窓際族というのもおかしいが,その家の人物たちは窓際にいることも多い.のぞかれようとしているのか,のぞこうとしているのか,少なくとも彼女ら彼らの意識は,窓の外を向き,あるいは隣の家の窓の内側に向こうとしている.
バラの花が見える.バラ肉も映る.月刊誌の編集をしているレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)の家庭では,芝居がかったセリフがあり,うんざりさせるディナーのBGMが流れている.それは意識が高く,不動産の仕事をするキャロリン(アネット・ベニング)の選曲でもある.家族にはもうひとり,一人娘のジェーン(ソーラ・バーチ)がいる.
家族の表情を見ていると,無表情から笑いや怒りへの変化があり,笑顔にも大小があるようでもあ.
この家の隣からは窓の外からビデオカメラで撮影する男がいる.リッキー(ウェス・ベントレー)は,大佐フィッツ(クリス・クーパー)の息子で,ジェーンと同年代でもあるらしい.フィッツは,いつもすごい姿勢で真っ直ぐ見つめているのでそれはそれでプレッシャーでもある.彼の妻はすでに壊れたかのように主婦業に専念している.
ジェーンのダンシングチームがバスケの休憩時間にダンスを披露する.彼女の友人アンジェラ(ミーナ・スバーリ)に父レスターは欲情をしている.娘にはそこでも笑顔がないようにも見えている.
この性的な欲動をきっかけに,レスターは広告業界の奴隷からの脱出を試みる.かっこいい裸になるために筋トレを始め,バーガー店でのバイトを始める.隣の隣からは,税理士と麻酔医のゲイパートナーたちもやってくる.尿検査も日常になろうとしており,マリファナも当たり前のように嗜好されている.
「死霊のしたたり」という映像があるらしい.葬列も見える.白いビニル袋が風に舞うビデオ映像がリッキーによって記録され,彼はそこに美のようなものを感じている.いよいよジェーンの両親はともに荒れだす.キャロリンもストレス発散のためなのか銃をぶっ放す.赤い車ファイアバードと赤いラジコンが動き出そうとしている.