鹿島灘の女

かしまなだのおんな|Maidens of Kashima Sea|----

鹿島灘の女

レビューの数

4

平均評点

65.1(11人)

観たひと

18

観たいひと

2

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1959
公開年月日 1959/10/7
上映時間 92分
製作会社 東映東京
配給
レイティング
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督山村聡 
脚本八木保太郎 
企画岡田寿之 
吉野誠一 
製作大川博 
撮影荒牧正 
美術北川弘 
音楽斎藤一郎 
録音大谷政信 
照明吉田一一 
編集祖田富美夫 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演春丘典子 静子
山本幸子 和子
小笠原慶子 弓子
谷本小夜子 玉子
鈴木暁子 芳子
江原真二郎 幸吉
水木襄 良夫
岡野耕作 茂夫
清村耕次 万兵衛
岡部正純 進太郎
豊野弥八郎 定夫
土山政志 保夫
金子敏江 春子
佐藤淑子 君ちゃん
杉義一 
左卜全 沖合爺
殿山泰司 山一問屋のおやじ
吉川満子 人屋の婆さん
田中恵美子 バスの車掌
加藤嘉 大造
住田知仁 栄吉
打越正八 船方の忠さん
山村聡 宗右衛門
杉村春子 
沢村貞子 かね子
今井俊二 次郎
小宮光江 邦子
利根はる恵 文子
小笠原章二郎 吾助
中村是好 竹田
花澤徳衛 大下
織本順吉 青木
三宅邦子 お豊
桧有子 お仙
八代万智子 みゆき
高須準之助 村の青年A
森弦太郎 村の青年B
久地明 村の青年C
都築みどり 博子
須藤健 須藤
柳永二郎 太田
神田隆 佐々木
相馬剛三 モンタン巻きの行商
小島洋々 祭りの世話人
滝島孝二 行商の男
潮健児 村の愚連隊A
中村克人 村の愚連隊B
清見淳 村の愚連隊C
相馬道子 ラーメン屋のおかみ
増田順司 職安の職員
山本緑 行商の女

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「第五福竜丸」の共同執筆者・八木保大郎のオリジナル・シナリオを、「母子草」の山村聡が監督したもので、鹿島の季節出稼ぎ労働者の生活を描いたもの。撮影は「海のGメン 暁の急襲隊」の荒牧正。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

鹿島灘は貧しい漁港である。沖の会社船に魚の群を押さえられて、僅かにとれる蛤や鰯では生活出来なかった。早場米の時期には、大挙して水郷地帯に刈り入れの出稼ぎに出かけるのが習慣だった。今年も若い男女はこの楽しい年中行事に出かけた。鹿島一の純情娘静子、楽天家の万兵衛、東京から職にあぶれて戻った幸吉も一行に加わった。静子は幸吉を愛していた。三時間バスにゆられて、水田地帯西代に着くと、馴染みの人屋を通して一行は各々と農家に配置された。幸吉と静子は豪農水田宗右衛門の家で働いた。農地相続をめぐって宗右衛門の家はいざこざが絶えなかった。姉のかね子、次男坊、母、嫁、東京にとび出した妹の邦子……。不思議な家族だった。幸吉は邦子に興味をもつが邦子はうけつけようとしなかった。祭太鼓の音が水田を流れ、水神様の祭の日が来た。幸吉は大道商人の口上を手伝ったことから、村のやくざに袋叩きにされた。幸吉を介抱してくれたのは行きずりの村の女みゆきだった。みゆきは夢に破れて東京から戻った女だった。二人は似た境遇だった。二人は一夜を共にした。翌日みゆきは幸吉の眼の前で断崖から身を投げた。幸吉の驚きは大きかった。その日以来、幸吉の姿は宗右衛門の家から消えた。静子はがむしゃらに働いた。雨が降り続いた。堤防にもしものことがあれば、早場米は泥になってしまう……。泥と汗にまみれて人々は一夜のうちに早楊米を刈りとってしまった。長雨も上った。秋晴れの道を鹿島の人々は帰って行った。村への帰り道、人の噂を頼りに、幸吉をさがして静子は銚子に寄ってみた。しかしすでに幸吉は印度洋あたりまで漁に出る独航船に乗り組み、港を後にしていた。静子も港を去った。バスは鹿島へ向っていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1959年11月下旬号

