ライフ・イズ・ビューティフル

らいふいずびゅーてぃふる|La Vita e bella|Life Is Beautiful

ライフ・イズ・ビューティフル

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レビューの数

134

平均評点

84.6(1313人)

観たひと

2186

観たいひと

230

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争 / ヒューマン / ドラマ
製作国 イタリア
製作年 1997
公開年月日 1999/4/17
上映時間 117分
製作会社 メランボ・チネマトグラフィカ作品(ミラマックス・インターナショナル=マリオ&ヴィットリオ・チェッキ=ゴーリ提供)
配給 松竹富士配給(松竹=アスミック・エース エンタテインメント=角川書店提供)
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

収容所に送られたユダヤ人の父親が幼い息子を生きながらえさせるためにとった意外な作戦をぺーソスあふれるタッチで描いた感動作。監督・主演は「ボイス・オブ・ムーン」(主演)「ジョニーの事情」(主演・監督)のイタリアを代表する喜劇俳優ロベルト・ベニーニ。脚本はベニーニと「ジョニーの事情」「宣告」のヴィンチェンツォ・チェラーミ。製作はエルダ・フェッリ、ジャンルイジ・ブラスキ。撮影は「ボイス・オブ・ムーン」「死と処女」のトニーノ・デリ・コリ。音楽は「ボイス・オブ・ムーン」のニコラ・ピオヴァーニ。美術・衣裳は「インテルビスタ」のダニーロ・ドナーティ。共演はベニーニ夫人で彼の作品でコンビを組むニコレッタ・ブラスキ(「ミステリー・トレイン」)、新人のジョルジオ・カンタリーニ、「時の翼に乗って ファラウェイ・ソー・クロース!」のホルスト・ブッフホルツほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1937年、イタリアはトスカーナ地方の小さな町アレッツォ。本屋を開く志を抱いてやってきたユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は美しい小学校教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と運命的な出会いをする。当座の生活のため叔父ジオ(ジュスティーノ・ドゥラーノ)の紹介でホテルのボーイになり、なぞなぞに取り憑かれたドイツ人医師レッシング(ホルスト・ブッフホルツ)らと交流したりしながら、ドーラの前に常に何度も思いもかけないやり方で登場。ドーラは町の役人と婚約していたが、抜群の機転とおかしさ一杯のグイドにたちまち心を奪われてしまった。ホテルで行われた婚約パーティで、グイドはドーラを大胆にも連れ去り、ふたりは晴れて結ばれた。息子ジョズエ(ジョルジオ・カンタリーニ)にも恵まれ、幸せな日々だったが、時はムッソリーニによるファシズム政権下。ユダヤ人迫害の嵐は小さなこの町にも吹き荒れ、ある日、ドーラが自分の母親(マリザ・パレデス)を食事に呼ぶため外に出たすきに、グイドとジョズエは叔父ジオと共に強制収容所に連行された。ドーラも迷わず後を追い、自分から収容所行きの列車に乗り込んだ。さて、絶望と死の恐怖たちこめる収容所で、グイドは幼いジョズエをおびえさせまいと必死の嘘をつく。収容所生活はジョズエがお気に入りの戦車を得るためまでのゲームなのだと。とにかく生き抜いて“得点”を稼げば、戦車がもらえるのだとグイドはことあるごとに吹き込み続けた。強制労働の合間を縫って、女性の収容所に押し込められたドーラを励まそうと、放送室にしのびこんで妻に呼びかけたりと、グイドの涙ぐましい努力は続く。そんなある日、グイドは軍医として収容所にやってきたあのなぞなぞ好きの医師レッシングと偶然再会。レッシングから「重要な話がある」と耳打ちされたグイド。ドイツ軍の士官たちのパーティの給仕を命じられた彼は、監視の目を盗んでレッシングに話しかけるが、なんとレッシングは新たななぞなぞの答えをグイドに聞いただけだった。戦況は進み、収容所は撤退準備をはじめる。この機を逃さじとグイドはジョズエをひそかに隠して、ドーラを捜すうちに兵士につかまった。グイドはジョズエの隠れ場所を通るとき、おどけて行進ポーズをとる。それが彼の最後の姿だった。ドイツ兵が去った後、外へ出たジョズエは進駐してきたアメリカ軍の戦車を見て歓声をあげる。戦車に乗せられたジョズエは生きていたドーラを見つけ、母子は抱き合った。これが幼い息子を生きながらえさせようとした父親の命がけの嘘がもたらした奇跡の物語だ。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1999年6月上旬号

