砂の器(1974)

すなのうつわ|The Castle of Sand|The Castle of Sand

砂の器(1974)

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レビューの数

68

平均評点

82.7(427人)

観たひと

609

観たいひと

48

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー / 文芸
製作国 日本
製作年 1974
公開年月日 1974/10/19
上映時間 143分
製作会社 松竹=橋本プロダクション(製作協力 シナノ企画=俳優座映画放送)
配給 松竹
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督野村芳太郎 
脚本橋本忍 
山田洋次 
原作松本清張 
企画川鍋兼男 
製作橋本忍 
佐藤正之 
三嶋与四治 
製作補杉崎重美 
撮影川又昂 
美術森田郷平 
装置若林六郎 
装飾磯崎昇 
音楽監督芥川也寸志 
録音山本忠彦 
調音吉田庄太郎 
照明小林松太郎 
編集太田和夫 
衣裳松竹衣裳 
作曲・ピアノ演奏菅野光亮 
指揮熊谷弘 
演奏・特別出演東京交響楽団 
製作主任吉岡博史 
進行長嶋勇治 
助監督熊谷勲 
スチール金田正 
効果福島幸雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演丹波哲郎 今西栄太郎
森田健作 吉村正
加藤剛 和賀英良
加藤嘉 本浦千代吉
春日和秀 本浦秀夫
島田陽子 高木理恵子
佐分利信 田所重喜
山口果林 田所佐知子
緒形拳 三木謙一
松山省二 三木彰吉
内藤武敏 捜査一課長
稲葉義男 捜査一課係長
穂積隆信 新聞記者・松崎
夏純子 女給・明子
松本克平 三森署々長
花澤徳衛 安本
笠智衆 桐原小十郎
春川ますみ 女中・澄江
渥美清 ひかり座・支配人
菅井きん 山下お妙
殿山泰司 のみ屋・主人
野村昭子 若葉荘の小母さん
浜村純 巡査
芥川也寸志 
信欣三 国語研究所所員桑原
山谷初男 岩城署署長
ふじたあさや 鑑識課技師

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

迷官入りと思われた殺人事件を捜査する二人の刑事の執念と、暗い過去を背負う為に殺人を犯してしまう天才音楽家の宿命を描くサスペンス映画。原作は松本清張の同名小説。脚本は「日本沈没」の橋本忍と「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」の山田洋次、監督は「東京ド真ン中」の野村芳太郎、撮影も同作の川又昂がそれぞれ担当。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

