砂の器(1974)

すなのうつわ|The Castle of Sand|The Castle of Sand

砂の器(1974)

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レビューの数

93

平均評点

81.5(554人)

観たひと

764

観たいひと

50

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー / 文芸
製作国 日本
製作年 1974
公開年月日 1974/10/19
上映時間 143分
製作会社 松竹=橋本プロダクション(製作協力 シナノ企画=俳優座映画放送)
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督野村芳太郎 
脚本橋本忍 
山田洋次 
原作松本清張 
企画川鍋兼男 
製作橋本忍 
佐藤正之 
三嶋与四治 
製作補杉崎重美 
撮影川又昂 
美術森田郷平 
装置若林六郎 
装飾磯崎昇 
音楽監督芥川也寸志 
録音山本忠彦 
調音吉田庄太郎 
照明小林松太郎 
編集太田和夫 
衣裳松竹衣裳 
作曲・ピアノ演奏菅野光亮 
指揮熊谷弘 
演奏・特別出演東京交響楽団 
製作主任吉岡博史 
進行長嶋勇治 
助監督熊谷勲 
スチール金田正 
効果福島幸雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演丹波哲郎 今西栄太郎
森田健作 吉村正
加藤剛 和賀英良
加藤嘉 本浦千代吉
春日和秀 本浦秀夫
島田陽子 高木理恵子
佐分利信 田所重喜
山口果林 田所佐知子
緒形拳 三木謙一
松山省二 三木彰吉
内藤武敏 捜査一課長
稲葉義男 捜査一課係長
穂積隆信 新聞記者・松崎
夏純子 女給・明子
松本克平 三森署々長
花澤徳衛 安本
笠智衆 桐原小十郎
春川ますみ 女中・澄江
渥美清 ひかり座・支配人
菅井きん 山下お妙
殿山泰司 のみ屋・主人
野村昭子 若葉荘の小母さん
浜村純 巡査
芥川也寸志 
信欣三 国語研究所所員桑原
山谷初男 岩城署署長
ふじたあさや 鑑識課技師

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

迷官入りと思われた殺人事件を捜査する二人の刑事の執念と、暗い過去を背負う為に殺人を犯してしまう天才音楽家の宿命を描くサスペンス映画。原作は松本清張の同名小説。脚本は「日本沈没」の橋本忍と「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」の山田洋次、監督は「東京ド真ン中」の野村芳太郎、撮影も同作の川又昂がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

