恋の蘭燈

こいのらんとう|----|----

恋の蘭燈

レビューの数

4

平均評点

56.0(9人)

観たひと

17

観たいひと

3

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1951
公開年月日 1951/12/28
上映時間 84分
製作会社 新東宝
配給 新東宝
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督佐伯清 
脚本佐伯清 
井手雅人 
製作佐藤一郎 
撮影小原譲治 
美術下河原友雄 
音楽服部良一 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演白光 汪麗華
小坂真一 
池部良 井原純一
伊志井寛 井原謙太郎
夏川静江 井原敏子
森繁久彌 佐竹
南條秋子 中野紀子
暁テル子 香取燿子
中村哲 大崎芳蔵
岡村文子 アパートの小母さん
須藤健 鉄次郎

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

製作は「ブンガワンソロ」の佐藤一郎で、「赤道祭」の佐伯清が、「暁の急襲」や「さすらいの旅路」のシナリオ協力者井手雅人と一緒に脚本を書き、監督に当たったもので、撮影は「夜の未亡人」の小原譲治である。出演者はかつて日華提携映画「東洋平和の道」に出演、最近まで香港の永華電影公司の映画に出演していた中国の映画女優に、「ブンガワンソロ」の池部良がつきあい、「この旗に誓う」の夏川静江、「ブンガワンソロ」の森繁久彌、「さすらいの旅路」の暁テル子、その他伊志井寛、岡村文子などが助演している。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

汪麗華は中国人の父と日本人の母との間に生まれた美貌の混血娘であったが、父の死後母に渡せと遺言された高価なダイヤの指輪一つを持って遥々日本を訪れた。しかし父に聞いた住所にはすでに母はなく、探しあぐねて生活のため横浜のキャバレーの唄姫になっていた。「銀座の雀」というあだ名の与太者佐竹は気のよい男で、麗華のために方々探してやっていたが、遂に貿易会社の社長井原謙太郎と再婚した青山敏子がその人であることをつきとめた。が敏子は過去を秘して嫁いだので強くそれを否定した。そこで謙太郎の前妻の子純一に佐竹が事情を打ち明けたことから、純一と麗華とは知り合い、互いに好意を持ち合った。「自分たちの平和を乱さぬため、日本を去ってくれ」との敏子からの手紙を見たとき、麗華は中国へ帰ることを決意したが、純一の愛情にだけは心をひかれたが、紀子からの中傷でそれも思いあきらめた。そして彼女のダイヤをねらっている佐竹の親分大崎の企みにおちて密輸船に監禁されるが、燿子からの知らせで純一が駆けつけ事なきを得た。敏子も事情を知った夫謙太郎から晴れて許され、麗華のもとへ駆けつけたのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2020/04/29

2020/04/30

55点

テレビ/有料放送/衛星劇場 


国境を越えた母モノ。

ネタバレ

オープニングタイトルでは「中国スター」と表記のある、白光という女優を招いて、池部良との主演で描かれるメロドラマ。回想シーンでの中国は、映画黎明期のセットのような作り物で、ストーリーも典型的で工夫は少ない。世間からはヤクザ者と見られながらも中国からの女性の面倒を見る役柄の森繁久彌が儲け役。自慢の喉を披露もしている。

戦争が引き裂いた母と娘。子供と知っていても、今の夫への遠慮からそうとは言えない母。この時代には少なくなかったであろう悲劇なのであろうが、子供に冷たい顔を向けながら陰で泣く母の姿に長谷川伸の「瞼の母」の影響も感じられる。


(※ BD-R 録画 CATV 衛星劇場)

2017/10/27

2018/01/30

55点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


メロドラマが相応しい女優ではない

シネマヴェーラ渋谷の新東宝特集「恋の蘭燈」は、白光という中国女優を中心としたメロドラマですが、わたくしは初めて観たこの女優が、ちょっと高橋とよに面立ちが似ていて、ヴァンプなら似合うかも知れないものの、メロドラマのヒロインが相応しいとは思えず、その違和感が終始付きまとっていた事は否めません。
この映画での白光は、中国人の亡父と日本人の母の間に生まれ、今は横浜のクラブで歌手をしながら、戦時中に別れたままの日本人母を探しており、彼女の事を片想いしているチンピラ森繁久彌が、実業家夫人の座に収まっている夏川静江が白光の母親だと突止めるものの、訪ねた森繁に対して夏川は、娘はいないと否定する、という展開を示します。白光扮するヒロインは、実母だと思った夏川静江から冷たい反応をされて傷付く一方、夏川の再婚相手である伊志井寛の連れ子・池部良から想いを寄せられるという展開となる中、白光と彼女が持つ宝石を狙っているヤクザのボス中村哲が、言葉巧みに白光を中国に連れ帰るという話を持ちかけます。
「恋の蘭燈」は、井手雅人と監督の佐伯清が書いた脚本が、まあ紋切り型の展開だとはいえ、破綻はせずに収まるべきところに収まっており、佐伯清演出も手堅く、水準作にはなっています。
森繁が歌う“銀座の雀”、中村哲の子分を演じる須藤健の若さ、又してもチョイ役ながら出番は多い清川玉枝など、細部が楽しめる映画ではありました。

2017/10/27

2017/10/27

50点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


ランタンはどこにあったのでしょう

敗戦後5年を経過して、外国にも目がいき、同年に「夜来香」や「ブンガワンソロ」といった占領時代を回顧するような作品も観られるようになったと思われます。
本作も、中国から母親捜しにやってきた女性・汪麗華が、母親と思う女性が、今の生活を失いたくない為、自分の娘ではないと頑なに否定し、話がややこしくなりますが、最後は情が損得にまさり、回合を喜び合うハッピーエンドに落ち着きます。

ドラマの全編を通して活躍するのは主役ではなく、狂言回しの森繁です。さすがに芸達者で、彼がいなければ悲惨な出来栄えに終わってしまったのではと危惧されました。
森繁は「銀座の雀」の曲も披露し、せっかく中国から招待した女優・白光も熱唱しましたが影は薄かったです。


2017/10/24

2017/10/24

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『恋の蘭燈(らんたん)』。中国残留孤児(白光:中国の女優)の母親探し。やくざのチンピラ(森繁久彌)が彼女の手助けをする。池部良と白光の二人は相思相愛だが、森繁久彌、暁テル子など他の連中は片思いばっかり。やくざの親分役の中村哲はいい味出している。こういう役柄はぴったり。