柳生武芸帳 夜ざくら秘剣

やぎゅうぶげいちょうよざくらひけん|----|----

柳生武芸帳 夜ざくら秘剣

レビューの数

12

平均評点

54.4(31人)

観たひと

44

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961/3/19
上映時間 80分
製作会社 第二東映京都映画
配給 ニュー東映
レイティング
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督井沢雅彦 
脚色結束信二 
原作五味康祐 
企画吉辺恒生 
撮影杉田正二 
美術大門恒夫 
音楽阿部皓哉 
録音中山茂二 
照明前田光秋 
編集細谷修二 
スチール諸角義雄 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演近衛十四郎 柳生十兵衛
花園ひろみ 清姫
北龍二 柳生但馬守
和崎隆太郎 柳生又十郎
永井三津子 於き
山城新伍 将軍家光
徳大寺伸 松平伊豆守
堺駿二 大久保彦左衛門
立原博 いなごの鳩助
大城泰 弥吉
阿部九洲男 土井大炊守
小林重四郎 河瀬主膳
南修 弓削三太夫
尾上鯉之助 霞の千四郎
品川隆二 霞の多三郎
藤田佳子 しぐれのお銀
立松晃 秋葉信助
小田部通麿 原田菊二郎
大邦一公 権造
渡辺篤 坂和田嘉六
国一太郎 相川新二郎
大丸巌 半平
五条恵子 お久美
富士美子 お菊
弥生弘子 お鈴
末広恵二郎 柳生源太夫
原京市 笠間又兵衛
赤木春恵 藤の尾
里見浩太朗 永井信濃守

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

“柳生武芸帳”シリーズの第二作。脚色・結束信二、監督・井沢雅彦、撮影・杉田正二と「柳生武芸帳(1961)」の顔ぶれ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

大和の国、柳生本陣の奥深く秘められた柳生武芸帳浮月の巻が嵐の一夜盗み去られた。将軍家指南役の柳生新陰流の地位をねらう疋田陰流一派の霞の多三郎の仕業だ。一派の隠れ家は根岸にあり、千四郎、多三郎を頭に秋葉信助、原田菊二郎、しぐれのお銀らいずれも大老土井大炊守と結び、幕閣の利け者、永井信濃守、松平伊豆守の失脚をもねらっている。土井大老は将軍家光に働きかけ、柳生宗矩に水月の巻を差し出させるようしむけた。返答に困った宗矩は苦肉の策として長男十兵衛が乱心し水月の巻を手に出奔、浮月の巻は柳生の庄にあり江戸に取り寄せるまで五日の猶予を、と返答した。お家の大事ばかりか天下の大事を双肩に担った十兵衛は江戸の巷にまぎれこみ、土井大老の出方を待った。大老は腹臣弓削三太夫に十兵衛の名をかたらせ、辻斬りをさせた。そのため十兵衛は捕手にねらわれ、大久保彦左衛門の屋敷にかくまわれるが、そこで忍び込んできた霞の千四郎を斬り、三太夫との対決を申し入れた。夜の寛永寺境内で十兵衛は、後をつけてきた多三郎と十兵衛を案じて若衆姿で現われた信濃守の妹清姫の前で三太夫と渡り合ったが勝負は一時預けることになった。翌日、宗矩のもとへ、次弟又十郎と妹於きの命を引きかえに水月の巻を渡せという手紙。二人は兄を助けようとして深入りしすぎ土井大老の手に落ちたのだ。しかし宗矩はこれを拒否した。十兵衛は片目の浪人根来角兵衛と名乗り土井大老に近づくが、正体を見破られ、さらに清姫が捕えられてくるのも目にしながらどうすることもできない。家光に武芸帳を差し出す日が来た。十兵衛は殿中の法度を犯し朝駆けで家光に目通り、武芸帳の秘める天下騒乱の因を説き明かし土井大老の陰謀を告げた。真相を知った家光は、信濃守に土井大老邸で夜桜の宴を張ることを命じ十兵衛に正義の剣を下すことを許した。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1961年4月上旬春の特別号

日本映画紹介:柳生武芸帳 夜ざくら秘剣

2024/05/03

2024/05/04

70点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


将軍家光が山城新伍というのがくすぐったい。私はテレビの司会や70年代の映画のコメディリリーフの印象が強いもので。

タイトルにもある通り、夜桜があるのにモノクロ撮影とは残念。1961年製作なのにモノクロ作品ということは、東映としても軽く見ていたシリーズなのかなあ。近衛十四郎は松竹から東映に移籍したが、第二東映で活躍することになる。第二東映ということで片岡千恵蔵、市川右太衛門クラスのスターは出演できないことになっている。ということで近衛も二番手の主役という位置に甘んじてしまう。だから本作はモノクロだったのだろう。本作の年に第二東映は興行不振により撤退。近衛も本家東映に移るのだが、扱いはこんな感じだ。

しかし、近衛十四郎は殺陣に定評があり、本作で見せるチャンバラはさすがに決まっている。モノクロで撮るのが気の毒に思えた。
ことにクライマックスで敵味方が入り乱れて大乱闘になるが、近衛の殺陣がいちいちぴしゃッと決まり、迫力も出る。
今の時代劇じゃ、このような迫力は出せないだろう。
千恵蔵、右太衛門以上の殺陣なのになあ、彼らより格下というのはなんとも言いようがない。

2024/01/13

2024/01/13

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『柳生武芸帳 夜ざくら秘剣』。シリーズ2作目。山城新伍が将軍役に大出世。本作で黒幕の土井大炊守(阿部九洲男)が斃される。一味の小林重四郎は目立った活躍をしないので残念。「天下の一大事!」と叫ぶ立原博が笑わせてくれる。ヒールの下っ端は何故死に急ぐ。将軍警護の侍は何処へ行った?。

2011/08/10

2020/07/12

80点

選択しない 


浮月の巻が盗まれた!

