コーラスライン

こーらすらいん|A Chorus Line|A Chorus Line

コーラスライン

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レビューの数

17

平均評点

72.2(156人)

観たひと

295

観たいひと

22

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ミュージカル
製作国 アメリカ
製作年 1985
公開年月日 1985/12/14
上映時間 113分
製作会社 フェーアー&マーティン・プロ(エンパシー・フィルムズ・アソシエイツ/ポリグラム・ピクチャーズ)作品
配給 松竹富士映画
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 70mmワイド(1.2.20)
上映フォーマット 70mm
メディアタイプ フィルム
音声 6chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ブロードウェイのスターを夢見る若きダンサーたちの熾烈なオーディション風景を描くミュージカル映画。1975年4月15日からスタートし今も続演中のマイケル・ベネット原案・振付・演出の同名舞台劇の映画化。製作はサイ・フュアー、アーネスト・H・マーティン、監督は「ガンジー」のリチャード・アッテンボロー。エグゼクティヴ・プロデューサーはゴードン・スタルバーク、脚本はアーノルド・シュルマン、撮影はロニー・テイラー、編集はジーン・ブルーム、振付はジェフリー・ホーナディ、衣裳はフェイ・ポリアキン、指揮・編曲はラルフ・バーンズ、作詞はエドワード・クレバン、作曲はマーヴィン・ハムリッシュが担当。出演はマイケル・ダグラス、アリソン・リードなど。70ミリと35ミリ・シネスコサイズ、ドルビー・ステレオでの上映。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ブロードウェイの売れっ子ディレクターのザック(マイケル・ダグラス)は、近くオープンする新しいショーのため男女4人ずつのコーラス(その他大勢組)を選ぼうと、オーディションを行なうことにした。数百人の若者がこれに応募し、とりあえず16人が残った。ザックはその16人にさまざまな質問を浴びせ、素顔を浮き彫りにしていく。イタリア系のマイク(チャールズ・マクゴアン)は12人兄弟の末っ子、4歳の頃からダンスの虜になった。中産階級出身のボビー(マット・ウエスト)は父と折り合わず生まれ故郷を棄てた。もうすぐ30歳に手が届くシーラ(ヴィッキー・フレデリック)は母の夢をかなえるべくダンサーになったが未だ芽が出ない。ルックスにコンプレックスを持つビビ(ミシェル・ジョンストン)、両親とうまくいかず幻想世界に逃避するマギー(パム・クリンガー)、カップルでオーディションを受けたアル(トニー・フィールズ)とクリスティン(ニコール・フォッシー)、思春期の悩みを打ち明けるマーク(マイケル・ブレヴィンス)、「チビだ、チビだ」とバカにされる中国系のコニー(ジャン・ガン・ボイド)、演劇学校で才能なしと決めつけられたプエルトリコ人のダイアナ(ヤミール・ボージェス)、妻と2人の子供を抱えウエイターのアルバイトに精を出すドン(ブレイン・サヴェージ)、両親が喧嘩ばかりしていたジュディ(ジャネット・ジョーンズ)、高校の頃ホモだと自覚したグレッグ(シャスティン・ロス)、スポーツ・ヒーローだったが実社会では無能だったリチー(グレッグ・バージ)、整形美人のヴァル(オードリー・ランダース)…。そんなオーディション会場にキャシー(アリソン・リード)がかけつけてきた。かつて彼女はザックと恋人同士だったが、女優を夢見てハリウッドヘ行ったが夢破れて古巣に戻ってきたのだ。そんなキャシーにザックが厳しく言い放つ。一度でも主役を張った人間がコーラスに耐えられるはずがない、と。しかし彼女は、自分にはダンスしかないとザックに懇願する。最後は、女性的な容姿のためにいつも女役しか振り当てられないと悩むポール(キャメロン・イングリッシュ)だ。そのポールがルーティンを踊るうち、足の筋を切ってしまった。やがてすべてのオーディションは終り、発表のときがきた。ヴァル、マイク、リチー、ビビ、ダイアナ、マーク、ボビー、そしてキャシーが残った。彼ら8人は明日から本番に向けて、さらに厳しい稽古に入ることになった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1986年3月上旬号

