激突!

げきとつ|Duel|Duel

激突!

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レビューの数

105

平均評点

77.6(739人)

観たひと

1213

観たいひと

49

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー / スリラー / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1972
公開年月日 1973/1/13
上映時間 89分
製作会社 ユニヴァーサル映画配給
配給 CIC
レイティング
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

車を連転する人間なら少なからず経験する大型トラックの無謀運転ぶりを自ら体験しヒントに執筆したリチヤード・マチソンが、ハイウエイでのトラブルが殺意にまで発展する現代の恐怖をスリリングに描く。製作はジョージ・エクスタイン、監督はスティーヴン・スピルパーグ、原作・脚本はリチャード・マシスン、撮影はジャック・マータ、音楽はビリー・ゴールデンバーグ、編集はフランク・モリスが各々担当。出演はデニス・ウィーバー、ジャクリーヌ・スコット、エディ・ファイアーストーン、ルー・フリッゼル、ルシル・ベンソン、キャリー・ロフティンなど。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

デビッド・マン(デニス・ウィーバー)は、知人から借金を取りたてるために、高速伝いにカルフォルニア州を南に向っていた。その途中、40トンタンク・ローリーに道をはばまれたマンは、アクセルを踏んでタンク・ローリーを追い抜いた。これが事件の発端だった。タンク・ローリーは轟音をたてて抜きかえすとデビッドの車すれすれにまわり込み、再び前方をふさいだ。この無鉄砲な運転ぶりに腹を立てたデビッドはタンク・ローリーを追い抜き、スピードをあげてタンク・ローリーとの距離をできるだけあけようとした。数分後にデビッドはガソリン・スタンドで給油している間に妻(ジャクリーヌ・スコット)に電話し、昨晩議論したことについて話しあった。スタンドを発車して間もなく、例のタンク・ローリーがなおも追いかけてくるのに驚ろいた。やがてタンク・ローリーはデビッドの車を追い越し、スピードを落して道をふさぐ。こんなことをしていたのでは約束の時間に間にあわない。狭い先の見えないカーブにさしかかった時、運転手(キャリー・ロフティン)は手を振ってデビッドに追い越しをゆるす。彼が隣りのレーンに乗り入れ、角を曲がると、青いセダンが矢のように向ってくる。一瞬のうちにデビッドは元のレーンに車を戻し、数インチの差で対向車をかわす。デビッドは運転手が明らかに殺意を抱いていることに気づき茫然とする。ドライブ・インに入り、気をしずめたデビッドの眼は駐車場に止まっているタンク・ローリーに釘づけになった。運転手の顔は判らなかったが、こちらを向いてニヤニヤ笑っている男に喰ってかかった。だが一瞬殴りとばされたのはデビッドの方だった。再び旅は始まった。途中、悪路に車輪をとられたスクール・バスに合い、後から押したものの彼の車の馬力では動きそうになかった。ふと気がつくといつの間にかタンク・ローリーが迫ってぎていた。あわてて逃げだしたデビツドが、ふり返ると、タンク・ローリーがバスを押して道路に戻してやっているところだった。デビッドはその隙に目的地へと急ぐ。突然、踏切で列車の通過を待っていたデビッドの車にトラックが体当りをかけてきた。40トンの車に後から押されては、いくらプレーキを踏んでも乗用車は前に押しだされる。デビッドの車は徐徐に列車に近づいてゆく。間一髪で列車をやり過ごし、踏切から飛ぴだしたデピッドの車の横を、タンク・ローリーは何ごともなかったように走り去った。恐怖を感じたデビッドは、次のガソリン・スタンドで給油をすると、公衆電話で警察に通報しようとしたが、ボックスめがけてタンク・ローリーが飛び込んでくる始末だった。やがて、坂にかかり、デビッドドの車は白煙をふきあげながらスピードが落ちていった。以前、ラジエター・ホースを取りかえる必要があるといわれていたことを忘れていたのだ。もはやこのままでは走れない。このままでは確実に追いつかれる。デビッドは脇道にそれ、崖の一歩手前でタンク・ローリーを待ち構えた。数分後、タンク・ローリーはデピッドの車めがけて走ってきた。デビッドはタンク・ローリーめがけて車を走らせ激突寸前のところで飛びおりた。タンク・ローリーは、車と共に崖下に落ていった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2010年9月上旬号

午前十時の映画祭:「12人の怒れる男」「激突!」

2001年11月下旬号

特集 「ロード・キラー」:「激突!」「ヒッチャー」を継承する本格派スリラー

1974年2月上旬決算特別号

特別グラビア 外国映画ベスト・テン:スケアクロウ/ジョニーは戦場へ行った/ブラザー・サン、シスター・ムーン/ジャッカルの日/ポセイドン・アドベンチャー/マクベス/探偵-スルース-/激突!/L・B・ジョーンズの解放/ラストタンゴ・イン・パリ

1973年2月下旬号

映画批評:激突!

