この音楽はジャズ以外に選択はない。
オープニングクレジットの音楽が流れ出した瞬間に心は持っていかれました。
109分の佳作。
口当たりが良く、シーンの繋ぎがスムースでとても観やすいです。
気持ちの良い省略。
三人の芝居は大人の余裕を発揮してとても心地良いです。
台詞を受けた時の表情、人生を突き放したような主人公の気怠いオーラが哀しみを湛えています。
なりたい自分とは違う自分自身を十分わかっている。
悲しい現実を抱えている少女が梯子を降りてやってくる。上手い人物設定。犬と共に良いアクセントになっています。
優しいお兄さんの家族の登場を消し、彼女の背景も語らず、三人の話に焦点を絞ったのが成功しました。
ドラッグや酒に溺れているわけでもなく三者三様に別々の道を歩んで行く。夢見る頃を過ぎても出会いと別れは甘く切なくほろ苦い。ピアノ・ディオと女性ボーカルグループの音楽が心に沁みました。
大人の都会の夜にはジャズがよく似合います。
リラックス効果のある良い作品でした。
キネ旬「グッドフェローズ」と同率で9位も頷けます。
余談ですが
ウィスキーを注ぐ音が美味しそう。