劇場公開映画批評:ライフ・イズ・ビューティフル

1999年4月下旬号

特集 ライフ・イズ・ビューティフル:作品評

特集 ライフ・イズ・ビューティフル:作品評

COMING SOON【新作紹介】:ライフ・イズ・ビューティフル

2024/03/01

2024/03/01

85点

選択しない 


再び

この映画が好きだと答えていた時期もあったと思う。
でもやっぱり嫌いホロコースト。最低。
アウシュビッツに行くと決めたので予習と思って
久々に見返したこの作品。

でも、グイドの世の中に素敵は溢れてた。
妻にも息子にも愛が溢れていた。
人生って美しい。

でもやっぱり苦手。

1999/05/08

2023/04/18

95点

映画館/神奈川県 
字幕


ライフ・イズ・ビューティフル

子供のために、どんなにつらい状況でも最後まで明るくふるまう父親の姿に感動する。

2023/03/04

2023/03/04

78点

VOD/Hulu/購入/テレビ 
字幕


ライフ・イズ・ビューティフル

ユダヤ人虐殺のこの題材を、まさにライフ・イズ・ビューティフルとして描くセンスが素晴らしいです。
知識を必要とされる演出が多いですが、このくらいは知っておかなければならないレベルなので、分からないところがあったら調べるべきだと思います。
素敵な作品でした。

2022/11/08

2022/11/09

78点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


良かったけど・・

 強制収容所に送られたユダヤ人の父親が幼い息子を守るために、意外な行動に出る姿を描いた感動作品。1937年、トスカーナ地方の小さな町へやって来たユダヤ系イタリア人の陽気な男性グイドは、美しい小学校教師ドーラと運命的な出会いを果たす・・・。
う~ん・・・、良い作品なんだけどなぁ・・・。特に、後半の強制収容所に送られた後、息子を助けるために嘘を必死でついているシーンは、胸を打たれたなぁ。デモなぁ、主演のベニーニの早口のイタリア語が、どうしても気になってしまい全体的に物語に集中出来なかった。

2022/09/16

2022/09/16

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


イタリアのユダヤ人

第二次大戦初期から終戦までのイタリアにおけるユダヤ人の家族の物語。家族と言っても妻はイタリア人。
ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は美しい小学校教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と運命的な出会いをする。グイドは明るく陽気で、機転の利く男だった。ドーラも婚約者がいたが、彼と結婚してしまう。
そして可愛い息子を設ける。しかし、ムッソリーニのイタリアはドイツと協調してユダヤ人狩りに協力する。グイドは息子と伯父の3人で収容所に連れて行かれる。そのときドーラは私も行くと、進んで列車に乗る。
収容所では子供はシャワー室(ガス室)に送られるが、シャワー嫌いの息子は隠れている。そして幾多の困難を持ち前の機知で回避していたが、ドイツ軍が撤退することになった。そこで彼は息子を隠し、妻を探しに行く。結局は彼は殺されてしまうのだが、息子は生き延び、母親ドーラと再会する。
イタリアでのユダヤ人狩りはこれまで映画でも見たことが無かったので新鮮だった。またグイドの明るさのおかげで、収容所の暮らしも暗い気持ちにはならなかった。

