彼女だけが知っている

かのじょだけがしっている|----|----

彼女だけが知っている

レビューの数

6

平均評点

75.3(23人)

観たひと

39

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1960
公開年月日 1960/2/2
上映時間 63分
製作会社 松竹大船映画
配給 松竹
レイティング
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督高橋治 
脚本田村孟 
高橋治 
製作小梶正治 
撮影川又昂 
美術宇野耕司 
音楽中村八大 
録音西崎英雄 
照明荒井公平 
編集浦岡敬一 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演笠智衆 夏山警部補
水戸光子 妻とし子
小山明子 娘綾子
渡辺文雄 杉伸一郎
松本克平 北江捜査第一課長
三井弘次 神崎鑑識現場係長
永井達郎 矢島警部
千之赫子 安岡秀子
小野良 植野
清川晶子 圭子
諸角啓二郎 佐伯
春山勉 西野
光村譲 川崎刑事
末永功 米谷刑事
村上記代 多田婦警
川村耿平 野本巡査
佐山彰二 記者山中
小林和雄 桜田

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

高橋治の第一回監督作品で、脚本は高橋治と助監督の田村孟。高橋監督は、昭和四年生れ、東大文学部卒後、二十八年大船に入社、主に堀内真直監督に師事した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

歳末であわただしい東京の街は、四日目ごとに出没する強姦殺人魔の恐怖におののいていた。夏山警部補と、杉刑事はその捜査本部の一員だった。杉は夏山の娘綾子と将来を誓い合った仲だった。クリスマスの夜、綾子は杉を食事に誘ったが、捜査会議で杉は出られなかった。ひとり淋しく映画を見て、十時頃郊外の駅に降り立った綾子は、暴行魔に襲われて第四の犠牲者になってしまった。現場を通りかかった人があったために、辛うじて殺されなかったのがせめてもの幸いだった。夏山は悩んだが、北江捜査課長に一切を報告した。北江は秘密捜査とすることにした。夏山は綾子に証言を求めようとしたが、綾子は家を出て、親友の秀子のアパートに身を隠した。夏山の妻のとし子は思いあぐね、杉にすべてを打ち明けた。杉の衝撃は大きかった。悩んだ末に、綾子を訪ねた。「今夜の犯行を食いとめることができるとしたら、あなたが協力してくれること以外にないんだ」と頼んだ。犯罪の行われる四日目なのだ。しかし、綾子はかたくなだった。警視庁から異例の非常警告が発せられた。綾子は動揺した。意を決し、捜査本部へ車を走らせた。一足ちがいで、第五の犠牲者が出たところだった。しかし、綾子の積極的な協力で捜査はにわかに進展をみせた。特に、彼女の髪をすいたヘヤーブラシの中から、コンタクト・レンズが発見されたことは貴重な手がかりだった。犯人はその常用者であった。コンタクト・レンズ使用者の名簿によって、二百人の容疑者を照合した結果、五人が捜査線上に浮んだ。尾行、聞きこみの結果、西野、桜田という男にしぼられた。捜査本部は、正月のトソも祝わずに張込みを続けた。犯人は西野と判明した。西野は捕えられた。事件が落着し、夏山は辞表を提出した。警視庁の階段を下りる綾子を、杉が追って行った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1960年3月上旬号

日本映画批評:彼女だけが知っている

1960年2月下旬号

日本映画紹介:彼女だけが知っている

2024/02/08

2024/02/08

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『彼女だけが知っている』。確認のため再見。冒頭の地下鉄駅は何処だろう(虎ノ門方面表示あり)。新聞売りは後藤泰子。MUSASHI-OHNO駅は何処だろう。大杉莞児は犯行現場に近づく酔っぱらいの一人(暗くて分かりにくい)。鬼笑介は捜査会議に参加する刑事(眼鏡あり)。容疑者の写真に朝海日出男。

2024/02/06

2024/02/06

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『彼女だけが知っている』。連続婦女暴行殺人事件を追う刑事ドラマ。あろうことかベテラン刑事(笠智衆)の娘(小山明子)が被害者に、運よく命は助かるが…。三枚目役常連の永井達郎は捜査を仕切る警部役、カッコエエ。クリスマスには三角帽。打ち上げの日本酒は、松竹だけに松竹梅。

2019/02/05

2019/02/06

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『彼女だけが知っている』。かなり使用感のあるフィルム。キズだらけでコマ落ちもしばしば。婦女暴行殺人事件を捜査する刑事とその家族。笠智衆がベテラン刑事を演じる。諸角啓二郎はいかにも怪しげな男。ブラシにコンタクトレンズが付着しているのはちょっと無理があるような。クリスマスには三角帽。

2015/05/01

2015/05/01

85点

テレビ/有料放送/衛星劇場 

婦女暴行殺人事件の捜査に当たる老刑事と妻子、娘と交際中の新米刑事のお話。昭和30年代の銀座のクリスマスの風景。瑞々しく美しい小山明子。渋い笠智衆。音楽の使い方に違和感はあるが映像はモダンでまるで古臭くない。63分というコンパクトな上映時間もナイスな佳作。

2014/12/12

2014/12/12

70点

映画館/東京都/ヒューマントラストシネマ有楽町 


破壊と創造のとき

rightwide (rightwide): #1195 ヒューマントラストシネマ有楽町「彼女だけが知っている」。後に作家に転じた高橋治が松竹ヌーヴェルヴァーグ華やかなりし1960年に監督デビューを果たした作品。連続暴行事件の被害者となった小山明子の父である刑事を旧世代代表の笠智衆、恋人の刑事を新世代の渡辺文雄が演じている。

2006/01/07

2013/03/31

80点

テレビ/有料放送 


珍しい笠智衆の刑事役

ネタバレ

2006年1月7日、鑑賞。

小津安二郎監督の助監督をしていた高橋治の監督デビュー作品。
笠智衆を刑事の主役に配するあたりは、小津監督のもとで笠をみていた経験から意外な配役を思い付いたのであろうか。真偽は不明。

物語は、4日ごとに発生する連続婦女暴行殺人事件を追う刑事が、暴行されたが殺されなかった娘(小山明子)に犯人逮捕の協力を求めたりしながら、犯人を追うといった話。

暴行された娘(小山明子)の家族や婚約者に囲まれた中での苦悩する姿は、傾いた構図を使ったり、影を強調した画面構成など、犯罪被害者の心理描写が上手く描かれていた。

ただ、ネタバレになってしまうが、この作品で犯人の決め手になったのがなんと『コンタクトレンズ』だった。この映画、自分が生まれる前の1960年作品なのだが、コンタクトレンズなんてしている人が居たのだろうか?疑問だったので調べてみると、日本では「1951年に実用化に成功」と記されていたので、普及していたかは別として、コンタクトレンズしている人がいてもおかしくはなかったようだ。