三十三の足跡

さんじゅうさんのあしあと|----|----

三十三の足跡

レビューの数

1

平均評点

60.7(3人)

観たひと

6

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1948
公開年月日 1948/12/28
上映時間 75分
製作会社 大映京都
配給 大映
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督松田定次 
脚本比佐芳武 
企画辻久一 
撮影石本秀雄 
美術角井平吉 
音楽服部良一 
深井史郎 
録音大谷巖 
照明西川鶴三 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演片岡千恵蔵 多羅尾伴内
月形龍之介 川上敏夫
木暮実千代 中谷よし子
喜多川千鶴 中谷あつ子
曉照子 出雲みや子
杉狂児 花村金一
大友柳太朗 笠原実
山本礼三郎 後藤宗吉
進藤英太郎 木塚専三
上代勇吉 森川雄三
村田宏寿 田内文吾
戸上城太郎 大西警部補
伊達三郎 宗近俊三

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

企画は「狙われた女」「千姫御殿(1948)」の辻久一、「七つの顔」「十三の眼」「二十一の指紋」につぐ片岡千恵蔵の伴内シリーズで、脚本は「にっぽんGメン」「黒雲街道」の比佐芳武、演出は「黒雲街道」につぐ松田定次である。カメラは「王将(1948)」の石本秀雄の担当。出演者は「黒雲街道」につぐ片岡千恵蔵のほか「四人目の淑女」の木暮実千代「月光城の盗賊」の喜多川千鶴「大島情話」の月形龍之介「陽気な街」の杉狂児「のらくら海浜騒動」の曉照子「情熱の人魚」の山本礼三郎らである。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

正月興行を二三日後に控えた太陽劇場に鶴十郎の幽霊が出たという騒ぎが起こった。十年前、人気役者嵐鶴十郎は芸道の事で当時の劇場主中谷から意見されたのを恨んで三階の楽屋で自殺をした。その幽霊が出たというのである。又中谷もその鶴十郎の幽霊に悩まされて死んで行き、現在の劇場の権利は木塚専三の手にあった。元旦が初日で舞台稽古に張り切っていた“こまどり座”の中には中谷の娘よし子とあつ子の姉妹も混ざっていて父の劇場であったこの小屋での初舞台を楽しみにしていた。その二人へお父さんは自殺ではないとなぞの言葉をささやいたのは大道具の宗吉である。一方劇場には先程背景係をクビになった名探偵の多羅尾伴内がこんどは建築技師となって劇場の視察に乗り込んでいた。舞台稽古が始められるが舞台の床板が落ちて一座のみや子が怪我をする。楽屋にはどこからともなく人の足音が聞こえたり、笑い声やらうめき声が聞こえたりして奇怪な事が続く。一座の演出家川上は前後の事情から宗吉を犯人と睨むが、問題の宗吉はロープで首をくくり、伴内の医者が乗り込んだ時には既に死んでいた。その翌日中谷姉妹の許へ公証人が現れてこの劇場は近くあんた達のものになると告げて帰って行った。公証人が伴内であった事は姉妹には勿論判らない。それから程なく伴内は私立探偵として宗吉の死因調査に劇場に現れた。伴内のするどい追求に木塚専三とその部下の森川雄三、田内文吾の顔色は変わって行く。伴内は一切の疑問は除夜の鐘を待たずに解明されると断言する。劇場の秘密の通路で鶴十郎の幽霊と伴内とは相対じした。格闘の末幽霊は伴内に倒された。幽霊は木塚の手先となって働いていた山本であった。前劇場主中谷を殺し自殺と見せかけ、登記書類を偽造し劇場乗っ取りに成功した木塚一味の悪行は伴内の手によって暴かれた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2007/06/23

2021/01/24

55点

テレビ/有料放送/チャンネルNECO 


こういう強引な映画も良いね。いまだと突っ込みどころばっかりなんだけどね。

シリーズ四作目で、大映での製作はこれでおしまい。
大映・永田雅一社長が、
「多羅尾伴内などは幕間のつなぎであって、わが社は今後、藝術性の高いものを製作する」と言った。
これに片岡千恵蔵が激怒し、東映に移りそこでシリーズと続行させた。厳密に言えば東映の前身である東横に移った。そういう経緯だと、大映が多羅尾伴内の著作権を持っているんじゃないんだと不思議に思うが、永田社長も冒頭のコメントどおりに著作権を持っていても軽く見ているシリーズだからほっといたのか。あるいは著作権自体を軽く見ていたのか。

シリーズ最終作はどうやら「オペラの怪人」が元ネタだと思われる内容だ。怪奇調で大映シリーズでは一番楽しめた。とはいってもC級映画と言うのは変わらない。この作品でも「ある時は・・・」が無い。この大映四本では、こういう決まり事がまだ固まっていないようだ。
大映だけど、月形龍之介、大友柳太郎、進藤英太郎という布陣は東映時代劇っぽいね。片岡千恵蔵の後を追ったのか?