六月二十四日早朝、国鉄蒲田操車場構内に扼殺死体が発見された。被害者の年齢は五十~六十歳だが、その身許が分らず、捜査は難航をきわめた。警視庁の今西栄太郎刑事と、西蒲田署の吉村正刑事らの必死の聞き込みによって、前夜、蒲田駅前のバーで被害者と酒を飲んでいた若い男が重要参考人として浮かび上った。そしてバーのホステスたちの証言で、二人の間に強い東北なまりで交わされていた“カメダ”という言葉に注目された。カメダ……人の姓の連想から東北各県より六十四名の亀田姓が洗い出されたが、その該当者はなかった。しかし、今西は「秋田県・亀田」という土地名を洗い、吉村とともに亀田に飛ぶが、手がかりは発見できなかった。その帰途、二人は列車の中で音楽家の和賀英良に逢った。和賀は公演旅行の帰りらしく、優れた才能を秘めたその風貌が印象的だった。八月四日、西蒲田署の捜査本部は解散、以後は警視庁の継続捜査に移った。その夜、中央線塩山付近で夜行列車から一人の女が白い紙吹雪を窓外に散らしていた。その女、高木理恵子を「紙吹雪の女」と題し旅の紀行文として紹介した新聞記事が、迷宮入りで苛だっていた吉村の触角にふれた。窓外に散らしていたのは、紙なのか? 布切れではなかったか? 早速吉村は、銀座のクラブに理恵子を訪ね、その事を尋ねるが、彼女は席をはずしたまま現われなかった。だが、その店に和賀英良が客として現われた。和賀英良。和賀は音楽界で最も期待されている現代音楽家で、現在「宿命」という大交響楽の創作に取り組んでいる。そしてマスコミでは、前大蔵大臣の令嬢田所佐知子との結婚が噂されている。八月九日。被害者の息子が警視庁に現われた。だが被害者三木謙一の住所は、捜査陣の予測とはまるで方角違いの岡山県江見町で、被害者の知人にも付近の土地にもカメダは存在しない。しかしそれも今西の執念が事態を変えた。彼は調査により島根県の出雲地方に、東北弁との類似が見られ、その地方に「亀嵩」(カメダケ)なる地名を発見したのだ。なまった出雲弁ではこれが「カメダ」に聞こえる。そして三木謙一はかつて、そこで二十年間、巡査生活をしていたのだ……。今西は勇躍、亀嵩へ飛んだ。そして三木と親友だった桐原老人の記憶から何かを聞きだそうとした。一方、吉村は山梨県塩山付近の線路添いを猟犬のように這い廻って、ついに“紙吹雪”を発見した。それは紙切れではなく布切れで、被害者と同じ血液反応があった。その頃、とある粗末なアパートに理恵子と愛人の和賀がいた。妊娠した彼女は、子供を生ませて欲しいと哀願するが、和賀は冷たく拒否するのだった。和賀は今、佐知子との結婚によって、上流社会へ一歩を踏み出す貴重な時期だったのだ。一方、今西は被害者が犯人と会う前の足跡を調査しているうちに、妙に心にひっかかる事があった。それは三木が伊勢の映画館へ二日続けて行っており、その直後に帰宅予定を変更して急に東京へ出かけているのだ。そして、その映画館を訪ねた今西は重大なヒントを得た……。本庁に戻った今西に、亀嵩の桐原老人から三木の在職中の出来事を詳細に綴った報告書が届いていた。その中で特に目を引いたのは、三木があわれな乞食の父子を世話し、親を病院に入れた後、引き取った子をわが子のように養育していた、という事だった。その乞食、本浦千代吉の本籍地・石川県江沼郡大畑村へ、そして一転、和賀英良の本籍地・大阪市浪速区恵比寿町へ、今西は駆けめぐる。今や、彼の頭には、石川県の片田舎を追われ、流浪の旅の末、山陰亀嵩で三木巡査に育てられ、昭和十九年に失踪した本浦秀夫と、大阪の恵比寿町の和賀自転車店の小僧で、戦災死した店主夫婦の戸籍を、戦後の混乱期に創り直し、和賀英良を名乗り成人した、天才音楽家のプロフィルが、鮮やかにダブル・イメージとして焼きついていた。理恵子が路上で流産し、手当てが遅れて死亡した。そして、和賀を尾行していた吉村は理恵子のアパートをつきとめ、彼女こそ“紙吹雪の女”であることを確認した。今や、事件のネガとポジは完全に重なり合った。伊勢参拝を終えた三木謙一は、同地の映画館にあった写真で思いがけず発見した本浦秀夫=和賀英良に逢うべく上京したが、和賀にとって三木は、自分の生いたちと、父との関係を知っている忌わしい人物だったのである。和賀英良に逮捕状が請求された。彼の全人生を叩きつけた大交響曲「宿命」が、日本音楽界の注目の中に、巨大なホールを満員にしての発表の、丁度その日だった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2018年8月上旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第2弾 1970年代日本映画ベスト・テン:ベスト15グラビア解説

2005年12月上旬号

巻末スペシャル 感動∞倍増 本を観る、映画を読む! “映画×本”で広がるストーリー:紹介作品『対岸の彼女』『春、バーニーズで』『センセイの鞄』「理由」『巷間百物語~狐者異~』「自由戀愛」「深紅」「天国の本屋~恋火」「八つ墓村」「蒲田行進曲」「砂の器」「天城越え」「ゼロの焦点」「ライディング・ザ・ブレッド」

2005年9月上旬号

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1975年2月下旬決算特別号

特別グラビア 日本映画ベスト・テン:サンダカン八番娼館 望郷/砂の器/華麗なる一族/青春の蹉跌/竜馬暗殺/わが道/仁義なき戦い頂上作戦/襤褸の旗/赤ちょうちん/妹

特別グラビア 読者のベスト・テン 日本映画:砂の器/サンダカン八番娼館望郷/青春の蹉跌/津軽じょんがら節/竜馬暗殺/仁義なき戦い頂上作戦/赤ちょうちん/妹/男はつらいよ・寅次郎恋やつれ/日本沈没

1974年12月上旬号

映画批評:砂の器

1974年11月下旬号

日本映画紹介:砂の器

1974年11月上旬号

グラビア:完成した「砂の器」

1974年6月下旬号

グラビア:野村芳太郎監督 「砂の器」

1969年1月上旬新年特別号

シナリオ:砂の器

2024/05/31

2024/05/31

90点

VOD/U-NEXT 


面白かった

丁寧につくられていて、ともて良かった。
演出、シナリオも悪くないが、もう少しテンポ良くすることもできるのかな!?これは、個人の好みかも。
ラストに向けての演奏と回想シーンが非常に良かった。