2022/08/08

94点

購入/DVD 
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命を捧げた嘘

ネタバレ

これだけ前半と後半の印象が変わる映画も珍しいと思うが、何度観ても全てが必然だったと思われるほどにシナリオが良く練られている。
とにかく冒頭からロベルト・ベニーニ演じるグイドは喋りっぱなしだ。
彼は小学校の教諭であるドーラに恋をするが、調子のいい言葉であっという間に彼女の心を開かせてしまう。
前半はドタバタ喜劇であり、小粋なラブロマンスでもある。が、前半から戦争の影が少しずつ忍び寄っていたことが分かる。
グイドはドーラの気を引くために、ローマの監督官に成りすまして小学校に乗り込む。
そこで彼はアーリア人の優秀さについて子供たちに講義をするように依頼されるのだが、彼は自分の臍を見せてこれこそ偉大なアーリア人の証明だと笑いを取る。
喜劇的なシーンだが、これこそホロコーストに繋がるナチスの優生思想の表れである。
そしてグイドはユダヤ人だ。
やがてグイドはドーラと結婚し、二人の間にジョズエという男の子が生まれる。
グイドは念願だった本屋を開業するが、ユダヤ人に対する差別はますます激しくなっていった。
そしてついにグイドとジョズエは強制収容所へと連行されてしまう。ドーラはユダヤ人ではないが志願して、収容所行きの列車に乗り込む。
前半はお喋りで調子のいいホラ吹き者のグイドに面食らう場面も多かったが、後半は彼のその性格が大きな救いとなる。
とにかく彼は不穏な空気を察知させないようにジョズエに嘘をつき続ける。
ジョズエが「どうしてあの店はユダヤ人と犬はお断りなの?」と尋ねれば、「あっちのお店はスペイン人と馬がお断りだ」と返す。
そしてグイドはジョズエにこれから強制収容所で始まることはゲームなのだと話す。
グイドは息子を守るためだけに全てを捧げる。いくら息子のためとはいえ、ゲームであると嘘をつくのは不謹慎かと思ったが、彼が嘘をつかなければジョズエはあっという間にガス室送りにされていただろう。
印象的だったのがグイドと共に収容所に送られた叔父が転びそうになったドイツ人の女性看守に手を差し伸べる場面だ。
看守は動揺を見せず毅然とした態度で去っていくが、自分達を虐げる相手にも気遣いを見せる優しい彼が、おそらくこの後に殺されるのだろうと思うと胸が痛くなった。
前半が底抜けに明るい喜劇だったからこそ、日常をあっという間に奪ってしまう戦争の残酷さを思い知らされる。
しかしグイドは収容所の生活ですら喜劇に変えてしまう。
彼にはひとつの希望があった。それは彼が給仕をしている時に出会った謎々好きな博士の存在だ。彼とグイドはよくお互いに謎々を出し合う仲だった。
そして彼は軍医という立場でグイドの前に現れる。グイドは妻も収容所に入れられていることを彼に告げる。
しかし力になってくれると期待していた彼の口から出たのは、新しい謎々の答えを教えて欲しいという懇願の言葉だった。
これこそとても喜劇的な展開なのだが、望みを断たれたグイドにとっては大いなる悲劇だ。
眠り疲れたジョズエを抱いて、霧の煙る中を彷徨うグイドの目に映る収容者の死体の山が、決して逃げられない現実を突きつける。
そしてついに終戦が近づき、痕跡を消すためにドイツ兵は収容者を葬ろうとする。
グイドはジョズエとドーラを救うために賭けに出る。
結果的に大人しくしていればグイドは助かったかもしれない。
しかし彼が嘘をつき通したおかげで、ジョズエにとって嘘は嘘でなくなったのだ。
これがゲームだと信じ込んでいるジョズエが、最後にドーラと再会する場面は何度観ても目頭が熱くなる。
これはいつまでも語り継がれる名作の一本だろう。