六月二十四日早朝、国鉄蒲田操車場構内に扼殺死体が発見された。被害者の年齢は五十~六十歳だが、その身許が分らず、捜査は難航をきわめた。警視庁の今西栄太郎刑事と、西蒲田署の吉村正刑事らの必死の聞き込みによって、前夜、蒲田駅前のバーで被害者と酒を飲んでいた若い男が重要参考人として浮かび上った。そしてバーのホステスたちの証言で、二人の間に強い東北なまりで交わされていた“カメダ”という言葉に注目された。カメダ……人の姓の連想から東北各県より六十四名の亀田姓が洗い出されたが、その該当者はなかった。しかし、今西は「秋田県・亀田」という土地名を洗い、吉村とともに亀田に飛ぶが、手がかりは発見できなかった。その帰途、二人は列車の中で音楽家の和賀英良に逢った。和賀は公演旅行の帰りらしく、優れた才能を秘めたその風貌が印象的だった。八月四日、西蒲田署の捜査本部は解散、以後は警視庁の継続捜査に移った。その夜、中央線塩山付近で夜行列車から一人の女が白い紙吹雪を窓外に散らしていた。その女、高木理恵子を「紙吹雪の女」と題し旅の紀行文として紹介した新聞記事が、迷宮入りで苛だっていた吉村の触角にふれた。窓外に散らしていたのは、紙なのか? 布切れではなかったか? 早速吉村は、銀座のクラブに理恵子を訪ね、その事を尋ねるが、彼女は席をはずしたまま現われなかった。だが、その店に和賀英良が客として現われた。和賀英良。和賀は音楽界で最も期待されている現代音楽家で、現在「宿命」という大交響楽の創作に取り組んでいる。そしてマスコミでは、前大蔵大臣の令嬢田所佐知子との結婚が噂されている。八月九日。被害者の息子が警視庁に現われた。だが被害者三木謙一の住所は、捜査陣の予測とはまるで方角違いの岡山県江見町で、被害者の知人にも付近の土地にもカメダは存在しない。しかしそれも今西の執念が事態を変えた。彼は調査により島根県の出雲地方に、東北弁との類似が見られ、その地方に「亀嵩」(カメダケ)なる地名を発見したのだ。なまった出雲弁ではこれが「カメダ」に聞こえる。そして三木謙一はかつて、そこで二十年間、巡査生活をしていたのだ……。今西は勇躍、亀嵩へ飛んだ。そして三木と親友だった桐原老人の記憶から何かを聞きだそうとした。一方、吉村は山梨県塩山付近の線路添いを猟犬のように這い廻って、ついに“紙吹雪”を発見した。それは紙切れではなく布切れで、被害者と同じ血液反応があった。その頃、とある粗末なアパートに理恵子と愛人の和賀がいた。妊娠した彼女は、子供を生ませて欲しいと哀願するが、和賀は冷たく拒否するのだった。和賀は今、佐知子との結婚によって、上流社会へ一歩を踏み出す貴重な時期だったのだ。一方、今西は被害者が犯人と会う前の足跡を調査しているうちに、妙に心にひっかかる事があった。それは三木が伊勢の映画館へ二日続けて行っており、その直後に帰宅予定を変更して急に東京へ出かけているのだ。そして、その映画館を訪ねた今西は重大なヒントを得た……。本庁に戻った今西に、亀嵩の桐原老人から三木の在職中の出来事を詳細に綴った報告書が届いていた。その中で特に目を引いたのは、三木があわれな乞食の父子を世話し、親を病院に入れた後、引き取った子をわが子のように養育していた、という事だった。その乞食、本浦千代吉の本籍地・石川県江沼郡大畑村へ、そして一転、和賀英良の本籍地・大阪市浪速区恵比寿町へ、今西は駆けめぐる。今や、彼の頭には、石川県の片田舎を追われ、流浪の旅の末、山陰亀嵩で三木巡査に育てられ、昭和十九年に失踪した本浦秀夫と、大阪の恵比寿町の和賀自転車店の小僧で、戦災死した店主夫婦の戸籍を、戦後の混乱期に創り直し、和賀英良を名乗り成人した、天才音楽家のプロフィルが、鮮やかにダブル・イメージとして焼きついていた。理恵子が路上で流産し、手当てが遅れて死亡した。そして、和賀を尾行していた吉村は理恵子のアパートをつきとめ、彼女こそ“紙吹雪の女”であることを確認した。今や、事件のネガとポジは完全に重なり合った。伊勢参拝を終えた三木謙一は、同地の映画館にあった写真で思いがけず発見した本浦秀夫=和賀英良に逢うべく上京したが、和賀にとって三木は、自分の生いたちと、父との関係を知っている忌わしい人物だったのである。和賀英良に逮捕状が請求された。彼の全人生を叩きつけた大交響曲「宿命」が、日本音楽界の注目の中に、巨大なホールを満員にしての発表の、丁度その日だった。

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2018年8月上旬特別号

巻頭特集 キネマ旬報創刊100年特別企画 第2弾 1970年代日本映画ベスト・テン:ベスト15グラビア解説

2005年12月上旬号

巻末スペシャル 感動∞倍増 本を観る、映画を読む! “映画×本”で広がるストーリー:紹介作品『対岸の彼女』『春、バーニーズで』『センセイの鞄』「理由」『巷間百物語~狐者異~』「自由戀愛」「深紅」「天国の本屋~恋火」「八つ墓村」「蒲田行進曲」「砂の器」「天城越え」「ゼロの焦点」「ライディング・ザ・ブレッド」

