総会屋錦城 勝負師とその娘

そうかいやきんじょうしょうぶしとそのむすめ|----|----

総会屋錦城 勝負師とその娘

レビューの数

6

平均評点

64.9(14人)

観たひと

27

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1959
公開年月日 1959/11/10
上映時間 110分
製作会社 大映東京
配給
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督島耕二 
脚色井手雅人 
原作城山三郎 
企画塚口一雄 
製作武田一義 
撮影小原譲治 
美術仲美喜雄 
音楽大森盛太郎 
録音長谷川光雄 
照明久保田行一 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演志村喬 内藤錦城
轟夕起子 妻モト
叶順子 美和子
青木茂 健三
片山明彦 間宮
柳永二郎 大村茂樹
山本礼三郎 扇山富郎
多々良純 
三島雅夫 猿丸
川崎敬三 前岡
南方伸夫 鶴岡
目黒幸子 浜田
平井岐代子 沢代
伊井糸江 沢代の養女
品川隆二 扇山富夫
藤巻公義 扇山富次郎
市田ひろみ 若い女
見明凡太朗 鷲見
田中春男 三宅
津田駿二 総会屋A
星ひかる 中気の男
石黒達也 石田弁護士

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

城山三郎の直木賞受賞作品の映画化。「埠頭の縄張り」の井手雅人が脚色し、「花の大障碍」のコンビ島耕二が監督し、小原譲治が撮影した。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

内藤錦城の一人娘、美和子は子の健三を連れて稼ぎ先の芦屋から東京の父の許へ帰って来た。嫁いだ芦屋の家で待っていたのは、「総会屋の娘」という軽蔑感と、莫大な持参金でしかなかったのだ。しかし、錦城は美和子を芦屋に帰そうとした。美和子には大阪に愛人がいた。錦城はこれを知ると怒った。錦城は、明治の大財閥某が四国に遊んだ折のたわむれから生れた子だった。彼は父の名も顔も知らず、十歳の時には里子に出された。その時から権力にはむかう反骨の精神がめばえた。錦城は大会社の運命を自由に操る総会屋の中の大物と呼ばれるに至った。--大洋銀行の株主である総会屋扇山富郎は、銀行乗っ取りを策し総会屋たちを次々に買収していた。驚いた大村頭取は、重役会議を開いて錦城の出馬を乞うた。が、錦城は病に倒れており、美和子の問題もあって起ち上ろうとしなかった。錦城に仕える一人の青年がいた。間宮といい、浮浪児だったが錦城に救われ大学まで出して貰った。美和子を好きだった。美和子は間宮に五百万円の金を無心した。間宮はその金策の手段として、大村頭取に錦城の出馬に努力することを約した。美和子の金策が大洋銀行からのものであることを知った錦城は落胆し、大村の申入れを承諾した。打合せの夜、料亭で錦城は扇山の息子兄弟に襲われた。入院した錦城の容態は、一進一退だった。株主総会、錦城の熱弁は扇山一派を敗退させた。「総会屋錦城はわし一代で終りだ。これからの若いものにはやってもらいたくないな」その夜、錦城はしみじみ間宮に言った。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2020/09/19

2020/09/19

50点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


志村喬VS山本礼三郎

城山三郎の原作は未読だが、こんな話なのだろうか。錦城(志村喬)の銀行株主総会での最後の勝負と、娘(叶順子)の結婚そして浮気の話が水と油で、映画としてはイマイチだった。ライバルの大物総会屋に山本礼三郎。【昭和の銀幕に輝くヒロイン:叶順子】

2020/09/13

2020/09/14

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『總会屋錦城 勝負師とその娘』。見たことあった。正直、総会屋とは何かが全く分かっていないので株主総会のシーンでは置いてきぼり。久しぶりにタカラビールが登場。台所にタカラビールの贈答用箱が置いてある。料亭「鶴の家」は川沿いで鉄道鉄橋脇にあるがどこだろう。内藤家では二股ソケット使用。

2017/12/06

2017/12/12

-点

映画館/東京都/東京国立近代美術館 フィルムセンター 


『聰会屋錦城 勝負師とその娘』。大映マークの背景は小さな長円か楕円が並んだ幾何学模様。引退した総会屋(志村喬)の弟子に片山明彦。敵対する総会屋に山本礼三郎(渋くてかっこいい)。その手下の一人に藤巻公義(潤)。志村喬が、浪花節「赤穂義士外伝 村上喜剣」をうなる。三味線は轟夕起子。

