マグノリア

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マグノリア

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レビューの数

79

平均評点

74.0(564人)

観たひと

955

観たいひと

109

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1999
公開年月日 2000/2/26
上映時間 187分
製作会社 ジョアン・セラー=グラーディ・フィルム・カンパニー作品(ニューライン・シネマ提供)
配給 日本ヘラルド映画配給(日本ヘラルド映画=ポニーキャニオン提供)
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

L.A.郊外のある1日、10数人の男女が織りなす人生模様を、観客の意表を突く意欲的で斬新な語り口で綴った群像劇。監督・脚本は『ハード・エイト』(V)「ブギーナイツ」のポール・トーマス・アンダーソン。主題歌は実力派ソングライターのエイミー・マンで、本作の着想は彼女の同名歌によるものという。音楽は彼女の夫であるジョン・ブライオンで映画音楽は本格的には本作が初めて。製作はアンダーソン、『ロード・オブ・イリュージョン』(V)のジョアン・セラー。製作総指揮はマイケル・デ・ルーカ、リン・ハリス。撮影のロバート・エルスウィット、衣裳のマーク・ブリッジズ、編集のディラン・ティチェナー、SFXのルー・カーリッチは「ブギーナイツ」に続く参加。美術は「カラー・オブ・ハート」のウィリアム・アーノルドとマーク・ブリッジズ(衣裳と兼任)。VFX監修は「スター・ウォーズ 特別篇(三部作)」のジョー・レッテリ。クリーチャー・エフェクトは『シャイニング』(V)のスティーヴ・ジョンソン。出演は「アイズ ワイド シャット」のトム・クルーズ、「フィラデルフィア」のジェイソン・ロバーズ、本作が映画デビューのジェレミー・ブラックマン、「ジャッキー・ブラウン」のマイケル・ボウエン、「キルトに綴る愛」のメリンダ・ディロン、『ポイント・ブランク 殺し屋の憂鬱』(V)のエマニュエル・L・ジョンソン、そしてジュリアン・ムーア、ウィリアム・H・メイシー、ジョン・C・ライリー、フィリップ・ベイカー・ホール、フィリップ・シーモア・ホフマン、メローラ・ウォルターズらが「ブギーナイツ」に続き登場。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

L.A.郊外のサンフェルナンド・ヴァレー。曇り空のある日。人気長寿クイズ番組『チビっ子と勝負』を介して、お互いに知らないままつながりを持つ男女の人生模様が映し出される。制作者で死の床にあるアール・パートリッジ(ジェイソン・ロバーズ)の若い後妻リンダ(ジュリアン・ムーア)は悲嘆のあまり混乱の極み。アールは献身的な看護人のフィル(フィリップ・シーモア・ホフマン)に、彼がかつて捨てた息子を探してほしいと頼む。彼の息子は今ではフランク・T・J・マッキー(トム・クルーズ)と名乗り、女性の口説き方をモテない男に伝授する指南役として評判をとっていた。いっぽう、番組の名司会者ジミー・ゲイター(フィリップ・ベイカー・ホール)もガンを宣告されて死期を悟り、彼を憎んで家出した娘クローディア(メローラ・ウォルターズ)の元を訪ねるがすげなく追い返される。薬物に頼って生きる日々の彼女の前には、生真面目な独身警官ジム(ジョン・C・ライリー)が現れた。日暮れと共に雨が降り出す。番組が始まるが、目下天才少年として評判をとるスタンリー(ジェレミー・ブラックマン)は本番前にトイレに行けずおしっこを我慢していたが、ついに漏らしてしまって無言になる。司会していたゲイターも倒れた。同じ頃、その昔番組でスタンリーのように天才少年とうたわれたドニー(ウィリアム・H・メイシー)はなじみのバーへ。そこのバーテンをひそかに恋する彼は、年甲斐もなく歯列矯正ブレスをはめる予定だったが、勤め先の電気店でクビを言い渡されていた。こうして彼らの運命は変転を迎えようとしていた。クローディアはジムとレストランでデートするが、キスを交わした後で逃げ去る。スタンリーは「僕は人形じゃない」と日頃の鬱積を生放送中にぶちまけた。フィルに呼び出されたフランクは、かつて母と共に自分を捨てた父親アールの枕元で激情のあまり嗚咽する。動揺しきったリンダは車の中でアールの薬を服んで自殺を図る。バーでついにバーテンに求愛したドニーは、歯の治療の金を盗むべく電気店へ押し入る。それを目撃したのが車で通りかかったジム。ところがここで思いもよらぬ天変地異が……。かくして、その事件のあまりの不可思議さが、思い悩む彼らの心にあまねく影響を及ぼし、ひとりひとりに“救済”をもたらすのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2000年5月下旬号

