた剣闘士

ネタバレ

ローマ帝国の治世。ゲルマニアとの戦での勝利の立役者である将軍マキシマスが、何故奴隷の身分に落とされ剣闘士として生きることになったか。
皇帝マルクス・アウレリウスは次期皇帝の実の息子のコモドゥスではなく、マキシマスに任命する。
しかしコモドゥスはその決断を父の口から聞かされ、失望し、あろうことか実の父親を殺してしまう。
歪んだ愛と、権力を持った者の嫉妬と野心は恐ろしい。
コモドゥスには徳はなかったが、計略を練る知恵と野心だけはあった。
マキシマスは皇帝を殺したのがコモドゥスであることに気づくが、先手を打たれ死刑を言い渡される。
妻と子だけは助けて欲しいと訴えるマキシマスだが、同僚だったクイントスから「あの世で会えるだろう」と衝撃の返事をされてしまう。
妻と子を助けるためにマキシマスは、討手を振り切って駆け抜ける。
しかし時既に遅く、最愛の妻と子は変わり果てた姿でマキシマスの前に現れる。
絶望して項垂れるマキシマスは奴隷商人に捕まり、プロキシモという剣闘士団の団長に買われる。
生きる目標もないまま、マキシマスは剣闘士として向かってくる相手を殺していく。
だが、先代皇帝が禁止していたコロッセウムでの剣闘が、コモドゥスの計らいによって復活するという報せが入ると、マキシマスは復讐のために戦うことを決意する。
プロキシモは大衆を味方につけることだとマキシマスにアドバイスをする。
コモドゥスはマキシマスとコロッセウムで対峙するが、大衆を味方につけたマキシマスを簡単に殺すことが出来ない。
熱狂した大衆の力は恐ろしいものだ。
あのイエス・キリストを殺したのも群衆の力だといえる。
権力を持っていても、余程の善政を施すか、圧倒的な力で抑圧しなければ簡単に大衆の力に呑み込まれてしまう。
結局コモドゥスは野心家ではあったが、大衆を味方につけられるだけのカリスマ性は持っていなかった。
ラストシーンまで息がつまるような怒涛の展開が押し寄せる作品で、人間の持つ残虐さを改めて考えさせられた。
殺し合いを観て熱狂する人たちの心理が理解出来なかったが、それこそこの映画は残虐なシーンばかりだが、それもいつの間にか慣れてしまうように、彼らにとってもどこか映画のワンシーンのように他人事に思えるからこそ楽しむことが出来たのだろう。
そしてマキシマスのような強い剣闘士を崇めたくなるような心理が人間の中にはある。
そして戦いを本能的に望んでしまう部分も。
エンターテイメントとして楽しめる作品ではあったが、同時にこれを娯楽として観れてしまう恐ろしさも感じてしまった。

2022/12/30

2022/12/31

80点

その他/録画BSプレミアム 
字幕


ローマ帝国時代の再現

 将軍のマクシムス(ラッセル・クロウ)が、ローマ帝国の皇帝の跡継ぎに押されたものの、皇帝の息子コモドゥス(ホワキン・フェニックス)に貶められ、奴隷まで身を落とすものの、剣闘士として復讐しようとする物語。

 コモドゥスが、単なる悪役でなく、その能力のなさから、父から愛されず、民衆にも愛されず、それがゆえに、孤独、憎悪、嫉妬、誰も信用できない、その辛さが痛い程分かり、なかなかのキャラクターだった。ホワキン・フェニックスがぴったり、彼はこういう役が上手いと思う。

 マクシムスは、主人公。妻子を殺され、人生を諦め、絶望するが、剣闘士として蘇り、しかし、復讐も、機会があるなら、という冷静さ。その辺りが最大の魅力かも。しかも、ラッセル・クロウが、熱くなり過ぎずに、演じているのが合っていた。指摘されている方もいるように、ラッセル・クロウの声が確かにとても良かった、吹替だと分からないだろうけれど。

 何十年振りかで観た。ローマ帝国時代の背景がかなり再現されていて、この時代の雰囲気には入り込むことが出来た、リドリー・スコットの力作だと思う。 

2022/03/20

2022/12/04

-点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズ上大岡 
字幕


ホアキンの存在感とぞんざい感

【午前十時の映画祭11】
こういう男臭さ全開の娯楽活劇がオスカーを獲る。
2000年はハリウッドにとってもリドリー・スコットにとってもまだまだ良い年だったのだろう。
今観ると屈折した暴君コモドゥスを演じたホアキンの存在感が強烈。
主役たるラッセルの将軍マキシマスの復讐譚が単純に思えてならない。
果たしてホアキンのブレイク以前のこの演技の評価はどうだったのか。
しかし堂々たる大作との評価は揺るぎない。