結婚を目前にしてその選択に迷いが生じるという話は「マリッジ・ブルー」という言葉があることからも分かるようにアメリカ映画にはよくあるパターンだ。
最近観た「ウエディング・シンガー」もそうした種類の映画であった。
ただそちらはドリュー・バリモア演ずるウェイトレスが可愛く思い悩む話であったが、こちらは反対に男男性側であるベン・アフレックにその疑念が生じるという話になっている。
そしてそのきっかけを作ることになるのがサンドラ・ブロック演ずる奔放な女性サラということになる。
ふたりは偶然乗り合わせた飛行機の離陸失敗のアクシデントで知り合い、これがきっかけでふたりいっしょの旅行をする羽目になる。
そしてその道中、つぎつぎと起きるトラブルのなかでお互いが反撥しながらもいつしか惹かれ合っていくというお決まりの展開が繰り広げられていき、その経験の中でベン・アフレックがこれからの人生をもういちど真剣に考え始めることになる。
ところがこれがいささかとってつけたような内容で、とても最後まではつき合いきれないなと思いながら観ていた。
ただ、ひょっとしてどこかで転調して面白くなるのではという微かな期待をいっぽうでは抱いており(本当はなかば諦めて)辟易させられながらも、とうとう最後まで我慢して見続けることになったのだ。
結局その期待は叶わなかったわけで、こういうときはどっと疲れが残る。
映画そのものの出来はけっして悪くはないが、こうなった最大の要因はサンドラ・ブロック演ずるサラの人物造型に違和感を感じたことにある。
常識にとらわれずあくまでも自分流の思いを貫いていくという現代アメリカ女性の典型のような女性を演じているが、こうした女性にありがちのひとりよがりの強引さがいまいち納得できる描き方ではなく、どうしても反撥を感じてしまうのだ。
そしてその強引さが原因でつぎつぎとトラブルが起きるに至ってはもはや何をかいわんやという気になってしまう。
二度の結婚失敗という過去をもちながらも、そこから何も学習していないのではと思わせてしまう。
結局こういった印象がいったん芽生えるとなかなか本筋に気持ちが入っていかないことになる。
といったわけでロマンティック・コメディはけっして嫌いではないが(むしろ好きと云うべきか)どうもこの映画には乗れなかったのだ。