日本映画批評:鹿島灘の女

1959年10月上旬秋の特別号

新作グラビア:鹿島灘の女

日本映画紹介:鹿島灘の女

2019/03/16

2019/03/16

68点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


援農。

漁民の出稼ぎなんだけど、稲刈りの時だけ、地域で応援しに行くとスタイル。

江原真二郎が主人公と思って見ていると、終局など完全にヒロインの立場で終わっており、脚本がどうも巧くない。
江原に絡む女性は全部で三名いて、どれも感銘薄かった。

脇役である山村聡の家庭内のゴタゴタも同じような調子。杉村春子など無駄遣いである。

終盤に大雨を持って来て、盛り上げようとするのも安易。盛り上がらないけど・・・。

清村耕次さんが、三枚目をやっている。
三宅邦子が、稲刈りで、ぶっ倒れています。
適役と申せましょう。

犬吠埼の北だと思うけど、灯台が出てきた。

稲刈りのシーンが、ことのほか丁寧で、ソビエトの映画もこうだったのでは思わされた。
面白みは薄い。

2015/08/09

2015/09/18

55点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


地味で記憶に残りにくい

「鹿島灘の女」は10数年前にフィルムセンターで観たことがあり、細部は忘れたものの地味な米作り映画だという印象しか残っておらず、つい先日同じ舞台を描いた今井正の「米」を観たこともあって、ラピュタ阿佐ヶ谷の東映東撮特集で観直すことにしましたが、悪い映画ではないにせよ、地味で記憶に残りにくい映画ではありましたので、細部を忘れたのも無理はないかも知れません。
霞ヶ浦近くの貧農の息子や娘が、自分の家の田んぼを耕すだけでは食っていけないので、豪農の家の稲作を手伝う“援農”として働くという題材ですから、「米」とイメージがダブるのであり、双方が江原真二郎を主演にしているだけに、余計二つの映画がこんがらがるということになります。
しかし、「米」のほうは江原とは次男坊仲間の木村功の誘いによって、“帆曳き”という漁法を始め、嵐の中で木村は杭に絡まって溺死するという展開を示すのに対して、この「鹿島灘の女」のほうは、監督兼務の山村聰扮する豪農の田んぼを、江原を始め、彼と相思相愛の春丘典子、それに中村是好、花沢徳衛、織本順吉、三宅邦子といった“援農”の人々が耕し、刈り取るという話がメインとなります。
監督兼務の山村聰は、「蟹工船」「黒い潮」など、旧サヨク的な映画を撮ってきた人ですから、この八木保太郎脚本の農村映画にもお似合いですが、△印映画ゆえ単純に“地主は悪、農民は善”などというサヨク的図式のお話にはしておらず、まさに今井の「米」の続篇といった趣の映画になっています。
山村聰は、役者としては日本の名匠巨匠に重用される名優です(黒澤映画だけは出ていません)が、監督としては独立プロと日活で撮るチャンスがあったものの、その後機会を逸していたところ、東映娯楽映画の脇役をせっせとこなしたことが買われたのでしょうか、「母子草」「鹿島灘の女」「風流深川唄」を東映で撮れました。

2014/03/11

2014/03/12

70点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


今井正の「米」と双璧

#266 シネマヴェーラ渋谷「鹿島灘の女」。1959年製作の山村聡監督作品。今井正監督の「米」と同じ茨城県を舞台に同じ時代を背景としており主演も江原真二郎と共通している。太平洋岸の貧しい漁村から水郷地帯に早場米の稲刈りに出稼ぎに来た男女を描いたもので当時の記録としても貴重な作品。

2014/03/08

2014/03/09

60点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


早場米の収穫を手伝う出稼ぎ労働のスケッチ

鹿島灘の沿岸漁業があまりふるわず、若者は早場米の収穫を手伝うため西代まで出稼ぎにゆく(西代は調べてみると稲敷市西代のことだろうか? 水田地帯なのでおそらく・・・)。終戦直後の農地改革の状況。おにぎりの炊き出し。男も女も日焼け。