プライベート・ライアン

ぷらいべーとらいあん|Saving Private Ryan|Saving Private Ryan

プライベート・ライアン

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レビューの数

122

平均評点

80.0(1337人)

観たひと

2271

観たいひと

153

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 戦争
製作国 アメリカ
製作年 1998
公開年月日 1998/9/26
上映時間 170分
製作会社 パラマウント・ピクチャーズ=ドリームワークス作品
配給 UIP
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

第2次世界大戦を題材に、過酷な戦地での男たちの友情と生き様を描いたヒューマンな戦争映画。戦場の殺戮を徹底したリアルさで再現し、ドキュメンタリー映画の迫力さえ帯び話題となった。監督は「アミスタッド」「シンドラーのリスト」のスティーヴン・スピルバーグ。製作は「ツイスター」「ビバリー・ヒルビリーズ じゃじゃ馬億万長者」のイアン・ブライス、「ブロークン・アロー」のマーク・ゴードン、「12モンキーズ」のゲイリー・レヴィンソン、スピルバーグの共同。脚本は「グース」のロバート・ロダット。撮影は「シンドラーのリスト」でもスピルバーグと組んだヤヌス・カミンスキー。美術はフランシス・コッポラ監督の「ドラキュラ」でアカデミー賞にノミネートされたトム・サンダース。音楽のジョン・ウィリアムス、編集のマイケル・カーンは共にスピルバーグ作品のほとんどを手がける常連。出演は「フィラデルフィア」「フォレスト・ガンプ/一期一会」のトム・ハンクス、「レリック」のトム・サイズモア、「彼女は最高」のエドワード・バーンズ、「ゴッド・アーミー 悪の天使」のアダム・ゴールドバーグ、「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のマット・デイモンほか。98年度(第71回)アカデミー賞最優秀監督賞(スピルバーグ)を受賞。98年キネマ旬報ベスト・テン第2位。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

時は1944年。第2次世界大戦の真っ只中、米英連合軍はフランス・ノルマンディのオマハビーチでドイツ軍の未曾有の銃撃を受け、多くの歩兵が命を落としていった。戦禍を切り抜けたミラー大尉(トム・ハンクス)に、軍の最高首脳から「3人の兄を戦争で失った末っ子のジェームズ・ライアン2等兵を探し出し、故郷の母親の元へ帰国させよ」という命令が下った。ミラーは古参軍曹のホーヴァス(トム・サイズモア)、2等兵のレイベン(エドワード・バーンズ)、カパーゾ(ヴィン・ディーゼル)、メリッシュ(アダム・ゴールドバーグ)、名狙撃手ジャクソン(バリー・ペッパー)、衛生兵のウェード(ジョヴァンニ・リビジ)、ドイツ語が話せる実践経験ゼロのアパム(ジェレミー・デイヴィス)を選び、落下傘の誤降下で行方の知れないライアンを敵地の前線へと探しに向かう。彼らは廃墟の町で攻撃を受け、ひとり、ふたりと銃弾に倒れていく。なぜライアン1人のために8人が命をかけなければならないのか? とレイベンが怒りを爆発させた時、ミラーはライアンを探し出し妻の元へ帰ることが自分の任務だと淡々と語り、離れかけていた皆の心をまとめあげる。前線へ進むうちミラーたちは空挺部隊に救われるが、その中にライアン2等兵がいたのだ。兄たちの死亡と帰国命令を知ったライアンは、戦友を残して自分だけ帰国することはできないときっぱりと言い放つ。ライアンの意思がミラーたちの心を捉え、共に踏みとどまりドイツ軍と一戦を交えることに。乏しい兵力、装備という悪条件の中、仲間たちは次々と銃弾に倒れ、ミラーも爆撃を受け死んでしまう。ライアンに「しっかり生きろ」と言い残して…。時を経て年老いたライアンは、ミラーの墓地の前で彼の言い残した言葉を、再びかみしめるのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1999年4月上旬春の特別号

