幸運の星

こううんのほし|Lucky Star|----

幸運の星

レビューの数

7

平均評点

74.5(10人)

観たひと

19

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1929
公開年月日 未公開
上映時間 0分
製作会社 フォックス映画
配給
レイティング
カラー
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「第七天国(1927)」「街の天使」と同じくフランク・ボーゼージ氏が監督した。ジャネット・ゲイナー嬢とチャールズ・ファーレル氏共演映画で、このスタッフの最初の発声映画(最初の第七巻は伴奏音楽付きで最後の三巻がトーキング)である。原作は「河(1928)」「クリスティナ」と同じくトリストラム・タッパー氏作の小説で、「熱砂果つるところ」のソニア・レヴィーン女史が脚色し、「アマゾンの紅薔薇」「地の極みまで」のチェスター・ライオンズ氏が撮影した。助演者は「ノアの箱船」のギン・ウィリアムス氏を始め「輝く天国」のヘドヴィガ・ライヘル夫人「處女時代」のグロリア・グレイ嬢である。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

米国東部の片田舎で農牧を業としてささやかな暮らしをしているタッカー夫人という後家がある。彼女は恐ろしい後家で娘のメエリーをこき使っている。小娘メエリーは見様見まねでこそこそと悪い事ばかりする。或る朝電信工夫の仕事場へ牛乳を買いに言った時も工夫商のレンから代金を二重取りしようとした。後からその事を工夫のティモシー・オスポーンに発見され彼に折檻を受け訓戒されたのを根に持ってメエリーはティムの窓に石を投げてガラスを砕こうとした。その時ティムが米軍に志願して出掛けようとするところだったので、流石の悪戯娘も悔いて彼を荷馬車に乗せてやろうと申出た。ティムは立派な脚を持ってるから乗らないと言って歩いて行く。フランス戦線でレンは炊事軍曹を勤務しティムはその部下の兵卒となっていた。二人ともメエリーから同文の慰問の手紙を受け取った。或る夜塹壕へ食料運搬の命を受けたレンは危険と見てティムを代りに行かした。ティムは重傷を負い戦後一年間病院にいたが彼の下肢は麻痺して彼は立つことも歩くことも出来なくなった。帰郷したティムとメエリーは仲良しになった。ティムは彼女の髪を洗ってやたり、沐浴をすることを勧めたりした。十八になるメエリーは見違えるように美しくなり、またティムに教えられて性質も善良になった。メエリーは萬聖節の前晩に村のお祝いダンスへ出掛け、そこでレンと遭った。レンはミニーという娘を騙していたがメエリーの美しさを見てミニーを捨てた。ティムは家で立とうと努力したが駄目だった。彼に好意を持たないメエリーの母はティムの許へ行く事を厳禁した。レンは巧みに母親の機嫌を取りメエリーを嫁に貰う約束をした。レンがメエリーを嫁に貰う約束をした。レンがメエリーを連れて行く日の前日メエリーはティムを訪れお茶をよばれた。その夜ティムは一生懸命に立つことを努力したが何うしても脚は立たなかった。ある日は雪だった。メエリーは逃げ出してティムの家に来た。二人は始めて深く愛し合っていることを知った。その時母親が来て娘を連れて行った。ティムは雪中を走り歩いて丘を上り停車場へ転び降り、レンに連れられて行かれようとするメエリーを取り戻した。ティムの脚が立ったのである。メエリーとティムはかたく抱き合った。

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2022/09/11

2022/09/11

-点

その他/調布市グリーンホール大ホール 

『幸運の星』。1929年、アメリカ、無声。活弁、生演奏付上映。全編スタジオセットなのが凄い。小川や小さな瀧まで再現。終盤の大雪では全面銀世界。卵シャンプーはホントにあったらしいが生臭くないのかなあ。ミニミニ蓄音機はどんな音がするんだろう。遠ざかる列車はミニチュアで遠近法をうまく利用。

2022/04/28

2022/04/28

-点

映画館/神奈川県/シネマジャック/ベティ 
字幕

『幸運の星』。1929年製作、無声。ピアノ伴奏付き上映。全編スタジオセット撮影。主人公の家があり、滝や小川があり、鉄道の線路までも。ラストシーンは積雪の中の遠近法を駆使したセットとミニチュアとのコラボ。鶏卵で洗髪、前輪がデカイ三輪車椅子。T字型の松葉杖。小型サイズのレコードと蓄音機。