外国映画紹介:マグノリア

2000年4月上旬春の特別号

劇場公開映画批評:マグノリア

劇場公開映画批評:マグノリア

2000年3月上旬号

企画特集 ジョニー・デップ「スリーピー・ホロウ」vsトム・クルーズ「マグノリア」:トム・クルーズVSジョニー・デップ徹底比較

企画特集 ジョニー・デップ「スリーピー・ホロウ」vsトム・クルーズ「マグノリア」:ポール・トーマス・アンダーソン監督「マグノリア」とトム・クルーズを語る

企画特集 ジョニー・デップ「スリーピー・ホロウ」vsトム・クルーズ「マグノリア」:ジョニー・デップ インタビュー

企画特集 ジョニー・デップ「スリーピー・ホロウ」vsトム・クルーズ「マグノリア」:クリスティーナ・リッチ「スリーピー・ホロウ」とジョニー・デップを語る

新作紹介:マグノリア

2000年2月下旬決算特別号

スペシャル・グラビア:「ザ・ビーチ」「ワールド・イズ・ノット・イナフ」「ストーリー・オブ・ラブ」「マグノリア」「リプリー」「理想の結婚」

2025/12/21

86点

VOD/Hulu 
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この世界は解き明かせない謎と偶然に満ちている

ネタバレ

冒頭、偶然が重なって起こった3つの奇妙な事件が紹介される。
偶然と呼ぶにはあまりにも出来すぎな話。
そしていずれも後味の悪さを残す。
おそらく人生で起こることのすべてが偶然の重なりであり、そのすべてが必然なのだろう。
これはロスアンゼルスにあるサンフェルナンド・バレーという街に住む者たちの奇異な人生を描く群像劇。

まずは男向けの自己啓発セミナーで講演中のピックアップアーティストのフランク。
長寿クイズ番組の名司会者で、癌により余命宣告を受けているジミー。
父親であるジミーを嫌悪し、ドラッグ漬けの生活を送るクローディア。
クイズ番組に出演する天才少年のスタンリー。
元天才クイズ少年で雷に打たれたことで頭が悪くなってしまったドニー。
ジミーが司会を務めるクイズ番組の元プロデューサーで、末期癌の治療中のアール。
彼の後妻で薬を大量に処方されているリンダ。
アールの付き添いの看護師のフィル。
そしてロスの警察官ジム。

彼らはそれぞれに心の問題を抱えており、愛されることに飢えてもいる。

フランクはインタビューで出自を偽っていることを暴かれる。
彼は実の父親に対して激しい怒りを抱いていた。
ジミーは死を前に何とかクローディアと和解したいと望むが、余命を聞かされても彼女は父親を拒絶し続ける。
二人の確執の原因は後ほど明かされる。

スタンリーはとにかく父親から過剰な期待をされて育ってきたらしい。
彼は自分が大人の玩具になってしまっていることに異議を唱える。
彼は心の中で自分を大切にして欲しいと叫んでいる。

人生がすっかり変わってしまったドニーもまた哀れな存在だ。
彼は若いイケメンのバーテンダーに恋をしており、彼と同じように歯の矯正をすれば仲良くなれるのではないかと考える。
だが仕事をクビになった彼には金がなかった。

アールは自分勝手に生きてきたこと、献身的に尽くしてくれた前妻を大事にしなかったことを悔いている。
彼は償いのために前妻との間に出来た息子を探して欲しいとフィルに頼む。

リンダは財産目当てにアールと結婚した。
そこに愛などなかったのだが、彼の死を間近にして初めて彼への愛情が芽生える。
そして彼が自分に遺産をすべて残してくれることに罪悪感を抱く。

フィルは一見中立的な立場に思われるが、彼も承認欲求が強い人物なのだろう。
アールから依頼された息子探しに懸命に取り組むが、そのことでリンダに激しく責められてしまう。

この映画の中で少し異質な存在に感じるのが警察官のジムだ。
正義感に溢れているが、どうも一匹狼のようでもある。
彼は通報を受け、クローディアの部屋を訪れる。
そして彼女に一目惚れしてしまい、職務を放棄してデートを申し込んでしまう。
彼は女性経験が乏しいようだ。
彼はこれは神が自分に与えてくれたチャンスだと確信する。
だがピンチはチャンスの形をして現れることもある。
その後、彼は捜査中に銃を紛失してしまう。
クローディアは人に言えない秘密を隠しているために、心の底から相手を受け入れることが出来ない。
彼女はジムにキスをした後に立ち去ってしまう。
外は土砂降りの雨が降り続けている。

とにかくシナリオの構成の巧さに驚かされた。
それぞれに違う場所で起きている出来事なのに、まるですべてが繋がっているかのように錯覚してしまう。
物語がどこに着地するのか分からないものの、すべてのシーンが臨場感に溢れているため画面に引き込まれてしまう。
時系列の入れ替えはないもののクリストファー・ノーランの『ダンケルク』を思い出した。
もっともこちらの作品のほうが制作はずっと先なのだが。

終盤にまさかの展開が待っているが、それすらもあり得るかもしれないと思わせる世界観の作り込みが凄い。
これまた偶然にも登場人物たちがエイミー・マンの『Wise Up』をリレーのように歌い繋ぐ象徴的なシーンも印象深い。
改めてポール・トーマス・アンダーソン監督の才能に驚かされる作品だった。

