男の子なら誰しも好きな冒険活劇、とりわけ宝さがしと海賊船となれば、昔の男の子をも夢中にさせる。原案がスティーブン・スピルバーグなだけに、「インディ・ジョーンズ」シリーズで見られた仕掛けがふんだんに盛り込まれ、スピルバーグ・ワールドが繰り広げられる。
グーニーズと名乗る5人の少年が個性的でおもしろい。いずれもオツムのできはそれほど良くないが、一芸に秀でている。マイキーは病弱で母親が過保護扱いしているが、屋根裏部屋で地図を見つけると、率先して宝さがしを先導する。言い間違いが多く、「ワナ」を「ナワ」と言ったりするが、本人は間違いを認めないから、そう言っているつもりなのだろう。もし英語が聞き取れたらどんな言い間違いをしているかがわかるが、字幕に頼らざるを得ない。字幕担当者の腕の見せどころでもあるだろう。
マイキーの兄のブランドは筋トレに余念がないが、運転免許試験に落ちたことでみんなからバカにされている。母親からは病弱な弟を外に連れ出さないようにきつく言われている。最年長なのでリーダー気取りだが、マイキーに先を越される。それでも弟思いだ。
おしゃべりだがスペイン語の地図を解読するマウス、肥満児でいつもお腹をすかしているチャンク、中国人で発明狂のデータの3人を加えた5人がグーニーズだ。
そこにチアリーダーのアンディと彼女の友達のステフが冒険に加わる。ブランドとアンディは危険が迫っていても、一緒にいられることの方がうれしいようだが、ファーストキスの瞬間、よもやのハプニングが起きる。アンディを助けるために海に飛び込むブランドがたくましい青年に見える。
宝の横取りを狙うフラテリ一家は凶悪犯だが、まぬけでどこか憎めない。虐げられて育った三男がスーパーマンのTシャツを着てグーニーズを助けるくだりに、「スーパーマン」も撮ったリチャード・ドナー監督の遊び心がうかがわれる。