失楽園

しつらくえん|----|----

失楽園

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レビューの数

41

平均評点

62.2(256人)

観たひと

442

観たいひと

13

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / エロス
製作国 日本
製作年 1997
公開年月日 1997/5/10
上映時間 119分
製作会社 角川書店=東映=日本出版販売=三井物産=エースピクチャーズ
配給 東映
レイティング R指定
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSR

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督森田芳光 
脚本筒井ともみ 
原作渡辺淳一 
製作総指揮角川歴彦 
プロデューサー原正人 
永井正夫 
撮影高瀬比呂志 
美術小澤秀高 
音楽大島ミチル 
音楽プロデューサー石川光 
録音橋本文雄 
音楽録音伊藤圭一 
音響効果伊藤進一 
照明小野晃 
編集田中愼二 
スタイリスト松井律子 
助監督杉山泰一 
スクリプター森永恭子 
スチール安保隆 
視覚効果大屋哲男 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演役所広司 久木祥一郎
黒木瞳 松原凛子
星野知子 久木文枝
柴俊夫 松原晴彦
寺尾聰 衣川和記
平泉成 水口吾郎
木村佳乃 知佳
岩崎加根子 三浦節子
中村敦夫 小畑常務
小坂一也 鈴木
あがた森魚 横山
石丸謙二郎 村松
原千晶 宮田秀子
金久美子 今井美都里
速水典子 水口雅代
村上淳 
井上肇 水口の部下
ローガン・ピーク アンリ
銕仙会 薪能

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

閑職に追いやられた中年サラリーマンと、冷めた夫婦関係に体を持て余した人妻が、激しい恋におちて情事を重ねていく姿を描いた性と愛のメロドラマ。監督は「(ハル)」の森田芳光。渡辺淳一による同名ベストセラーを、「119」の筒井ともみが脚色。撮影を「不法滞在」の高瀬比呂志が担当している。主演は「シャブ極道」の役所広司で、本作と「うなぎ」を合わせて、キネマ旬報主演男優賞を2年連続で受賞した。共演は「藏」の黒木瞳。日本で公開されたR指定版では、過激な絡みのために濡れ場シーンを暗くプリントしていたが、海外向けヴァージョンでは修正部分をオリジナルの形に戻し、成人指定として公開された。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

出版社の敏腕編集者だった久木祥一郎(役所広司)は、ある日突然、編集の第一線から閑職の調査室配属を命じられた。そんな久木の前に、彼の友人・衣川(寺尾聰)が勤めるカルチャーセンターで書道の講師をしている松原凛子(黒木瞳)という美しい人妻が現れる。彼女は“楷書の君”と呼ばれているほど折り目正しく淑やかな女性だったが、久木の強引でひたむきな恋の訴えに、やがて彼を受け入れた。そして、週末毎に逢瀬を重ねていくうちに、凛子はいつの間にか性の歓びの底知れない深みに捕われていく。ふたりの関係は次第にエスカレートしていき、凛子の養父が死んだ通夜の晩、久木にせがまれた凛子は、夫や母親の眼を逃れて喪服姿のままホテルで密会した。凛子は罪悪感にさいなまれるが、それはかえってふたりの気持ちを燃え上がらせる。やがて、久木は密かに都内にマンションを借り、凛子との愛の巣を作り上げた。しかし、そうした大胆な行動は隠し通せるものではなく、凛子の夫・晴彦(柴俊夫)は興信所の調査で妻の不貞を知る。晴彦はあえて離婚しないことで凛子を苦しめようとし、一方、久木の妻・文枝(星野知子)は静かに、しかしキッパリと離婚してほしいと要求した。家庭や社会からの孤立が深まっていくなか、それでもふたりは逢うことを止めようとはせず、世間並みの日常が失われていく分だけ、ふたりだけの性と愛の充足は純度を増していく。そんな折、久木の会社に彼の行状を暴く告発文が送られてきた。久木は、それをきっかけに辞職を決意し、文枝との離婚も承諾する。凛子もまた晴彦や実母との縁を切って、久木のもとに走った。「至高の愛の瞬間のまま死ねたら」という凛子の願いに共感するようになった久木は、誰にも告げず、ふたりでこの世を去ろうと決意する。雪深い温泉宿へ向かった久木と凛子は、生命を絞るように激しく求め合ったまま、互いに毒の入ったワインを口にした。後日発見されたふたりの心中死体は、局所が結合したままの愛の絶頂の瞬間の姿であった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