2024/02/11

2024/02/11

95点

映画館/東京都/新文芸坐 


実写化した松本清張の最高傑作

5年ぶりに観た「砂の器」。それまでの10年くらいは2年おきくらいに観ていて若干見飽きた感じもあったが、5年も経つとかなり新鮮な感じだった。
約3年のコロナ禍を経験したこともあってか特に人の孤独や第三者からの温かさが妙に心に沁みる。

あと今回は意思の強そうな表情のできる秀夫役の少年をよく見つけてきたなあ、ってことに改めて感心。
秀夫と父が別れる驛での抱擁シーンには今更ながら泣いてしまった。

そして改めて観ると島田陽子かわいい!
この島田陽子が亡くなるシーンって和賀英良が「宿命」を披露するシーンの直前なんだよね。
いつも島田陽子のシーン遅いな、って感じてしまう。何度も観ているのになんでだろう…。

2023/08/14

2023/08/15

90点

VOD/U-NEXT 


シンクロ度

加藤嘉の慟哭と緒形拳の表情に胸が締め付けられる。
四季の情景に情念を滲ませた川又昂のカメラは邦画史上屈指の雄大さ。それに加え芥川也寸志による圧巻の音楽。日本人でこのスケール感を出せる作曲家はそうそういないだろう。画と音楽がこれ程までに見事に融合した映画は稀ではないか。

2023/08/10

2023/08/10

83点

選択しない 


「宿命」の出だしを聴くだけで。

ネタバレ

学生の頃、劇場で観てコンサートと親子の旅を重ね合わせた後半に感動し過ぎて過呼吸を起こし、死にそうになった。それぐらい音楽と映像が素晴らしかったのだ。大人になり、テレビでビデオ鑑賞して「あれっ?」となった。前半の、証拠を電車から撒き散らす女とそれが記事になる辺りのご都合主義的展開が気になって最後まで尾を引いてしまった。それにやはり映画館の大スクリーンで観てこその感動だったと思い知った。
そして今回、DVDで鑑賞、テレビも画質良く少し大きくなった分、後半は感動した。もう「宿命」の出だしが流れただけで泣けてくるようになってしまった。パブロフの犬状態だ。加藤嘉の嗚咽にもいつもやられる。前半部分はやはり気になるが後半でそれを凌駕する。やはり名作。

2023/04/30

100点

選択しない 


日芸不合格

高三の時、日大芸術学部映画学科監督コースを受験、一次の筆記は余裕だったが、二次の面接で落とされた。
面接前に廊下で郷里の大濠高校出身の先輩と廊下の長椅子で控えていた時、目の前を当時大人気だった劇作家つかこうへい氏がこちらに向かって歩いてきた。
私は名前は知っていたが顔は知らなかった。
しかし、付近の受験生や学生が「あっ、つかこうへいだ」と口々に言っていたので私も気づいた。
そして、つかこうへい氏は通る際にこう言った。
「僕はつかこうへいじゃないよ。つかふこうへいだよ。」

このエピソードを思い出した理由は簡単。
好きな日本映画に「砂の器」をあげたら、面接官から「監督、原作、脚本、撮影、音楽を担当したのはそれぞれ誰」って聞かれたから、すべてばっちり答えたにもかかわらず、不合格にされたからだ。
大濠高校出身の先輩(ちなみに私は別の高校の出身だ)曰く、「ここは金持ちの次男じゃないと合格しないよ。」と言われていたが、確かに面接でも同じ事聞かれた。
ウソをついてもしょうがないから、普通の家庭の長男だと答えたら案の定落ちた。
もし受かっていたら今頃私も巨匠と呼ばれる身分だっただろうに。
というわけで、私の不合格は同時に日本映画界にとって貴重な人材を一人失った瞬間だった。

2023/02/04

2023/02/12

70点

テレビ/有料放送/WOWOW 


1974年のキネ旬脚本賞

公開時以来久々に観た。殺された男の「カメダ」という発言を手掛かりに足を棒にして全国を捜査する刑事たち(丹波哲郎と森田健作)の執念。ハンセン氏病を患った父(加藤嘉)とその子和賀英良の全国放浪の旅、そして別れのシーンでは涙が出た。143分の長さを感じさせない。橋本忍と山田洋次の脚本は、1974年のキネ旬脚本賞を受賞(映画はベスト・テン第2位、1位は「サンダカン八番娼館」)。しかし、映画化まで、松竹城戸四郎社長が反対して15年かかったとのこと(メディアアックス社「松本清張映像作品:サスペンスと感動の秘密」より)。この原作は、5回テレビドラマ化されているが、親子の放浪の理由をハンセン氏病と描いているのは、この映画のみ。