特集 シン・レッド・ライン:「プライベート・ライアン」と「シン・レッド・ライン」

1998年11月下旬号

劇場公開映画批評:プライベート・ライアン

劇場公開映画批評:プライベート・ライアン

1998年11月上旬号

外国映画紹介:プライベート・ライアン

1998年10月上旬号

巻頭特集 プライベート・ライアン:トム・ハンクス インタビュー

巻頭特集 プライベート・ライアン:スティーヴン・スピルバーグ監督 インタビュー

巻頭特集 プライベート・ライアン:映画に見るノルマンディ上陸作戦

巻頭特集 プライベート・ライアン:作品評

巻頭特集 プライベート・ライアン:日本におけるスピルバーグ批評史

1958年10月下旬号

日本映画批評:昨日は昨日今日は今日

2024/03/11

2024/03/12

85点

購入/DVD 
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正攻法

25年振り3回目。冒頭から問答無用に引きずり込まれる戦闘シーンの衝撃は、当時相当のものだったが、現在観ても凄まじい。この臨場感を表現した撮影ヤヌス・カミンスキー、編集マイケル・カーン、音響ゲイリー・ライドストロム等の功績は計り知れない。でも改めて観るとクライマックスの終盤の戦闘も、人間模様を絡めながら巧く作られていることに気付かされる。
戦闘などは音楽を排し音響のみでリアリズムに徹する一方、スコアの適所への使い方は流石スピルバーグと唸らされる。それによってエンドに流れる「戦没者への讃歌」の崇高さが際立ち、心を鎮める作用をもたらしてくれる。ジョン・ウィリアムズ会心の作。
軍曹サイズモアは適役。以降戦場の補佐役がハマり役となる。小隊連中、ヴィン以外今ではあまり見ないが懐かしい顔触れ。他、ジャマッティは忘れていたし、ブライアン・クランストン出ていたのか!
親しい友人同士だからと、作品で組むことを避けていたハンクスとスピルバーグの相性はやはり良い。2人の第2次大戦への熱量は、この後テレビの場へと移し傑作を放つ。

2023/10/15

2023/10/15

-点

VOD/U-NEXT/レンタル/タブレット 
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生きねば。

「しっかり生きろ」

これをどう言葉に落とし込めというのです?
それこそ"フーバー"です。
16年前、当時高校1年生だった僕は現代文の授業で岡真理「虚構のリアリズム」を読んだ。本作の冒頭・オマハビーチのシーンを題材に「リアルに再現するからこそ実態を強く意識するようになり、それによって虚構であることがますます強化される」といった趣旨の評論文だったと思う。オマハビーチのシーンを授業で観て以降、なんとなく気が進まず観ていなかった。厳密には、オマハビーチのシーンと橋の攻防戦のシーンだけを観たことがあるという一番やってはいけないつまみ食いをやらかしたのである。
だが、現代文も何もかも、実際に観てみればどうでもよくなった。本作のプレミアに招かれたノルマンディ上陸作戦の生存者は「臭いがしないことを除けば、この映像はあの日のものだ」と話したという。僕は戦争を知らないし知りたくもない、が、恐らくそうなのだろう。クライマックスの橋の攻防戦のシーンの途中で、食事のため一度席を外さなければならなかった。無念の中座だったが、振り返ってみればこれは幸いだっただろう。僕はまともにフォークを持てなくなっていた。まるで「日本のいちばん長い日」(1967)で上官を斬った陸軍士官が手の強張りから軍刀を手放せなくなったような体の硬直だった。映画は通しで観るもの、というマナーを念頭においたうえで、それでもあのまま観ていたらどうなっていたことか。僕は「ドイツ兵が来る前に手首を切っていた」かもしれない。それくらい持って行かれたのだ。物陰から姿を現したティーガーⅠとそのキャタピラの音がとても恐ろしかった。
最後に、このような世界情勢で二度と戦争の災禍が訪れないことを祈念しつつ
「願わくは神があなたの悲しみを和らげ、幸せな思い出だけをあなたに残すことを。自由の祭壇に捧げた尊い犠牲、それを誇りとして下さい。
心より敬意をこめて-エイブラハム・リンカーン」

2023/09/09

2023/09/10

75点

購入/DVD 
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目をそむけたくなるようなリアルな戦闘シーンは圧巻。戦争の矛盾そのままともいえる命令。一人の2等兵を帰国させるために前線に赴く8人の兵士。重くのしかかる非道につぶされていく兵士たち。誰が何のために戦うのかさえ見失ってしまう最前線の苛酷。目を背けてはいけないテーマ。