映画「コーラスライン」にひとこと:

外国映画批評:コーラスライン

1986年1月下旬号

外国映画紹介:コーラスライン

1985年12月上旬号

グラビア:コーラスライン

特集 コーラスライン:座談会 淀川長治/中野章三/小藤田千栄子

特集 コーラスライン:評論

1985年11月上旬号

スペシャル・セレクション:86正月映画特集 1 コーラスライン

2019/04/26

2019/04/26

85点

レンタル/東京都/TSUTAYA/SHIBUYA TSUTAYA/DVD 


心躍るミュージカル

ネタバレ

CMなどでよく耳にする『One』のメロディーを聴くと、心が躍る。心どころか体も踊りだしたいくらいだが、残念ながら私は踊れない(笑)。なので、踊れる人にものすごく憧れる。本作に登場する若者たちの躍動する肉体にため息が出る。正確には、彼らの踊りを観ている間は、ただただ口をポカンと開けて見入ってしまい、ため息をつくのは観終わってからなのだが・・・。

ブロードウェイの舞台に立つチャンスを掴もうと、オーディションに挑む若者達。集まった何百人のダンサーたちは、どんどんふるい落とされていく。彼らは名前で呼ばれない、「そこの赤いバンダナ」とか「イエローパンツ」などと呼ばれる。彼らは「とても難しい」「うまく踊れないわ」「今度もきっと受からない」などの焦った気持ちを歌で表現していく。これぞミュージカル映画の醍醐味だ。だが、こんなに必死のオーディションは、主役を掴むためのものではない。単なる「コーラス」のオーディションなのだ。コーラス、モブ、その他大勢。もちろん役名などない。主役の後ろでワル目立ちせず、舞台を引き立てるために踊るのだ。そう、ここでもやっぱり名前では呼ばれないのである。それでも彼らは真剣にオーディションに挑む。その先のチャンスを信じて、あるいは現状を打破したいために。

何百人の中から最終的に絞り込まれた16人が、本作の主人公たちだ。彼らの顔ぶれを見て「多様性」という言葉が浮かぶ。本作の公開当時はまだ差別やLGBT問題は重視されていなかった。白人優位、男性優位がまかり通っている時代だ(余談だが、本作で一番時代を感じる要素は、女性のレオタードがものすごいハイレグなことww)。しかし、ここに登場するダンサーたちは、現在に先駆けて様々な顔を持っている。アングロサクソン系、ユダヤ系、アフリカ系、プエりルトリコ系、アジア系。カップルでオーディションを受ける者、シングルマザー、整形美女、ゲイ・・・etc。コーラスのオーディションなのに、彼らの「個性」を引き出そうとする演出家。「名前」のない彼らの、「肉体」だけでなく「心」や「過去」や「アイデンティティ」が、様々に表立ってくる。そうして我々はいつしか、彼ら全てを応援したくなるのだ。

さて、16人のダンサーたちの物語と並行して、演出家(本作中、ただ1人のスターであるマイケル・ダグラスは、エンドロールで無名のダンサーたちと並列扱いすることを条件にこの役を引き受けた)と昔の恋人の物語も同時進行していく。恋人は、夢を追って彼の元を去り、ラスベガスのショーで主役をはるほどの有名ダンサーとなっていた。しかし、今の彼女は仕事もなく、再出発をかけて、このオーディションを受けようとやって来たのだ。しかし演出家は、偉大なダンサーにコーラスを踊らせることはできないと、彼女を帰そうとするが・・・。すったもんだのあげく、彼女がオーディションを受けることを承知した演出家だが、コーラスの鉄則、上げる足の位置や、傾ける首の角度を揃えることを、彼女に厳しく指導する(彼女はついつい、ラスベガスのショー並みの“魅せるダンス”をしてしまうからだ)。

長い長い一日が終わり、不合格者は肩を落とし、合格者は喜びに顔を輝かす。それぞれがそれぞれに頑張った、不合格者にも拍手を送りたい。ところで、ここでどうしてもヒトコト言いたい、演出家の元カノが合格したことによって、若い人のチャンスを1つ潰したんじゃ・・・www

