嵐の講道館

あらしのこうどうかん|The Judo Champ|----

嵐の講道館

レビューの数

3

平均評点

53.7(6人)

観たひと

8

観たいひと

4

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1958
公開年月日 1958/8/12
上映時間 89分
製作会社 大映東京
配給
レイティング
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督枝川弘 
脚本松浦健郎 
石井喜一 
企画久保寺生郎 
製作永田秀雅 
撮影高橋通夫 
美術柴田篤二 
音楽加藤三男 
録音飛田喜美雄 
照明伊藤幸夫 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演菅原謙二 高信介
品川隆二 高良多
若尾文子 太宰秋子
小野道子 五光のお竜
高松英郎 残馬八郎
金田一敦子 有馬京子
花布辰男 有馬男爵
平井岐代子 有馬夫人
柴田吾郎 佐東正雄
潮万太郎 土手松
上田吉二郎 櫓組の朝吉
守田学 ショッキリの源
中条静夫 
小山内淳 
津田駿二 
村田知英子 お駒
清川玉枝 料亭の仲居
高田宗彦 ドクトルハイネッケ
若松健 日本人の助手

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「運河」の松浦健郎と、石井喜一の脚本を、「南氏大いに惑う」の枝川弘が監督、高橋通夫が撮影した柔道映画。「愛河」の菅原謙二、「口笛を吹く渡り鳥」の若尾文子、「赤線の灯は消えず」の小野道子、ほかに高松英郎・金田一敦子・柴田吾郎らが出演。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

--明治三十八年、日露戦争は終った。高信介は北九州伊万里の大宰道場へ戦場から帰ってきた。師匠はすでに死んでい、その娘・秋子は信介の弟・良多を恋しているらしかった。信介の許婚者だったのに。良多は柔道をやめ、東京へ行き、学問で身をたてようと思っていた。信介は道場破りに前々から良多へ挑戦していた残馬八郎に立向った。彼は恋をあきらめ、弟を東京に発たせ、そのあとを秋子に追わせたのだ。暁の岬で信介と残馬は秘術を尽した。彼の一本背負が決った。が、残馬の空手が信介の眼をとらえた。二人はもつれあい、崖を落ち、海中へ没した。--五年後、信介の姿が中国から日本へ向う船の上に見られた。彼は漁師に救われ、中国でさる老人のもとで修業を積んできたのだ。が、彼の両眼の視力は薄れていた。信介は船中で五光のお竜が毒蛇に襲われたのを助けた。お竜は東京の彼女の知り合い・髪結いの二階に彼を導く。彼女は実はやくざで、壷振りの名人だが、信介には生け花の師匠と言ってある。惚れた弱身だ。信介はお竜の手下・土手松に連れられ、弟良多にあいに行った。良多は官吏となり、有馬男爵の知遇を得ている。良多は兄に冷たかった。出世のジャマらしいのだ。信介は秋子が芸者になって良多にみついできたことを知る。それなのに、良多は有馬家の娘京子に求婚し、秋子を捨てようとしているのだ。信介は髪結に来た秋子と出会い、話をきいた。お竜は信介がいまだに秋子を忘れていないのをさとった。彼女は信介をドイツ人の医者に見せ、手術させる。その金のため、壷振りを一度だけやることにした。櫓組の賭場では、残馬が用心棒をしていた。彼は片腕になったが、生きていたのだ。良多は秋子に手切金を渡し、京子の結婚承諾を待った。が、京子は良多の恋仇・佐東からすべてを聞いてい、彼をこばんだ。秋子は手切金を手術費の足しにとお竜に渡した。が、彼女は座敷で櫓組の連中が佐東の頼みで良多を襲うことをきくと、思わず信介の病院へ走った。信介の視力が回復した直後のことである。彼は決闘場へ向った。再び残馬と闘う。彼が残馬を海中へ投げすてたとき、衝撃で彼の眼はふたたび見えなくなった。弟がやっと駈けつけた。彼は弟を投げた、心を入れかえろと。弟はさからわず、投げられるままにまかせた。すでに改心していたのだ。秋子が駈けつけ泣きながらとめたとき、信介はやっと手をはなした。涙で抱きあう二人を残して、信介は、西へ向う汽車へ乗った。それには、信介にイレズミを見られるのを恥じたお竜が乗っているはずだ。すでにお竜は恥じる必要はなかった。信介は再び失明したのだから。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1958年8月下旬号

日本映画紹介:嵐の講道館

2025/05/08

2025/05/08

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『嵐の講道館』。明治末期。菅原謙二は柔道経験者だろうか。他流試合は禁止されていると言いながら空手家(高松英郎)と一騎打ち。兄弟(菅原謙二・品川隆二)が堀端で会話するが奥の方では自動車が写り込んでいる。有馬京子(金田一敦子)が弾いていたピアノのブランドは何だろう、初めて見るマーク。

