午後の遺言状

ごごのゆいごんじょう|----|----

午後の遺言状

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レビューの数

30

平均評点

72.6(163人)

観たひと

269

観たいひと

22

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1995
公開年月日 1995/6/3
上映時間 112分
製作会社 近代映画協会作品
配給 ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督新藤兼人 
脚色新藤兼人 
原作新藤兼人 
製作新藤次郎 
プロデューサー溝上潔 
井端康夫 
撮影三宅義行 
美術重田重盛 
音楽林光 
録音武進 
照明山下博 
編集渡辺行夫 
衣裳鈴木淳 
衣裳コーディネータールリ落合 
助監督鶴巻日出雄 
スクリプター川野恵美 
スチール金子哲也 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演杉村春子 森本蓉子
乙羽信子 柳川豊子
朝霧鏡子 牛国登美江
観世栄夫 牛国藤八郎
瀬尾智美 あけみ
津川雅彦 森本三郎
倍賞美津子 矢沢尚子
永島敏行 警部補
松重豊 両岡大五郎
木場勝己 脱獄囚
上田耕一 署長
加地健太郎 警官
内野聖陽 清川浩二
馬場当 民宿の主人
遠藤守哉 ホテルのフロント
三木敏彦 ホテルの支配人
三浦純子 ホテルのルーム係
高村祐毅 心中を目撃する少年
神野陽介 記者
大場泰正 カメラマン
田中光紀 ウエイター
大原康裕 コック
菊池誠 レストランの客
石井麗子 レストランの客
岡本正巳 タクシーの運転手
岡本早生 タクシーの運転手
峰松佑貴 アイスクリームを投げる少年
田中芳子 少年の母
麿赤児 天狗
鶴山欣也 おかめ
大駱駝艦 群舞

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

別荘に避暑にやって来た大女優が出会う出来事の数々を通して、生きる意味を問うドラマ。監督・脚色は「墨東綺譚 (1992)」の新藤兼人。撮影は「墨東綺譚 (1992)」の三宅義行。主演は杉村春子と、1994年12月22日に逝去した乙羽信子。芸術文化振興基金助成作品。1995年度キネマ旬報ベストテン第1位ほか、監督賞(新藤)、脚本賞(新藤)、主演女優賞(杉村)、助演女優賞(乙羽)の4部門を受賞した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

夏の蓼科高原に、女優・森本蓉子(杉村春子)が避暑にやって来た。彼女を迎えるのは30年もの間、その別荘を管理している農婦の豊子(乙羽信子)だ。言葉は乱暴だがきちんと仕事をこなす豊子に、庭師の六兵衛が死んだことを知らされた蓉子は、六兵衛が棺桶に乗せたのと同じ石を川原から拾って棚に飾る。豊子には22歳の娘・あけみ(瀬尾智美)がいた。子供のいない未亡人の蓉子は、あけみを自分の子供のように可愛がっている。翌日、別荘に古い友人の牛国夫妻がやって来る。しかし、夫人の登美江(朝霧鏡子)は認知症にかかっており、様子がおかしい。過去と現実が混濁している登美江を元に戻したい一心で、夫の藤八郎(観世栄夫)は蓉子に会わせたのだが、一瞬チェーホフの『かもめ』の一節を蓉子と空で言えたかと思うと、元の状態にすぐに戻ってしまう。と、そこへピストルを持った脱獄囚が別荘に押し入って来た。恐怖におののく蓉子たち。だが、男がひるんだ隙に警戒中の警官が難を救った。そして、蓉子たちはこの逮捕劇に協力したとのことで、警察から感謝状と金一封を受け取る。ご機嫌の蓉子たちは、その足で近くのホテルで祝杯を上げた。翌日、牛国夫妻は故郷へ行くと言って別荘を後にする。やっと落ち着ける蓉子だったが、近く嫁入りするあけみは実は豊子と蓉子の夫・三郎(津川雅彦)との子供だったという豊子の爆弾発言に、またもや心中を掻き乱されることになる。動揺した蓉子は不倫だと言って豊子をなじるが、翌朝になって容子は、豊子と夫との仲を許し、あけみは自分の娘も同然だと言って豊子を驚かせる。そして、結婚式を前にこの地方の風習である足入れの儀式が執り行われた。生と性をうたうその儀式に次第に酔いしれていく蓉子は、早く帰郷して舞台に立ちたいと思うようになった。ところが、そこへ一人の女性ルポライター・矢沢(倍賞美津子)が、牛国夫妻の訃報を持って現れた。驚いた蓉子は豊子を伴い、矢沢に牛国夫妻が辿った道を案内してもらう。二人が入水自殺を図った浜辺で、蓉子は残された人生を充実したものにすると、手を合わせる。別荘に戻った蓉子は舞台用の写真の撮影を済ませると、東京へ帰っていく。豊子は蓉子が死んだ時に棺桶の釘を打つために、以前拾ってきた石を預かるが、いつまでも死なないで強く生きて欲しいという願いを込めて、それを川原に捨ててしまうのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1996年2月下旬決算特別号

