まったくの無関係だった赤の他人が、ある事件をきっかけに出会い、そしてそこから織り成される様々な人間模様。群像劇の定石である典型的なパターンだが、実に描き方が上手い。
ただ単に登場人物を多くすれば群像劇になるというものではなく、重要なのはそのキャラクターにある。登場人物各々の性格、特徴をいかに上手く描いているか。つまり登場人物の中にひとりくらいは観客が共感できるようなキャラクターがいるという手はずだ。そうすることで作品により感情移入することができる。
最初は単に筆者の好きな俳優さんが多数出演しているという理由だけで観たのだが、すっかりとのめり込んでしまった。登場人物それぞれが、決して長いとは言えない出演時間の中で丁寧に丁寧に描かれている。またいかにもアメリカ的なストーリー展開も、多少好き嫌いが分かれるところだが、個人的には無理なく楽しめた。
そして何より本作は、今ではアカデミー賞俳優となったシャーリズ・セロンの記念すべきデビュー作でもある。惜しげもなく完璧なプロポーションを披露し、節々に見える演技のセンス。既にこの頃から大女優の片鱗を見せているのが分かる。