1973年2月上旬決算特別号

外国映画紹介:激突!

1973年1月下旬正月特別号

特別ディスカッション 映画「フォロー・ミー」「激突!」とCICをめぐる綜合的研究:石上三登志×小野耕世×双葉十三郎×渡辺武信×黒井和男×白井佳夫

激突!/プリムス・ヴァリアントとトレーラー・タンクの学習:

シナリオ:激突!

1973年1月上旬新年特別号

キネ旬試写室:激突!

2023/11/26

2023/11/26

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


物質性と精神性との干渉具合

人間は車ほどには強くない.物理的にも車には負けてしまうので,マン(デニス・ウィーバー)はトレーラーに轢かれないように逃げなければいけないし,人間には精神らしきものが備わっているため,情況に応じて調子が変わったり調子が狂ってしまう弱さがある.車は,乗っている運転手の精神にも影響をされるが,このトレーラーには怒りのような精神も見えているが,運転手はほとんど見えてこない.薄汚れ,錆びついたトレーラーは,大きなタンクを牽引しており,タンク後面には「FLAMMABLE」(可燃性)の文字が見えている.そして,調子を落としたスクールバスをこのタンクローリーが後ろから押してあげている姿には優しさすら漂っている.
車に搭載されたキャメラは,移動撮影をしている.冒頭でキャメラは車外の前面バンパーあたりの低いポジションに据えられている.キャメラが野外に固定された時,はじめてマンが運転する赤い車が映り,その運転席が映される.カーラジオからはさまざまな情報が流れてくる.野球の結果,国勢調査の回答項目のことなどなど,薄く色のついたサングラスをかけ,高慢にも見える運転席のマンはラジオにもっと別のことを話すように文句を言っている.
あたりは荒野でもある.マンはスタンドで妻に電話をしている.妻はスティーブという男にレイプされかけたと電話口で訴えている.その話はどうでもよいにしても,マンはひとりで運転をしているためか,ひとりごとを声に出してしゃべっているし,立ち寄ったカフェでも精神を露にするかのように心の声が聞こえてくる.その開陳に合わせカフェの外側にかけられたOPENの文字とその先に停車している例のトレーラーが見えており,マンの座るカフェの席の壁には,その文字の影が映っている.
マンの車の時速は100マイルの限界に達しようというのに,トレーラーはクラクションを鳴らし続けて,赤い車のすぐ後ろから煽ってくる.トレーラーは前に出るとマンを追い抜かせないように故意が見える妨害をしてくる.荒野を走っていても,ロードサイドには,やや滑稽な情景が映ってくる.立ち往生したスクールバスには,10人ほどの子供がバスの運転手とともに路肩でたむろしている.その子供やバスの運転手も調子を崩したマンには不快な存在に見えている.踏切で停止すると貨物列車が走り過ぎるが,その姿や音にはあのトレーラーに通じる悪意も見えている.あるスタンドでは,戯れのようにガラガラヘビや大きなクモを飼育している.そのケージはマンが通報した電話ボックスともども突っ込んできたトレーラーによって破壊されてしまう.赤い車の男は口の中を切ったのか血を流し,ラジエーターホースの故障で赤い車は峠の頂上に差し掛かり,今にも停止しようとしている.マンの精神的な失調が,彼を取り巻く物理的な情況をも変容させようというのだろうか.
スピードメーターの頂上には60マイルの目盛がある.その「60」の文字は,マンがかけるサングラスが描くふたつの円と同調しているかに見えてくる.可燃性のタンクを引いていたトレーラーは,崖から転落しても期待通りには点火し,爆破しない.マンの背景には沈みゆく赤い夕陽が見えている.そこに赤い車とともに燃えていた彼の精神が染まっていった赤い黄昏も映り込んでいるかにも見えている.