さて、本作の白眉は実はこの後からだ。舞台でのカーテンコールに相応する、ボーナストラックが実に素晴らしい。『One』に合わせて、ゴールドのゴージャズな衣装を着た17人のダンスは圧巻だ。コーラスとして名もないダンサーたちが、今ここで「主役」として輝くのだ。このダンスシーンを何回も何回も繰り返して観てしまう。そうして私はため息をつく。

本作は言わずと知れたブロードウェイミュージカルの映画化だが、映画オリジナルのダンスナンバーがあったりと、舞台版との違いも楽しい。ミュージカル映画の普及の名作だ。

2019/04/24

70点

選択しない 


ブロードウェイのヒットミュージカル

本場のショービジネスの世界のオーデションの様子が描かれてる内容で、実際に演じたいとかあの役やりたいな的な作りになってるんだよね多分?知らんけど。黒人とか中国人とかユダヤ人とかいろんな人種や世代が役を掴む為サバイバルを繰り広げる感じなんだけどカットして歌う場面ない奴とか受かんないだろう⁇的で笑えた。もう有名だから見るまでもなく分かってるンだよねー笑知らんが。1人だけ舞台と違って落ちる奴が入れ替わるんだよねー。意味ねーわっかんね〜笑!

1986/01/02

2019/04/19

80点

映画館 
字幕


出色の群像劇

やはりこの手の映画は立体音響に包まれた劇場の大きなスクリーンで観てこそ、その面白味や真価を感じられることを再認識。

パワフルな歌声とともに、ステージ上で所狭しと繰り広げられる躍動感に満ちたダンスに圧倒されるミュージカル映画の佳編は、ブロードウェイのシビアなオーディション風景を通して、ステージに人生を賭ける人々の悲喜こもごもが陰影深く伝わってくる出色の群像劇でもあった。

あと、役にはまったM・ダグラスの熱演をはじめ、無名俳優陣の好演が光る。

2018/10/03

40点

選択しない 


お楽しみは最後の群舞のレビューがすべて

 原題"A Chorus Line"で、ミュージカルのコーラス団・ダンサー団のこと。ジェームズ・カークウッド・Jr、ニコラス・ダンテ台本の同名ミュージカルが原作。
 冒頭、ニューヨークの街の俯瞰からオーディション会場へのシークエンスを除くと、ほぼステージシーンしかない。ストーリーも始めから終わりまでディレクター(マイケル・ダグラス)によるコーラスラインのオーディションで、ラストにコーラスラインによる群舞のレビューがあるだけ。
 ただそれだけで、最終選考に残るダンサーたちの人生の一片を摘まんだり、ハリウッドに転身して失敗した女優(アリソン・リード)がコーラスラインで再起を期すエピソードが入るが、どれもドラマとしては中途半端で食い足りない。
 そうなるとコーラスラインの悲哀を描く単なる楽屋ネタでしかなく、あとは踊りのシーンしか見どころがなく、テーマ上、コーラスラインの群舞と多少の個人技を見せるしかない。
 群舞はよく揃っていて、ダンサーたちの身体能力の高さには感心するが、やはりストーリーのないミュージカルというのは決定的なものに欠けていて、フィナーレからエンディングに移る"ONE"でようやく胸のつかえが下りる。(キネ旬10位)

2017/11/10

2017/11/11

70点

レンタル 
字幕


ダンサーの人生

ダンサーの口から人生が語られる。それをどれだけ見ている者が想像できるかで、この映画のドラマ部分が変わってくる。ラストまで平坦なようで実に重い。ラストのコーラスラインは素晴らしい。

1985年

2017/08/11

55点

映画館 
字幕


バックステージものミュージカル

昔なじみの男女が再会し・・・、というストーリーは一応あるが、それはペラペラの包み紙。その他大勢役を選ぶ厳しいオーディション描写が中身。最終候補は精鋭揃い。選考方法が異色で、一人一人に個人史を語らせる。で、下積みダンサーの哀歓が歌とダンスで繰り広げられる仕掛け。

つまりは、個人技を延々と見せられる訳で、ドラマチックな起伏がなく単調。そもそも、オーディションで個人史を語る必然性が全然ない、嘘くさい仕掛けに鼻白む。

いいダンサーを揃えて、観るに耐える出来にはなっております。