こういう強引な映画も良いね。いまだと突っ込みどころばっかりなんだけどね。
シリーズ四作目で、大映での製作はこれでおしまい。
大映・永田雅一社長が、
「多羅尾伴内などは幕間のつなぎであって、わが社は今後、藝術性の高いものを製作する」と言った。
これに片岡千恵蔵が激怒し、東映に移りそこでシリーズと続行させた。厳密に言えば東映の前身である東横に移った。そういう経緯だと、大映が多羅尾伴内の著作権を持っているんじゃないんだと不思議に思うが、永田社長も冒頭のコメントどおりに著作権を持っていても軽く見ているシリーズだからほっといたのか。あるいは著作権自体を軽く見ていたのか。
シリーズ最終作はどうやら「オペラの怪人」が元ネタだと思われる内容だ。怪奇調で大映シリーズでは一番楽しめた。とはいってもC級映画と言うのは変わらない。この作品でも「ある時は・・・」が無い。この大映四本では、こういう決まり事がまだ固まっていないようだ。
大映だけど、月形龍之介、大友柳太郎、進藤英太郎という布陣は東映時代劇っぽいね。片岡千恵蔵の後を追ったのか?