2023/10/22

82点

選択しない 


日常に潜む恐怖

ネタバレ

日常がちょっとした出来事で恐怖に彩られる事になるサスペンスを描いた傑作でスティーブン・スピルバーグが世に出た作品。この場合、車でタンクローリーを追い抜いたばかりに執拗に追われ、煽られ、殺されそうになる。
 上手いのは運転手が手しか見えないところで、主人公には休憩のレストランでも誰がその運転手なのかわからないので話し合いもできない。やがてタンクローリーそのものが生命を持った怪物のような錯覚を起こす怖さがある。
 ラスト、主人公がタンクローリーを崖上から落とし狂喜した後、漂う虚無感も中々良い。

2023/09/23

2023/09/23

-点

VOD/U-NEXT/レンタル/タブレット 
字幕


心技一体

「頼む!速く…速くっ!」

いや、スピルバーグ天才だろ。
開始早々、家を出てから市内の道路を抜け、ハイウェイから国道へ。人の行き来は次第にまばらになり、ラジオの音声だけが鳴り響く…このカットだけでも「この後何が起こるんだろうか?」と想像を掻き立てられる。そう思っていたら錆びついたディーゼルトラックがノロノロと走っており、後ろ姿からその全貌をカメラがヌルヌルと抜き出すのである。何年目の監督がこのカットを撮影したのか?信じ難いことに、この作品の監督はこれが映画監督としては処女作なのだ。
今で言うところの「煽り運転」を題材にした本作だが、とにかくトラックだ。運転手は姿を見せないし、当然声も発しない。だから何を考えているかも分からない。運転手が姿を見せない分、トラックそのものがまるでひとつの生き物のように見えてくるのがなんとも恐ろしい。そしてこの運転手の運転スキルがとんでもなく高い。狭い道路でのUターンを当たり前のようにするわ、ピンポイントで電話ボックスを吹き飛ばすわ。MTでよくここまでやるものだと逆に感心してしまった。
余談だが、今年3月にスピルバーグ監督は自叙伝ともいうべき作品「フェイブルマンズ」を公開した。クライマックスに主人公はある人物からある薫陶を受けるのだが、それが念頭に入っていると、「ああ、なるほど」と妙に腹落ちするのだった。
人間、どこで恨みを買うか分からない。人付き合いにはくれぐれもご注意を。

2023/09/18

2023/09/18

80点

テレビ 


デュエル

スティーブン・スピルバーグ監督の名が知れ渡るきっかけとなった初期作品。

今で言ったら煽り運転なのだろうが、そんな言葉もなかった時代に主人公の車を執拗に追いかけてきて果ては殺そうとまでするタンクローリーの恐ろしさがハンパではない。運転手の顔を一切映さないことも無機質な怪物のようなイメージを抱かせて恐怖感に拍車をかける。主人公が考えすぎて自分で自分の首を絞めるように追い込まれていくくだりは非常にリアリティがあって面白いと思う。対決して最終的にタンクローリーもろとも崖に突き落としてしまう主人公もすごい人物だと思うが…。

ワンテーマでシンプルに作り上げた見事なアクション映画。原作ものながら、スピルバーグ監督の目の付け所の巧みさが光る。ラストのスローモーションの転落シーンは見応え大アリ。

2023/08/26

2023/08/26

-点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


スピルバーグの限界

終わりを知ってると90分は長い。
カルトムービーって言うほど、何かを感じさせてくれる映画でもない。
低予算で作ったのは評価するが、スピルバーグはこの時から何も進歩も感じられず。

2023/08/02

2023/08/02

75点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


あおり運転の恐怖

スピルバーグの出世作。登場人物はほぼ“私”だけ。車を運転する私とそれを追ってくる大型タンクローリー。
タンクローリーの運転手は登場しない。故に顔の見えない恐怖が迫る。
前にテレビで3度ぐらい見ているので新鮮味はなかったが、バスを押す場面とか、踏切で後から押す場面、ガソリンスタンドの突っ込みなど覚えていなくて、ほとんど結末しか覚えていないことが分かった。
トラックがまるで生き物のように息づくところはトラックという生物が存在するような錯覚さえ覚える。ラストの車の有り様は人間で言えばヘロヘロ、ヨレヨレという感じ。