臨時増刊2012年5月11日「映画作家 森田芳光の世界」

森田芳光監督全映画 森田が語る27本 森田芳光監督 自作を語る/スタッフ&キャスト データ/作品解説:「失楽園」

1997年8月下旬上半期決算号

上半期決算特集 '97年上半期映画界の話題:「失楽園」大ヒット

1997年8月上旬号

日本映画紹介:失楽園

1997年7月下旬号

HOT SHOTS:「失楽園」100万人動員記念パーティー

劇場公開映画批評:失楽園

1997年5月下旬号

特集 失楽園:森田芳光監督インタビュー

特集 失楽園:作品評

特集 失楽園:渡辺淳一原作の映画化作品

特集 失楽園:原正人(プロデューサー)インタビュー

1996年12月上旬号

HOT SHOTS:「失楽園」製作発表

2025/11/14

2025/11/15

80点

映画館/東京都/国立映画アーカイブ 


無駄のない大人の映画

ネタバレ

予想とは違い、スタッフの頑張りが絵に出ていてすごく良かった。脚本も良く無駄のない大人の映画だった。いや、無駄なところに味わいがあり、映画に深みがあった。
黒木瞳の脱ぎっぷりも良い。
マイナスはラストの美化された心中のみ。原作だから仕方ないが、生き抜いてほしかった。

2024/12/19

2024/12/19

65点

購入/ブルーレイ 


イマイチな作品

森田芳光監督演出なので安心して観られる。しかし題材的に好みでない作品。

2023/03/04

2023/03/04

52点

選択しない 


洞穴

水は低きに流れ、飛沫を浴びて融解する。

2022/01/18

2022/01/19

72点

その他/ホームシアター 


ヒットを狙う

久しぶりの再見。

大ベストセラーの映画化、絶妙のキャスティングを得て、森田芳光としては大ヒットを狙った映画であるが、その通り大ヒットして、後にテレビドラマ化もされた。
共に家庭を持つ二人の男女が、お互いに惹かれて、求めあう。普通なら、そういった状況で発現する障害(妻(夫)に対する罪悪感、世間に対する引け目)と主人公との軋轢が、ドラマを生み出し、そのドラマを軸に物語が進むのだが、映画はそうなっていない。主人公である久木も凛子も、二人の関係を積極的に隠そうともせず、むしろ自らの想いに忠実に生きようとする。彼等にとって、周りは全く眼に入らないようである。従って、映画としては、際立ったドラマはなく、むしろ熱い二人の想いを中心に、物語が展開する。森田芳光は、この荒唐無稽な物語を映画化するにあたって、徹底してドラマを排して、二人の想いだけに絞り込むことで、ある種のメルヘンとし、映画として成立させる道を取っている。それは、ある意味では正解であり、また一方で、食い足りないところにもなっている。
確かに、「幸せすぎて怖い」から心中するという展開を観客に映像で納得させるには、映画の中身を非現実的にしなくては難しい。しかし、一方で、非現実的な物語は、娯楽作としては受け入れられない。それを両立させるために、主人公二人の愛情に絞り込みんだのだろう。これをもっと非現実化してしまうと、「髪結いの亭主」になり、面白みが出てくる。ドラマを盛り込むと、何だか2時間ドラマのような安っぽいものとなってしまう。そういう意味では、ギリギリの選択かも知れない。
森田芳光の演出は、今作でも冴えている。どうやら、スランプは完全に脱出できたようだ。全編を通じて、役者の表情を見せるカットが多いが、伊丹十三とは違い、あっさりした感じが強く出るのは、カットを非常に細かく割っているからであろう。カット割りを細かくすることで、画面にリズムも出ている。カットの間に挿入されるモノクロの画面も、非常に魅力的だ。(最初の逢瀬、義父の死んだ日の逢瀬)また、カメラも、フィックスよりも、移動を多用することで、画面に変化を持たせてる。(移動では、海に浮かんだ島を背景にしたお風呂場でのSEXシーンで、カメラが回るところ、久木と娘が会話するところをクレーンで撮ったシーン)また、美術もいつもの森田作品らしい無機質な感じがいい。(特にラストの心中場面での部屋)ドラマのない映画を持たせているのは、彼の演出だ。

2021/12/17

2021/12/17

63点

テレビ/有料放送/WOWOW 


また観た

黒木瞳が話題になったが、残念ながらこの役には向いていないように思う。

2021/10/04

2021/10/04

70点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


森田芳光70祭特集で再見。
赤襦袢のエピソードは出て来なかった。
作品は渡辺淳一の妄想小説を森田芳光監督と筒井ともみ氏の脚本で味わいのある大人の恋愛映画になった。
心中も今の時代では逆に新鮮。
役所広司と黒木瞳の役者魂を垣間見る作品。
最後の晩餐が、鴨とクレソンの鍋なのは微妙。