2023/03/12

2023/03/12

70点

テレビ/無料放送 
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右手と空

キャメラは震えている.そこは戦場であり,おおよそ戦闘中でもある.白っぽく透明感のある国旗が見えたかと思うと,白い墓標が並ぶ墓地も現れる.舞台はオマハビーチから始まっている.キャメラの前では多くの者が死を演じている.あるいは敵でもあるドイツ軍に死を与える者を演じている.有名なこの上陸作戦を再現するとき,キャメラに血を飛ばし,その鮮血がレンズに付いたまま撮影することで新たな味を出そうとしており,キャメラの震えもその一連の中で起こっているのかもしれない.
ミラー大尉(トム・ハンクス)の右手は震えている.その原因はわからない.彼は時々戦場で呆然としてしまう.それが爆弾による衝撃に起因するものかも定かでないが,そのとき音響の音量はミラーの聴覚に同調するかのように絞られていく.それもまた戦場への臨場へとつながる演出でもあるのだろう.ミラーは死の間際にもやはり呆然としている.兵役に入る前は高校教師であったことを彼は告白する.そして戦場が彼自身を変えてしまったこと,変えつつあることを部下たちに伝える.部下たちはその呪われた言葉を受け止め,それぞれに死んでいく.ドイツ兵に撃たれ,刺され,ドイツの戦車に砲撃を受け,死んでいく.そうした多くの死に際したのち,攻撃でも防御でもない呆然とする仕草の中でミラーも死んでいこうとする.
参謀本部の司令によりライアン二等兵を救出することになるミラー隊は,異国のこの国土の田園と街とを彷徨い,そこが戦場に塗り替えるようにして,敵や味方と出会いながらも,大した当てもなく進んでいく.偽物にも出会うが,やがてライアン(マット・デイモン)にも出会う.彼は空挺部隊でもあり,まだ戦場に降り立って間もないせいか,戦場にも染まっていない.ミラーの死によって呪いが解かれるように,空には「天使」とも呼ばれる戦闘機が飛んでいく.海を戦場に変え,フランスの地上を戦場に変え,制空権をめぐって,空をも戦場に変えつつある.ライアンの戦場への旅は始まったばかりで帰国しようともしない.キャメラの前から去ることにも応じていないのである.死を与えることも与えられることもないライアンを,生きることに導こうというミラーがいる.ミラーの右手の震えは,彼ではない何者か,例えば観客であり,アメリカに残された何者かが彼に引き金を引くことを躊躇わせようとしている兆候でもあるのだろう.その震えが,キャメラを通じて観客をも震えさせようというのである.

2022/11/05

2022/11/05

80点

その他/TSUTAYA DISCAS 
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二度観でわかったこと

二度観の方が多いですね。私も久しぶりの二度観ですが、主役のトム・ハンクスと激戦の場面しか覚えていない。冒頭の家族での墓参りのシーン、この男は中隊長(トム・ハンクス)orライアン(マット・デイモン)の今の姿?が判然としない。情けない。
激戦場面の激しい映像を見るにつけ、戦争の虚しさだけを感じる。
2度目で改めて分かったこと。
1、題名のプラーベート(private);映画の中で中隊長が探す時「ライアン二等兵」と何度も呼ぶシーンで二等兵の意味もあるのかと調べて見ると、「兵卒」の意味がありました。
2、上陸地の「オマハビーチ」;ノルマンディーはフランスなのにアメリカ読みのビーチがあるのかと調べてみたら、アメリカ軍の5つの上陸地点の一つの場所をコードネームで「オマハビーチ」と読んでいたことでsた。
3、ライアン二等兵を救う意味;最大のポイントですが、ライアン家の男4兄弟は全て戦地に召集されていたこと。兄3人が既に戦死。「一人くらいは助けてやろう」と軍トップの温情。これはこれで立派な考えだが、普通一人は招集しないで残してあげるだろうよ。

2022/10/09

2022/10/10

80点

テレビ/無料放送/BS日テレ 


最高の作品

映画館に次いで2回目の鑑賞。監督スピルバーグ、トム・ハンクス、マット・デイモンときたら、何度でも観たい。
決して、戦争第一主義のアメリカ贔屓な映画では無いと思う(あくまでも感想のひとつ)。こんな酷い戦争はしてはいけない、大切な家族に心配かけてはいけない、をスピルバーグらしいリアリズムで表現した結果だと思う。上映後、似たような作品が発表されていないことからも、その表現の難しさを語っている。