2016/05/08

2016/05/11

60点

映画館/東京都/東京国立近代美術館 フィルムセンター 


総会屋はダニだ

好々爺然とした志村喬が伝説的総会屋を演じるのは、キャスティング的にはしっくりしない思いがする。
叶順子や轟夕起子をそれなりのウエイトで登用しているものの、やはり株主総会のシーンが本作品のキモであり、家族ドラマとしての描写は印象にあまり残らないのはやむを得ないと思う。

2012/02/04

2014/08/25

75点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


堂々たる力作

ネタバレ

ラピュタで観た「総会屋錦城」は、ある銀行を舞台にして総会屋の山本礼三郎が株式の10%以上を握った上で不正融資を告発し、臨時株主総会の開催を要求して経営権を狙うという事態を受けて、銀行頭取の柳永二郎は、今は現役総会屋を引退している総会屋錦城こと志村喬に対策を依頼するものの、志村はなかなか受けようとしない中、芦屋に嫁いでいた志村の娘・叶順子が婚家との折り合いを悪くしただけでなく、夫以外の愛人を作ったために実家に帰ってきて、薬の研究家であるその愛人に研究費を貢ごうとして、柳永二郎の銀行から借金をするという事態となり、志村はついに柳の銀行の株主総会を仕切る仕事を受け負うこととなり、常に看護師に日常生活を監視されるような病人でありながらも志村は、人生最後の株主総会に立ち向かってゆくというお話で、友人から聞いていた評判通り堂々たる映画で、戦前の「風の又三郎」や「次郎物語」などの児童映画はよかったものの戦後はこれという作品がないと思っていた島耕二にも、これだけの映画が撮れたのだという驚きをもたらしてくれました。
冒頭の株主総会と総会屋の関係を端的に説明する字幕や株主総会場面の処理もテンポが良いですが、弟子の総会屋・片山明彦が隠居中の師匠である志村喬に銀行の株主総会の様子を報告する場面から、画面手前にアップになった志村の表情と画面奥にいる片山の表情の双方にピントを合わせて対比的に見せるパン・フォーカスが、効果的に画面の奥行きを作り出し、このあともパン・フォーカスは全篇を通した基本テクニックとして使われて、会議場面や室内の宴会場面で画面に奥行きを与えていました。
映画のタイトルは、志村喬と娘・叶順子を前面に出し、じじつラストには薬研究家の川崎敬三と大阪で幸せに暮らす叶を登場させ、父親との確執が氷解するようなエピソードを用意して映画を締め括っていますが、力点はむしろ、新橋駅前で靴磨きをしていたところを志村喬に拾われて、総会屋の仕事を身近で見ていた片山明彦の視点から見た志村の最後の大仕事に向けた執念のほうであり、片山は実父・島耕二の演出に良く応える熱演を見せています。
ただ残念だったのは、志村喬が総会屋仲間の前で得意の浪花節を披露する場面が、口パクだったことで、マキノ映画で見事な喉を披露した志村なのですから、地声を聞かせて欲しかったものでした。

2012/02/04

2012/02/10

82点

映画館 


ラピュタで観た「総会屋錦城」は、ある銀行を舞台にして総会屋の山本礼三郎が株式の10%以上を握った上で不正融資を告発し、臨時株主総会の開催を要求して経営権を狙うという事態を受けて、銀行頭取の柳永二郎は、今は現役総会屋を引退している総会屋錦城こと志村喬に対策を依頼するものの、志村はなかなか受けようとしない中、芦屋に嫁いでいた志村の娘・叶順子が婚家との折り合いを悪くしただけでなく、夫以外の愛人を作ったために実家に帰ってきて、薬の研究家であるその愛人に研究費を貢ごうとして、柳永二郎の銀行から借金をするという事態となり、志村はついに柳の銀行の株主総会を仕切る仕事を受け負うこととなり、常に看護師に日常生活を監視されるような病人でありながらも志村は、人生最後の株主総会に立ち向かってゆくというお話で、友人から聞いていた評判通り堂々たる映画で、戦前の「風の又三郎」や「次郎物語」などの児童映画はよかったものの戦後はこれという作品がないと思っていた島耕二にも、これだけの映画が撮れたのだという驚きをもたらしてくれました。