戦争末期、空襲に備えて動物園の猛獣の殺処分令がでた。その中にはゾウも含まれていた。
二人の飼育員山下金助(柳家金語楼)と横山円太郎(横山エンタツ)はゾウを殺すに忍びなくて夜陰に紛れてゾウを隠すことにした。二人の珍道中が始まる。
餌は円太郎が持っていたお金を使い、後は自前で探してきた。田舎の子供達には人気があり、隠しておくこともできなかった。しかしお金が底を突きいよいよ金助の貯金に手を出さざるを得なくなった。そこで金助は捕まる危険を冒し、街まで金を下ろしに行く。そこで園長に見つかり、怪我をして病院に。
一方円太郎はもう10日も帰ってこない金助との約束を果たすため。ゾウの処分をしようとしていた。そこへ終戦を知らせに園長達がやってくる。
動物の殺処分令は実際にあった話で、これは東山動物音の話であるが、上野でもゾウの処分のために何日も餌を与えなくて餓死させたという。
動物にとっては悲劇だが、この映画では悲劇にならないようにゾウを疎開させてしまう。エンタツと金語楼がコミックなやりとりで笑わせてくれるが、そうでもしないとやりきれない事実だ。むしろ喜劇として重たくしなかったのがよい。