 近衛十四郎による「柳生武芸帳」シリーズの第二弾であります。主立つたスタッフ・キャストは前作とほぼ同じ。しかし山城新伍は今回将軍家光役で登場してゐます。

 冒頭イキナリ霞の多三郎(品川隆二)が暗躍します。柳生家の屋敷に忍び込み、柳生武芸帳浮月の巻を奪ひ盗るのであります。しかしこの屋敷、警備が手薄もいいところですな。こんなんで門外不出の武芸帳を守らうなんて、片腹痛いぜ。
 反柳生の大老土井大炊守(阿部九州男)は、巷に柳生家の悪い噂を流布させたり、ニセ十兵衛を使ひ辻斬りをさせ、その罪を本物に擦り付けたりして、ワルの面目躍如であります。更に浮月の巻が盗まれた事を知りながら、将軍にそれを差し出させるやうに仕向けるのでした。苦境に陥つた柳生宗矩(北龍二)は、浮月の巻は十兵衛が乱心して持ち出してしまつたと返答、取り戻すために五日の猶予を得ます。

 十兵衛はそれまでに土井大炊守の悪事の証拠を握らんと活動します。弟の又十郎(和崎隆太郎)と妹・おき(永井三津子)、更には十兵衛に惚れてゐる清姫(花園ひろみ)までが十兵衛の手助けをせんと出しやばりますが、完全に足手纏ひであります。此奴らのせいで、逆に十兵衛は大ピンチですよ。
 永井信濃守(里見浩太郎)と十兵衛の命を賭けた将軍への訴へが功を奏し、家光は土井大炊守の屋敷にて夜桜見物の宴をさせ、そこでワルどもを斬る許しを与へるのでした......

 うむ、第二作目も面白い。これぞ娯楽剣戟映画。欲を言へば、夜桜の華やかな場面もあるのだから、総天然色で作つていただきたかつた。今回は霞の多三郎の弟、霞の千四郎(尾上鯉之助)も登場しますが、この兄弟は意外と影が薄かつた。多三郎は冒頭こそ大活躍でしたが、その後出番は少なく、最後はメンタルをやられた模様です。千四郎は十兵衛に斬られてしまつたし。その分、清姫の兄・永井信濃守が目立ちました。八面六臂、大車輪の大活躍であります。
 ニセ十兵衛を演じた敵役は南修といふ役者......と思つたら、これ近衛の弟子・阿波地大輔だよね。どうせ大物起用は叶はぬとして、近衛が弟子にチャンスを与へたのでせうか。まあ、ダンナにそこまでの発言権が有つたかどうか知りませんが。
 とまれ、第三作以降も大いに期待を抱かせる内容であつたと申せませう。

2015/06/11

2015/06/11

50点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


尾上鯉之助

きちんと見ると懐かしい俳優がいっぱいだ。里見浩太朗は本当に冴えない役者だったんだ。でも長生きした者が勝ち!

2015/06/11

2015/06/11

70点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 


柳生十兵衛と言えばこの人。これは面白い。プログラム・ピクチャー扱いのためか総天然色でないのが残念。

2015/01/23

2015/01/24

50点

選択しない 


モノクロの夜桜が残念

 原作は霧の多三郎が主人公らしいが、この東映版は柳生十兵衛が主人公になっている。あくまで近衛十四郎のチャンバラ時代劇という位置づけらしい。当時量産されたプログラムピクチャーらしく短い尺の中においしいところを詰め込んだような仕上がり。その出来はその後舞台をテレビ画面に移して量産されることになった時代劇ドラマを思わせる。
 特に主役の近衛十四郎と多三郎を演じた品川隆二の二人の芝居を見ていると後年のヒット時代劇ドラマシリーズが僕らの世代ではどうしても頭をよぎることになる。その後年の姿でしかリアルタイムでは二人を知らなかったといってもよいので、この映画での色男ぶりとシリアスな演技を妙に新鮮に感じてしまう。この堅い芝居がもともとの姿だったとすれば、後年の随分と砕けた二人の演技を引き出したスタッフの目の付け所はなかなかのものだと思った。
 柳生武芸帳の存在と幕閣内の勢力争いを絡めた謀略もので、背後にいる大老土井(阿部九州男)の陰謀を暴くというもの。クライマックスではまさかの(というかお約束の)殿中での大立ち回りで、将軍家光(山城新伍)にまで刃を向ける大老。十四郎のキレの良い剣さばきと当時のワイヤーアクション(?)の拙さも見所のひとつだろうか。