日本映画紹介:午後の遺言状

1995年8月上旬号

劇場公開映画批評:「午後の遺言状」

1995年6月上旬号

グラビア 《New Releases [新作映画紹介]》 :午後の遺言状

特集 午後の遺言状:老いと死を見つめて

特集 午後の遺言状:作品評

1995年2月下旬決算特別号

グラビア 《撮影現場訪問》:午後の遺言状

2023/10/02

2023/10/03

79点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


新藤兼人らしい

地味だがきちんと面白い。
人生の晩年の模様、黒澤の似たような映画よりはるかに良い。
乙羽信子の遺作、杉村春子の最後の主演。
乙羽信子の方が良いと言う声もあるが、やはり杉村先生の演技は圧倒的にならではの味がある。
30年前の松重がこんなところに出ていたが、今と変わらない。
悪くはないがキネ旬1位は少し盛りすぎでは。

2022/03/08

2022/03/08

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


イート&シアター 鱒

18000円のコース

2021/02/13

2021/02/13

70点

VOD/GyaO! 


米汁が庭に撒かれる。茅葺屋根の家の主は乙羽信子が演じる別荘管理人で、その別荘の持ち主は、杉村春子が演じる森本蓉子である。森本はその別荘で口を濯いだ水を吐く。この信州の茅野市の別荘地では、ジュースよりも水がうまいらしいが、その水に文句をつけるわがままもあり、水を吐くこともある。森本は、かつて築地小劇場に所属していたというから杉村の分身ともいえる役柄である。また管理人が夫を寝取ったという展開も、新藤監督と乙羽信子の過去を扱った自虐ネタのようにも感じられる。
物語は、森本の小劇場時代の同僚の老女が痴呆となって夫と共に別荘に訪れるところから、「何が起こるか」分からないような展開を見せていく。全裸の若い女性、丸い石や力石、天狗の舞、チンドンや、ミキサーにかけられる野菜、拳銃の男、警察署での表彰式、チェーホフの「かもめ」やベニスをテーマにした音楽に合わせたダンス、ミヤマオダマキ、ゲートボール、マムシ、赤い風船などがめくるめく登場し、過去や近過去が現在と交錯する。その中で、物語は、逮捕劇や心中、結婚、姦通の記憶などに展開していく。舞台は、蓼科から浅間温泉、直江津へと、山から海へと移りながも、また戻っていく。能のほかにも、足入れ式の演舞、別荘での立ち芝居などが、劇中としてちょっとづつ演じられてていく。
こうした波乱の物語でありながらも、サングラスの森本と田舎めいた管理人のかけ合いや関係が大きく変わることなく、概ね安定しているのが愉しい。もう棺桶に納められるまでの軌跡を描き始めている老女二人は、動じることなく、互いにあけすけな言葉を交わしながら、波乱のうちで寄せる波を交わしているかのようでもある。
老女たちに煙草が吸われる。キスもあり、ガムもある。ラストショットでは川の水が跳ねる。このラストにおいて、冒頭からの映画の断片がプレイバックされる。あの水、この水、彼女らの口を通った水、彼女たちが体を通した風呂や温泉の水(お湯?)、海辺があり、湖畔があった。暑い夏の午後に爽やかさを与えてくれるみずみずしさに満ちている。

2020/10/31

2020/11/02

80点

VOD/U-NEXT 


「人は 生きているかぎり 生きぬきたい」

大女優杉村春子&乙羽信子の遺作。
89歳で主演の杉村春子、死を意識して演じた乙羽信子、45年ぶりに復帰した朝霧鏡子。
観終わってから知ったが只々凄い。

老い、死、ボケ、不倫、老夫婦、若者をコミカルでシリアスに描いた作品。
ゆるく観ようと思っていたが引き摺り込まれた。

2020/08/28

2020/08/31

77点

レンタル/京都府/ビデオインアメリカ/ビデオインアメリカ 大徳寺店/DVD 


認知症を認識

認知症を取り上げた映画。周りの無知から、悲観して行く老夫婦、そして、これからまだ、老後が続く主人公二人、そして、ぴちぴちの若者を、描いている。音羽信子さんの最後の映画。ラストカットの海岸を歩くのは、映画に執念を吹き込んでいる。

2020/08/29

2020/08/29

60点

VOD/U-NEXT/レンタル/タブレット 


杉村春子

ネタバレ

小津安二郎が女優の4番打者と評した杉村春子。その存在に興味が湧き、遺作となった本作を見る。
見たのだが、ストーリーも今ひとつだし、脚本、演出もこだわりが感じられない。
名優杉村春子が、よくぞ、出演を許したなと感じた。
音羽信子も本作が遺作となった。
御主人が進藤監督らしい。
いろんな賞を取ったらしいが、もう、もろもろの功労賞という事なんだろうと思う。小津作品を見た後では、進藤監督ですら、画面構成に何一つこだわりがないように感じる。
杉村春子も、内心、だめだこりゃ、と感じていたのではないか。
ファンタジー映画である。