1974年キネ旬ベストテン日本映画2位読者選出1位興行3位
クラシックコンサートと捜査会議(丹波哲郎の語り)での報告のコラージュは見事!長尺の音楽を切り刻まずにシーンを紡いでいく。音楽を使う意味、劇伴の意味、そのすべての頂点の一作。「シュルブールの雨傘」のラストシーンと双璧だろう。ただし、オーケストラと加藤剛の演奏者の演技と見せ方はイマイチ。また、ホールリハーサルで反響版をおろさないシーンはミス。
劇伴も名曲。コンサート曲の「宿命」は、芥川也寸志と菅野光亮の手により組曲として独り立ち。
野村監督の傑作にして、松本清張原作映像化の最高峰。
この映像化のみ、ハンセン病を真正面から描き、ハンセン病患者団体に受け入れられるための努力も讃えるべきだ。