2025/11/14

2025/11/14

80点

その他/録画WOWOW 
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重なり合いが圧巻

ネタバレ

  罪を背負ったひとたちや、心に傷を持つ人たちへの救済的な話。

 フランク(トム・クルーズ)が、自分と母を捨てたアール(ジェイソン・ロバーツ)の今際の床に呼ばれて対面するのも、アールの後妻のリンダ(ジュリアン・ムーア)が、何とか助かるのも、自暴自棄のドニーが盗みをやめることになるのも、偶然と降臨のように降ってくるアレの為もあるだろう、それによって洗い流される、ということなのだと思う。

 スタンリーが、漏らしてしまったことで、「僕は人形じゃない」とクイズを拒否するのも圧巻だったし、父に虐待されたクローディア(メローラ・ウォルターズ)の所に、母(メリンダ・デュロン)が駆けつけるのもそうだった。

小さなエピソードも、その重なり合いで、大きなうねりになっていく所が凄い。

 ポール・トーマス・アンダーソン監督の「ワン・バトル・アフター・アナザー」を観たのでこちらをまた観る。

2025/10/19

2025/10/19

-点

選択しない 
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群像劇。長い!トムクルーズの怪しげな教祖がすごかった。
カエルの量もすごかった。

2023/09/23

2023/09/23

70点

選択しない 


空から・・・が降る

賛否の分かれるラストということで楽しみに見ていましたが、予想以上にとんでもないエピソードでした。それまで2時間45分それぞれの人々が不安感を持ちながらその飽和状態になっていた矢先に空から降ってきた・・・。私の中で一気に緊迫感が薄れ、「こんなこともある」という台詞に白けてしまいました。エンディングに別のアイデアがあったのならそのヴァージョンを観たい気持ちでエンドロールを観ていました。

2023/05/23

2023/05/27

100点

レンタル/新潟県/ゲオ/ゲオ竹尾インター店/DVD 
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多すぎる

◎ 主な登場人物は多いが、みんなテンパっている。いまにも血管が破裂しそうだ。そんな中で、ただ一人フィリップ・シーモア・ホフマンだけで尋常な精神状態でいる。彼まで逆上したら、映画がバラバラに砕け散ってしまう。
◎ こんな物語だから、この流れをおさめるためには、アレを大量に降らせるしか仕方がなかった。たとえ非現実的であろうと。それにしても、多すぎるだろう。

2023/05/14

2023/05/17

-点

映画館/東京都/立川 CINEMA CITY/TWO 
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偶然と、運命と、後悔と、赦しと

長尺で、しかもあれほど登場人物が多く、一見複雑そうに見える『マグノリア』が多くの人から支持されるのは、誰でもがひとつくらいは気持ちの整理がつかないことを心に秘めているからだろう。登場人物の抱える心のわだかまりが見る側の心のどこかにつながっている。

これは、「気持ちに整理がつかない人たち」の告白劇。整理がつかないどころか「人生を狂わされてしまった人たち」とも言える。

クイズショウの名司会者である父親がかつて家を飛び出して行った娘のアパートを訪ねる。飛び出して行ったきりで二人は長年向き合えていない。すると娘は物凄い剣幕でこの父親を罵る。父親はやむなく「自分が癌で余命いくばくもないこと」を告白する。しかし娘はそれを受け止めることもなくけんもほろろにアパートから父親を追い出す。娘はかつてこの父親から性的ないたずらを受け、その心の傷によるドラッグ中毒から抜け出せないでいる。

自宅で死の床にある元テレビプロデューサーの老人。かつて彼は、妻が癌だとわかると妻子を置いて(おそらく)別の女性の元に出て行ってしまった過去を持つ。人生も終わりに近づき自分のしたことを後悔し、生き別れた息子に一目会いたいと看護人に漏らす。息子は今や「性の伝道師」として自己啓発セミナーのカリスマ講師。汚い言葉と共に「女を落とすテクニック」を連発し聴衆を煽る。彼は父親を奪って行った「女」という存在に復讐がしたいのだろう。もちろんどこかで父親を恨んでもいる。老人の懺悔を聞いた看護人はそんな彼を捕まえて最後に親子を向き合わせようとする。

こうしたやりとりが続く。観客は常に登場人物の「親子関係に何かあるのかも知れない」という思いを抱く。この何かが物語を紡いでいく。ただし人が向かっていく方向は自分の手で変えることはできない。それはまさに運命というもの。偶然と運命の物語でもある。ポール・トーマス・アンダーソン監督のオリジナル脚本で素晴らしい。

一方で、後悔と懺悔と赦しの物語でもある。
こうした人たちをラストに向かってつなぎ合わせていくのはまさにアンダーソン監督の才能。長尺の先のカタルシスへと繋がっている。ふだんはどこかにいるが決してつながることはないバラバラに存在する人たち。親が子の心に残した傷。当たり前にあるタテの「怨」のつながりをヨコに繋いだ。観客はそこに癒しと赦しを見いだす。オリジナルの脚本の中に「偶然」という言葉を捻り出したことが素晴らしい。見ている側も日常「ひとつやふたつそんなこともあるかな」と思えてくる。ポストロバート・アルトマン。群像劇の正統な後継者。