2025/05/05

2025/05/06

55点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


明治異種格闘戦。

ネタバレ

<若尾文子映画祭 -大映〈プログラムピクチャー〉の職人監督>の上映作品。

枝川弘監督、菅原謙二主演作。日露戦争から帰ってきた道場に帰ってきた主人公・信介は荒れ果てた道場を見て驚くが、沖縄から来た空手の使い手の挑戦を受ける。本来なら道場を継いだ弟・良多への挑戦であったが、もはや柔道への情熱を失った良多の代わりに信介が果たし合いに臨む。非道な攻撃で視力を失った信介だが、闘いには勝つ。五年後に信介が再会した良多は、恋人を捨て自身の立身出世のみを考える卑劣な人間に成り下がっていた…

若尾文子が演じるのは、良多のために芸者になりながら、捨てられる秋子。見どころのない良多から離れようとしない姿は、一途というより執着にしか見えず。

男爵令嬢をめぐる良多の恋敵・佐東を、柴田吾郎(a.k.a田宮二郎)が演じているが、その卑劣さは誇張しすぎの演出に見える。

2025/05/04

2025/05/04

60点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


自分が観る若尾文子出演作の136作目

ラピュタ阿佐ヶ谷で開催の「若尾文子映画祭」にて鑑賞。
本作は初めて観る若尾文子出演作で、今回のラピュタ阿佐ヶ谷で上映される若尾文子出演作のうち未見3作品の中の1本。
自分が観る若尾文子出演作の136作目。

若尾文子と共演しているのが毎度の菅原謙二なので、てっきり二人が恋人役かと思ったら、菅原謙二の片想いという意外な展開…(^^;
監督は、枝川弘。

「明治三十八年、日本は大国ロシアに戦争で勝利した」とのテロップが出て、日露戦争が終わった時代の物語が描かれている。
戦場から生きて伊万里の道場に帰って来た信介(菅原謙二)は、自分が惚れていた道場の亡き師匠の娘=秋子(若尾文子)が信介の弟=良多(品川隆二)を好きらしい。
更に、柔道の稽古をしていた道場には人影がなく「おかしいな?」と思っているところへ、道場破りのザンバと名乗る男(高松英郎)が「この道場をいただくために決闘がしたい」と言ってくる。
ちなみに、映画では高松英郎演じる男は「ザンバ、ザンバ」と呼ばれていたので頭の中ではカタカナ苗字だったが、あとで確認したら「残馬」という苗字だった。

兄は秋子をあきらめ、彼女が好きな弟との幸せを願って、二人を東京に送り出す。二人が東京行く直前には、若尾文子の舞いが見られる。
そして、自分は道場を守るために残馬と決闘するが、決闘で眼をやられてしまって、めくらになってしまう。残馬は高い崖の上から海に落ちたので死んだと思われた。

五年後、信介は支那から日本に帰国する船上にいた。両目はほとんど見えないが、お竜という女(小野道子)を毒蛇から救ったことで、彼女から「命の恩人」と言われる信介。
お竜は実はやくざで壷振りの名人だったが、足を洗おうとしていた時だったので、「生け花の師匠」ということになっている状況だった。
ここで可笑しいのが、「お竜…という名前が堅気?」というのもあるが、彼女の手下(潮万太郎)が「姐御…じゃなかった、師匠」と何度も言い直すのが楽しい。

そして、信介は弟に会おうとするが、5年の間に弟は官吏となって男爵宅に住んでいたが、出世の妨げとなる兄や東京に一緒に来た秋子=若尾文子と接することは避ける。
兄(菅原謙二)は「秋子(若尾文子)を芸者にさせて金だけ貢がせた弟が、いまや男爵令嬢(金田一敦子)に結婚を申し込んでいる」と聞いて憤怒する。そして弟に愛にいくのだが……。(この件、以下、割愛)

そして、お竜援助によって、信介は両目の高額手術を受けて眼が見えるようになりそうだったが「安静にしていれば…」の前提付き。
そんな時に決闘……となってしまいといった展開。


物語全体を見渡すと、「本作のタイトル『嵐の講道館』って、なぜそんなタイトル付けたの?」と思ってしまうぐらい、講道館はあまり関係ない。
また、若尾文子の配役した女性も、好きになった男性=弟から捨てられたも同然の扱いで、芸者になって弟に金だけ貢ぐ役……なんだか「せっかく可愛い若尾文子なのに、不憫な役」で気の毒になってしまう感じだった。

また、男爵令嬢にやはり結婚を申し込んだ男がもうひとり居て、彼は芸者の若尾文子も好きになっているという男に、柴田吾郎(後の田宮二郎)が出演していて、「さすが大映映画、見慣れた顔ばっかり」の状態…(笑)

本作初めて観たのだが、おそらくサササッと作られたプログラムピクチャーなんだろうな……と思える「いかにもセットと分かる決闘場面」など、大量生産2本立てのうちの1作だという感じがした。

本作はモノクロ映画だったが、フィルム状態はまずまずで画質良好な感あり。
それなりに新鮮な場面は散見されたものの、映画としてはさほど面白かった感じはせず、若尾文子出演作の1本という印象だった。

若尾文子出演の未見作も「あと25本」となったが、上映機会少なく、未ソフト化ばかりなので自分が生きている間に全部観られるかは不明……(笑)
とりあえず、本作を上映してくれたラピュタ阿佐ヶ谷に感謝。

<映倫No.10780>