2021/09/06

2021/09/07

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


ティムが立つ。

ネタバレ

<素晴らしきサイレント映画III>の上映作品。

フランク・ボーゼージ監督作。オリジナルは部分的にトーキーだったようだが、サイレントに伴奏が付加されての上映。貧しい農家の娘メアリーと工夫ティムの恋愛劇。

要領のいい男ティムが足元に投げた代金のコインを誤魔化そうとしたメアリーだったが、そのことでティムとレンは喧嘩になる。時あたかも第一次大戦が開戦する頃、レンとティムは志願兵となりフランスへ。生真面目なティムは、レンに下った食料運搬の任務を代行して爆撃にあい、下半身が不自由になって帰国。兵役前にメアリーの誤魔化しを罰したことから二人の中は最初こそぎこちなかったが、すぐに打ち解ける。しかし、レンも不名誉な除隊をして帰国するが、メアリーの母親はレンこそが娘の結婚相手に相応しいと思い結婚を承諾してしまう。自分の誠意をメアリーの母親に伝えに行くはずだった日に雪が降り積り、車椅子での訪問は無理だと諦めかけるティムだったが…

グリフィスの時代からの伝統ラスト・ミニッツ・レスキューが生きていると見え、生来からの詐欺師レンに連れ去られる目前のメアリーを追いかけて雪道を松葉杖で歩き抜けたティムが、発車ギリギリで追いつくという大クライマックス。

どう見ても無理ゲーというか、奇跡でなければ起こり得ない事態ではあるのだが、人生をひたすら愚直に生真面目に生き続けたティムなればこそ、こんな奇跡を喜びたいという気持ちになる。

2019/09/16

2019/09/18

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
字幕

『幸運の星』。1929年、アメリカ、無声(サウンド版)。通常のスタンダードサイズよりやや横幅が狭い。全編セット撮影だと思う。タッカーの家、ティムの家、町中、小川や滝までも作っている。雪のシーンが見事。ラストの「これが特別なことだったのね」で落涙。松葉杖は長いT字形。三輪の車椅子。

2013/07/27

2014/07/09

35点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 
字幕


第七天国からは程遠い

ネタバレ

サイレント末期の傑作「第七天国」の2年後、監督フランク・ボーゼージ、主演ジャネット・ゲイナー、チャールズ・ファレルの3人が再び結集して作られたメロドラマ。本来は、全10巻のうち、最初の7巻はサイレント、最後の3巻はトーキーとして作られ、日本でもその形で公開されたようですが、今回上映されたディジタル素材(そもそも欧州で見つかったプリントのようです)はオール・サイレントでした。
第一次世界大戦に志願兵として参加したチャールズ・ファレルは、前線に食事を運ぼうとしている途中、爆弾が飛んできて命中し、両足が動かないという怪我を負います。帰国して車椅子生活を送る彼は、ちょくちょく訪ねてくる貧乏娘ジャネット・ゲイナーに心を寄せるようになりますが、ゲイナーの継母は、ファレルと一緒に出征したのち、健常のまま帰還したファレルのライヴァル男グィン・ウィリアムズにゲイナーを嫁がせようとしています。ウィリアムズは、戦歴を詐称し、実際は軍を解雇されているのに少佐に昇進したなどと称している悪人なのですが、そうと知らぬゲイナーの継母はすっかり騙されています。そして雪の日、ウィリアムズが馬車にゲイナーを乗せて、結婚式を行う町への汽車に乗ろうとしたところ、前夜から必死に自力で歩く練習を重ねていたファレルが、松葉杖をつきながら山道を越えて列車駅に追いつき、ウィリアムズを殴り倒した上で、ゲイナーのことをしっかり抱き締めるというお話。
いくらお約束とはいえ、それまで車椅子から立ち上がることも覚束ず、松葉杖で1歩進もうとしても倒れてしまうほどだったチャールズ・ファレルが、たった一夜の特訓によって雪山さえも越えられるほどの脚力を付けてしまうというのは、ご都合主義も甚だしく、あの傑作「第七天国」の感動とは程遠い映画でした。

2013/07/27

2013/07/28

78点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


第一回アカデミー賞コンビふたたび

#649 シネマヴェーラ渋谷「幸運の星」。第1回アカデミー賞で監督賞と主演女優賞をを受賞した「第七天国」と同じフランク・ボーセージ監督、ジャネット・ゲイナー主演のサイレント映画。手癖の悪い農家の娘と戦争で足が不自由になった男の恋愛劇である。原版のパートトーキー版を是非観てみたい。