秘密と嘘

ひみつとうそ|Secrets and Lies|Secrets and Lies

秘密と嘘

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レビューの数

30

平均評点

76.6(136人)

観たひと

214

観たいひと

41

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ヒューマン / ドラマ
製作国 イギリス
製作年 1996
公開年月日 1996/12/21
上映時間 142分
製作会社 シンマン・フィルム作品
配給 フランス映画社
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSR

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

養子として育てられた女性が実の親を探し、その家族の中に入っていくことから明かされる、家族をめぐる“秘密と嘘”……そこから生まれる新しい家族の姿と和解を描くヒューマン・ドラマ。監督は「ネイキッド」のマイク・リー。いわゆる脚本はなく、シチュエーションとシーンの羅列を記した簡素なメモから、俳優たちとの長期リハーサルでドラマが作られた。製作はリーの製作会社シンマン・フィルムのプロデューサーとして『High Hopes』以来その全作を手掛けるサイモン・チャニング=ウィリアムズ。撮影はリーとは『ライフ・イズ・スイート』(V)以来のパートナーである、「アメリカン・ダンク」などのディック・ポープ。美術のアリソン・シティ、録音のジョージ・リチャーズ、編集のジョン・グレゴリーは「ネイキッド」に引き続いての参加。出演は「リバー・ランズ・スルー・イット」のブレンダ・ブレッシン、『ライフ・イズ・スウィート』(V)に続いて3作目のリー作品への出演となる「シェルタリング・スカイ」のティモシー・スポールほか。96年カンヌ映画祭パルム・ドール、主演女優賞(シンシア・パーリー)、国際批評家連盟賞の三冠を獲得した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ホーテンス(マリアンヌ・ジャン=バティスト)の養母が亡くなり、彼女は生まれてすぐ別れたはずの実の母を探し始める。社会福祉事務所で自分の養子縁組関係の書類を見た彼女は、黒人である自分の実母が白人だという記述に驚く。一方写真家のモーリス(ティモシー・スポール)は姉のシンシア(ブレンダ・ブレッシン)とその娘ロクサンヌ(クレア・ラシュブルック)のことが気掛かりで、妻のモニカ(フィリス・ローガン)と話し合ってロクサンヌの誕生日に二人を新築の自宅に招待することに決める。ホーテンスは実の母の住所を探し当て、悩んだ末に電話する。その実の母こそシンシアだった。彼女は最初は戸惑い、二度と電話しないでというが、やがて会うことを承諾する。待ち合わせ場所で黒人のホーテンスに尋ねられて彼女は驚いた。近くのコーヒーショップで話しているうちに、シンシアはホーテンスを身ごもった時の事情を思い出して泣き崩れ、何も言えなくなった。反抗的なロクサンヌに悩まされていたシンシアは、やがてホーテンスと会うことが嬉しくて仕方がなくなる。彼女はホーテンスをロクサンヌの誕生日に招く。「私の友達ということにしておけば大丈夫よ」。そして誕生日、モニカとロサンヌはシンシアの“友達”に少し戸惑いを見せるが、モーリスは親切だ。パーティーにはロクサンヌの恋人ポール(リー・ロス)とモーリスの助手のジェーン(エリザベス・ベリントン)もいる。やがて誕生ケーキが出てきたころ、シンシアは幸せのあまり、ホーテンスについての真実を打ち明けてしまう。一同は驚き、ロクサンヌは怒って外に飛びだしていく。ポールも後を追う。モーリスがバス停で座っていた姪とその恋人を説得して連れ戻す。シンシアはモニカを、たった一人の肉親モーリスを奪っていったとなじる。モニカは反論できない。モーリスは妻が子供を生めない体であることを明かす。なぜ最も愛し合うべき肉親どうしが傷つけあうのか、と彼は問いかける。そしてホーテンスに「苦痛を承知で真実を追究した君を尊敬する。もちろん君は僕の姪だ。家族として受け入れる」という。シンシアはロクサンヌに彼女の父だった男のことを明かした。彼はアメリカ人の医学生で、いい人だったわ、と。「私の父もいい人だった?」というホーテンスの問いに、シンシアは「それだけは答えられない」と言って泣き崩れた。ある日の午後、ホーテンスとロクサンヌの姉妹は、母のシンシアと共にお茶の一時を楽しむ。「人生ていいわね」とシンシアが呟く。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1997年5月上旬号