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1975年2月下旬決算特別号

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特別グラビア 読者のベスト・テン 日本映画:砂の器/サンダカン八番娼館望郷/青春の蹉跌/津軽じょんがら節/竜馬暗殺/仁義なき戦い頂上作戦/赤ちょうちん/妹/男はつらいよ・寅次郎恋やつれ/日本沈没

1974年12月上旬号

映画批評:砂の器

1974年11月下旬号

日本映画紹介:砂の器

1974年11月上旬号

グラビア:完成した「砂の器」

1974年6月下旬号

グラビア:野村芳太郎監督 「砂の器」

1969年1月上旬新年特別号

シナリオ:砂の器

2019/09/22

2019/09/22

95点

映画館/東京都/TOHOシネマズ新宿 


見方を変えたら新鮮だった

何度となく観ている大好きな作品ではあるが、2年おきくらいに観ている気がしており、流石に飽きてきた。
今回は観ることを控えようかとも思ったが、午前10時の映画祭も最後だし、いつもより客観的に観てみようと鑑賞。

結果、今までで一番良かった。

厳しめの音が奏でられる「宿命」の中に、一部流れる優しいフレーズは父親に向けられたものなのか、三木巡査に当てられたものなのか?
和賀英良が愛人の子供を望まないのは生まれてくる子に父親がいないことか、自分の血を引き継ぐ人間を世に出すことへの嫌悪感か、

など、色々深読みしながら観ることになった。そんな思いを抱えて鑑賞していると、それぞれのシーンに新たな意味がうまれてくる。
改めてこの作品の奥深さを感じてしまう今回だった。

まあ、糸口のきっかけは偶然が多いなあ、とか、結局事件に頭を使っていたのは丹波哲郎演じる今西刑事だけじゃない?なんてことも思わないではなかったが、、。

何度も観た本作を終え、今になってこの作品の小説をおそらく読んだことがないことも自覚してしまう。
大丈夫か、私?とは思ってますが、気づいてしまったからには読んでみよう。

2019/09/19

2019/09/19

90点

映画館/東京都/立川 CINEMA CITY/TWO 


砂の器

前から観るべきと思っていたが、やっと午前10時の映画祭にて鑑賞。最近だとすぐにDNA鑑定で被害者の身元が分かり、所持品も携帯電話とかあれば即判明するのに、「かめだ」から捜査が始まるところがすごい。同じ野村芳太郎監督の「八ツ墓村」も音楽が印象的だったが、今回も同じく。出演者も脇役が佐分利信、加藤嘉、笠智衆、殿山泰司、渥美清、緒形拳、春川ますみ他、キリがない。今まで観なかったことを悔やみました。

2019/09/14

2019/09/14

75点

VOD/NETFLIX 

・ミステリー大作 前半の全国各所をめぐる捜査パートから後半の解決編の流れは丁寧
・解決編の捜査本部、コンサート、親子の回想放浪シーンをオーケストラの「宿命」に
 乗せて描かれる40分は、素晴らしい音楽と、セリフなしで描く悲痛な放浪の効果で
 大変エモーショナルでスペクタクル 一気にミステリーも解決する為のめり込める
・丹波哲郎が被害者三木巡査と加害者父千代吉の手紙を説明し落涙するシーンは
 演技なのか解らないほどの熱演で、心を打たれるこの映画一番の見どころ
・ハンセン病について自分の無知を痛感 このような扱いを受けていた事に驚愕
・当時の映像表現なのか、文字による解説は本作においては明快で良かった
・前半の捜査パートが中々成果が上がらないためやや単調 また、証拠を捨てた役割
 の和賀の愛人が、流産から死ぬ流れも浮いているようにも感じる
・加害者和賀を愛人との関係や婚約者とのはっきりしない態度から、悪い人として
 描いているが、加害者としての人間性や同期の描き込みとしてはやや足らない
 あんなに善人で熱い三木巡査を殺す決定的な動機があれば腑に落ちた

