ラピュタ阿佐ヶ谷で開催の「若尾文子映画祭」にて鑑賞。
本作は初めて観る若尾文子出演作で、今回のラピュタ阿佐ヶ谷で上映される若尾文子出演作のうち未見3作品の中の1本。
自分が観る若尾文子出演作の136作目。
若尾文子と共演しているのが毎度の菅原謙二なので、てっきり二人が恋人役かと思ったら、菅原謙二の片想いという意外な展開…(^^;
監督は、枝川弘。
「明治三十八年、日本は大国ロシアに戦争で勝利した」とのテロップが出て、日露戦争が終わった時代の物語が描かれている。
戦場から生きて伊万里の道場に帰って来た信介(菅原謙二)は、自分が惚れていた道場の亡き師匠の娘=秋子(若尾文子)が信介の弟=良多(品川隆二)を好きらしい。
更に、柔道の稽古をしていた道場には人影がなく「おかしいな?」と思っているところへ、道場破りのザンバと名乗る男(高松英郎)が「この道場をいただくために決闘がしたい」と言ってくる。
ちなみに、映画では高松英郎演じる男は「ザンバ、ザンバ」と呼ばれていたので頭の中ではカタカナ苗字だったが、あとで確認したら「残馬」という苗字だった。
兄は秋子をあきらめ、彼女が好きな弟との幸せを願って、二人を東京に送り出す。二人が東京行く直前には、若尾文子の舞いが見られる。
そして、自分は道場を守るために残馬と決闘するが、決闘で眼をやられてしまって、めくらになってしまう。残馬は高い崖の上から海に落ちたので死んだと思われた。
五年後、信介は支那から日本に帰国する船上にいた。両目はほとんど見えないが、お竜という女(小野道子)を毒蛇から救ったことで、彼女から「命の恩人」と言われる信介。
お竜は実はやくざで壷振りの名人だったが、足を洗おうとしていた時だったので、「生け花の師匠」ということになっている状況だった。
ここで可笑しいのが、「お竜…という名前が堅気?」というのもあるが、彼女の手下(潮万太郎)が「姐御…じゃなかった、師匠」と何度も言い直すのが楽しい。
そして、信介は弟に会おうとするが、5年の間に弟は官吏となって男爵宅に住んでいたが、出世の妨げとなる兄や東京に一緒に来た秋子=若尾文子と接することは避ける。
兄(菅原謙二)は「秋子(若尾文子)を芸者にさせて金だけ貢がせた弟が、いまや男爵令嬢(金田一敦子)に結婚を申し込んでいる」と聞いて憤怒する。そして弟に愛にいくのだが……。(この件、以下、割愛)
そして、お竜援助によって、信介は両目の高額手術を受けて眼が見えるようになりそうだったが「安静にしていれば…」の前提付き。
そんな時に決闘……となってしまいといった展開。
物語全体を見渡すと、「本作のタイトル『嵐の講道館』って、なぜそんなタイトル付けたの?」と思ってしまうぐらい、講道館はあまり関係ない。
また、若尾文子の配役した女性も、好きになった男性=弟から捨てられたも同然の扱いで、芸者になって弟に金だけ貢ぐ役……なんだか「せっかく可愛い若尾文子なのに、不憫な役」で気の毒になってしまう感じだった。
また、男爵令嬢にやはり結婚を申し込んだ男がもうひとり居て、彼は芸者の若尾文子も好きになっているという男に、柴田吾郎(後の田宮二郎)が出演していて、「さすが大映映画、見慣れた顔ばっかり」の状態…(笑)
本作初めて観たのだが、おそらくサササッと作られたプログラムピクチャーなんだろうな……と思える「いかにもセットと分かる決闘場面」など、大量生産2本立てのうちの1作だという感じがした。
本作はモノクロ映画だったが、フィルム状態はまずまずで画質良好な感あり。
それなりに新鮮な場面は散見されたものの、映画としてはさほど面白かった感じはせず、若尾文子出演作の1本という印象だった。
若尾文子出演の未見作も「あと25本」となったが、上映機会少なく、未ソフト化ばかりなので自分が生きている間に全部観られるかは不明……(笑)
とりあえず、本作を上映してくれたラピュタ阿佐ヶ谷に感謝。
<映倫No.10780>