劇場公開映画批評:秘密と嘘

1997年1月下旬号

外国映画紹介:秘密と嘘

1997年1月上旬新年特別号

特集 秘密と嘘:作品評

特集 秘密と嘘:マイク・リー監督 インタビュー

特集 秘密と嘘:マイク・リー論

COMING SOON【新作紹介】:秘密と嘘

外国映画紹介:秘密と嘘

2022/05/14

2022/05/14

80点

テレビ/有料放送/WOWOW 
字幕


養母の葬儀が終わったあとに自分を養子に出した実母を探している黒人女性、口うるさい母親と彼女に反発する娘、夫婦仲がギクシャクしている夫婦の5人の話が平行して描かれていく。バラバラだと思っていた登場人物の関係が明らかになって最後のパーティーのシーンで一気にクライマックスを迎える。最初はあり得ないと思っていた母親がある事に気づくシーンが、不運と不幸の連続だったに違いない彼女の人生を垣間見させて印象的。とても素晴らしい映画だった。

2022/01/31

2022/01/31

83点

VOD/U-NEXT/レンタル/PC 
字幕


勇気ー

家族の、秘密と嘘をめぐる物語です。俳優たちの長期リハーサルによるドラマ作りということで、簡単なメモはあっても台本はないそうです。出来上がった作品から、その痕跡を見つけるのは、素人では無理ですが。言えるのは、出演者の演技は確かだ、ということです。声のやや高いブレンダ・ブレッソンは、教養のない母親役を好演して、カンヌでは主演女優賞を獲得しています。人生は、いいわねぇというセリフがこの作品を締めます。

 私は、それ以上に、マリアンヌ・ジャン・バディストの娘が良かったです。この作品を、いやこの家族を動かしていくのは、彼女の勇気です。
 ソーシャルワーカーから告げられる覚悟に深く頷く。冷静な電話の応対。レストランでの初めての出会い。繰り返される出会い。そして、パーティ。母子三人のショット。終始、喜怒哀楽を抑えた落ち着いた演技です。
 特に、クライマックスのパーティシーンでは、一旦は大騒動になりますが、傷ついている家族の面々に次々と勇気をもたらしていくという印象です。

2022/01/23

2022/01/23

75点

レンタル/東京都/ゲオ/ゲオ要町店/DVD 


カンヌ映画祭パルムドール&主演女優賞

最初は人物像がつかめず戸惑ったが、グイグイと引き込まれた。それぞれの人物が痛みを抱えていることを気付かせてくれる作品。探し出した母と待ち合わせて話すシーンは長いワンカットで見せる二人のが演技は素晴らしい。