2019/09/10

2019/09/14

80点

映画館/北海道/札幌シネマフロンティア 

これまで散々映像化されていて、
「一度も観たことないの日本中で私くらいないんじゃないの?」
ってくらい有名な作品だけど、推理小説も映画も、ストーリーの途中で絶対置いてけぼりになるので、なかなか食指が動かずスルーしてた。
が、この作品は別格だった。


「この出来事がこうなってアレがこうしてこう繋がって結果ここに着地する」

みたいな、ゴールまでにたどり着く過程の描写が、もう常人には思いつかないくらい凄まじ過ぎて、
私ごときがこんなこと言うのはおこがましいにもほどがあるけど、
松本清張先生って本当にすごい才能ある方なんだな…と思いました(`Д´;)ヌゥ

まさか犯人の◯◯が◯◯で、◯◯したから戸籍を◯◯して、
◯◯だから殺したなんて……。゚(゚´ω`゚)゚。
(続きは映画で!)

殺人を正当化することはできないけど、
当時の時代背景を考えると犯人の行動も致し方なし、と思ってしまうところに根強い差別が残っていることがわかる。

現在はハンセン病の療養施設に入院している犯人のパッパを今西が訪ね、 犯人の写真を見せるシーンは、強烈な印象を残した。

恐らく、ハンセン病患者の自分が身内にいるという事がバレたら
明るい未来に向かってまっしぐらの息子のキャリアに傷が付くということを懸念したのか、

「そ……、そんな人知らねぇですだぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!。゚(゚´Д`゚)゚。」

と写真を握りしめながら号泣するパッパの姿に、こちらも思わずもらい泣きしてしまった…。
あの泣き演技は……
「となりのトトロ」で母親の病状を気遣って号泣するさつきに匹敵するくらいの名演技……。゚(゚´ω`゚)゚。


「やる気と元気だけで困難を乗り切る若手刑事」の吉村と、
「酸いも甘いもの噛み分け経験豊富なベテラン刑事」
の今西の、バディものとしてもよくできていた。
「東北弁のカメダ」を手がかりに、秋田まで行ってなんの成果もなく不貞腐れて帰ってきた吉村が、独自に追跡捜査を続けて犯人の痕跡を見つけ出すくだりが、とてもよかった。


ただのミステリーではなく、ハンセン病の差別に対する警鐘なども込められていて、
観終わった後で色んな事を考えたくなる一本。

2019/09/10

2019/09/11

80点

映画館/神奈川県/TOHOシネマズららぽーと横浜 


名作とは

ネタバレ

警視庁捜査一課の刑事が、蒲田操車場内で起きた身元不明人の殺人事件の捜査を進める。
つい1年ほど前にネット配信で再見したばかりだし、僕の中ではそれなりに力を持った作品なので筋の要所は抑えているし…で、予想したとおりのところで感動し、予想したとおりに泣いちゃったりするんだろうな、などと勝手に思いながら見始めた。
ところが、もちろん予想したとおりのところは予想したとおりなのだが、それ以外にも心を動かされるところがあった。それは、刑事が捜査のために訪れる日本各地の風景で、山々の深い緑と一面に広がる田んぼの若々しい鮮やかな緑であったり、日光が降り注ぐ中で鈍い鉛色を漂わせる日本海であったり、藁葺きの屋根が並ぶ集落であったり…と、何気ないものでありながら、心の中にしみ込んでくるような風景だった。
それが、大都会東京の、蒲田あたりで刑事が聞き込みを続ける街なかの乾いた埃っぽさと対比され、まさしく高度成長を経た頃の日本を現していた。
名作は風景でも何事かを語る。そんな思いにとらわれた。
(おまけ)
今回、発見があった。音楽監督の芥川也寸志がカメオ出演していた。その場面は… 探してみようと思った人のために秘密にしておきます(割と簡単に分かります)。

2019/09/07

2019/09/07

94点

映画館/大阪府/TOHOシネマズくずはモール 


ブーさん

宿命が流る親子遍路は涙が出てたまらん