2021/11/05

87点

レンタル/東京都/TSUTAYA/SHIBUYA TSUTAYA/DVD 
字幕


真実を知ろうとする勇気、秘密を明かす勇気

ネタバレ

検眼士の仕事をしているホーテンスは母親を亡くしたばかりだった。
しかし彼女は自分が養子であることを知っていた。彼女の養父も彼女が幼い時に亡くなっていた。
身寄りのいなくなったホーテンスは自分の産みの親を探し出そうとする。
真実を知ることが決して幸せな結果に繋がるわけではないと知りながらも。
写真スタジオで働くモーリスは妻のモニカと二人暮らし。二人の仲はうまく行っていないようで、モニカは一方的にモーリスに対してピリピリしている。
モーリスの姉シンシアは娘のロクサンヌと二人暮らしをしているが、こちらもあまり仲は良さそうではない。
一方的に喋り通しのシンシアにロクサンヌは苛ついており、恋人のポールが尋ねてきても母親には紹介しようとしない。
シンシアは常に不安定で闇を抱えた人物に思われる。
ここまで登場した彼らの人生がどのように交わっていくのか最初は見当もつかなかった。
少しずつ秘密が明かされていく様は、まるでサスペンス映画を観ているような緊張感があった。
ホーテンスは自分の本当の母親の居所を見つけ出すが、出生証明書に書かれている事柄に驚かされる。
ホーテンスは黒人なのだが、母親の表記は白人になっていた。
そしてその母親はシンシアであった。
シンシアは余程男運が悪かったのか、ロクサンヌも私生児であり、結婚をすることは一度もなかった。
シンシアはホーテンスからの電話を受け、最初は彼女と会うことを拒絶する。
彼女は里親に出した子供がいることを誰にも話していなかった。
彼女は秘密がばれてしまうことを恐れていた。しかし彼女はホーテンスと会うことを決める。
ホーテンスの姿を見た時は、自分の娘だという事実を受け止められなかったシンシアだが、やがて忘れたくもない記憶が甦る。
シンシアはホーテンスに父親のことを聞かれるが、どうしても話せないと拒む。
娘からは愛想を尽かされ、弟のモーリスも自分の元を訪ねてくることはない。
そんな孤独で寂しい毎日を送るシンシアは、やがてホーテンスと会うことが一番の楽しみになる。
いつでもあなたの事を思っているとシンシアはホーテンスに愛情を注ぐ。
そして彼女はモーリスの家で行われるロクサンヌの誕生日パーティーに、ホーテンスを自分の友人として招待する。
しかしそれが思わぬ人間関係の分裂を招いてしまう。
脚本なしの即興芝居で撮られた映画だと聞いて色々と納得した。
静かな映画なのだが場面場面の臨場感が凄い。すべてのドラマがとてもリアルなのだ。
誕生日パーティーで料理を取り囲む彼らのやり取りは、緻密な脚本があったら成り立たないだろう。
あまりにも幸せな時間につい感極まったシンシアは、ホーテンスが自分の娘であることを明かしてしまう。
しかしこのタイミングでの彼女の告白は誰のためにもならなかった。
誕生日パーティーを台無しにされたとロクサンヌはポールを連れて飛び出してしまう。
シンシアはとても弱くて哀れな女性だ。誰かに媚びなければ生きていけないような人間だ。
そこが哀れであり、腹立たしくもある。
彼女が不用意に明かした秘密によって、皆が気まずい思いをしてしまう。
しかし結果的には秘密を明かすことによって、思わぬ形で家族間にあったわだかまりが溶けることになる。
シンシアはモニカに対して、彼女こそ自分から家族を奪った元凶であると逆恨みをしていた。そしてモーリスとの間に子供を作らないことを責める。
しかしモニカは自分が子供を産めない身体であることを初めて告白する。
その秘密がずっと夫婦の間にもわだかまりを作っていたのだろう。
シンシアはロクサンヌに父親のことを明かす。これもずっと今まで隠してきた彼女の秘密だった。
最後までホーテンスの父親の秘密は隠したままだったが。
人間誰しも秘密と嘘はあるだろうし、すべてを明かすことが必ずしも人を幸せにするとは限らない。
しかし大きな秘密はいずれ人を不幸にしてしまうものでもあると思う。
秘密が明かされたことによって、最終的にホーテンスは家族の一員として迎えられる。
それは真実を知りたいと行動を起こしたホーテンスの勇気が起こした結果だと言ってもいい。
ずっとうだつの上がらない男だと思っていたモーリスが、実は一番思いやりがあって暖かい心を持っているというのがとても感動させられた。
本編とは関係ないように見えて、彼がポートレートを撮るシーンが多数挿入されていたのは、後から考えるととても効果的だった。
自分の一番良い部分を写してもらおうとする人、仮面を被っている人、ありのままの姿を写してもらおうとする人、写真を撮ってもらう人の姿は様々だ。
彼らの姿を通して、モーリスという人物の魅力が浮かび上がってきたように思う。
ラストに向けての求心力が凄く、見応えのあるドラマだった。

2021/07/31

2021/07/31

85点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 


孤独な姉と反発する娘、写真屋の弟とその妻、産まれてすぐに養女に出した黒人の娘。
中盤から俄然ミステリータッチになって、成り行きにハラハラしながら物語に引き込まれた。
それぞれの人物描写がとても丁寧なので、遂に訪れる過去の真実に、家族としての反発と戸惑い、そして和解が感動を呼ぶ。
デートにうきうきする母親に、妊娠しないでよと言い放つヤンキー娘が可笑しい。

2021/07/10

2021/07/10

80点

テレビ/有料放送/ザ・シネマ 
字幕


4Kで再見。

12年ぶりか。まったく覚えてなかった。ものすごく新鮮に見れた。いつも録画したものを見るのだがリアルタイムで一瞬たりとも退屈せずに見てしまった。
俳優陣の演技の素晴らしさ、ストーリー展開の見事さ、落ち着いたカメラ等々、誉めたいものはたくさんあるが驚いたのが音楽。
映画のトーンそのもののような沈鬱なメロディをさまざまな楽器が奏でていく。決して説明調にならず扇情に堕すこともない。
アンドリュー・ディクソンという作曲家。
サントラが欲しくなった。