電話は夕方に鳴る

でんわはゆうがたになる|----|----

電話は夕方に鳴る

レビューの数

5

平均評点

64.8(8人)

観たひと

19

観たいひと

4

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1959
公開年月日 1959/7/8
上映時間 107分
製作会社 大映東京
配給 大映
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督吉村公三郎 
脚本新藤兼人 
企画川崎治雄 
製作武田一義 
撮影中川芳久 
美術間野重雄 
音楽浜中外代治 
録音橋本国雄 
照明泉正蔵 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演千田是也 立花卓造
村瀬幸子 妻節子
川崎敬三 長男長太郎
毛利充宏 次男浩二郎
大和七海路 長女綾子
仁木多鶴子 次女咲子
伊藤雄之助 山根伝吉
平井岐代子 伝吉の妻
殿山泰司 森下
金沢義彦 息子孝則
中村鴈治郎 神長伝右衛門
石井竜一 息子達三
小野道子 酒井辰枝
杉田康 永井善兵
目黒幸子 妻公子
野口啓二 弟貞次
船越英二 江川一平
上田吉二郎 浪千鳥仁吉
中村是好 刑事部長
南左斗子 つた子
原田玄 人民党支部長
高村栄一 社民党支部長
星ひかる 社民党支部幹部
小川虎之助 保守党東京幹部A
吉井莞象 保守党東京幹部B
宮島城司 社民党東京幹部
夏木章 刑事A
早川雄三 刑事B
飛田喜佐夫 刑事C
中条静夫 刑事D
村田扶実子 煙草屋のおばさん
市川ひろみ 花江
伊東光一 地方新聞編集長
守田学 新聞記者
三角八郎 私服の刑事
三宅川和子 婦人警官
大山健二 天文台長
久保田紀子 不良少女
津田駿二 マンボ・ボーイ
十朱久雄 美術館長
富田仲次郎 高福寺の和尚
見明凡太朗 七郎兵衛
田中三津子 娘つや子
花布辰男 太一
大川修 息子四郎
佐々木正時 人相の悪い男
ジョー・オハラ 歌会に出る男

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「才女気質」の新藤兼人のオリジナル・シナリオを、「夜の素顔」の吉村公三郎が監督したコミック・スリラー。撮影は「一刀斎は背番号6」の中川芳久。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

瀬戸内海の平和な市--市長の立花卓造の家に一通の脅迫状が舞いこんだ。五十万円よこせと書いてあった。翌日、卓造は市長室で推理小説マニアの秘書酒井辰枝に、事件を看破された。彼は助役の山根に相談した。そこに電話がかかってきた。声の主は速達を卓造のもとに送るといった。速達の内容は、娘の咲子に現金を持って喫茶店“旅路”に来いとあった。事件のことを元市長運転手の永井は妻に話した。弟の貞次は失業してぶらぶらしていた。市政ボスの神長は山根となにごとか密談した。翌日、問題の喫茶店--犯人は厳重な警戒を感づいて、計画中止の電話を市長夫人にかけてきた。市長宅では、町の有力者が集って相談をはじめた。神長は暴力団の一掃を主張した。とんだとばっちりを受けた浪千鳥一家の仁吉親分は大むくれ。あわてた森下署長は人民党支部を捜索した。書記長は神長の息子達三とわかり、とんだ藪蛇で伝右衛門は大あわて。警戒は日に日に厳重になった。水月楼で山根は妾の花江と密会、これを発見されて妻君にさんざん油をしぼられた。かくして、脅迫事件は町中をてんやわんやの大騒ぎにしてしまった。市長室の電話は夕方になると鳴った。相変らず脅迫はつづいた。市長選挙をひかえ、保守党・社民党の両幹部が町にのりこんで来た。市長の息子長太郎と友人の江川もやって来た。犯人は市長夫人に美術館のゴッホの絵の裏に金をかくしておけといって来た。今度はゴッホの絵が贋物だということがわかっただけで、犯人逮捕はまたも失敗。長太郎たち町の若いものは、脅迫事件で町の不正が暴かれたのを喜んだ。犯人は最後の脅迫の電話をかけて来た。指定の場所、町の繁華街に警戒網がしかれた。貞次はその中を、東京行の列車にのるために急いだ。辰枝がその後を追った。犯人は現われなかった。翌日、町に平和がもどった。市長室では卓造が得意気に、辰枝に市長選挙の抱負を語っていた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1959年7月下旬号

新映画評:電話は夕方に鳴る

1959年7月上旬夏の特別号

新作グラビア:電話は夕方に鳴る

日本映画紹介:電話は夕方に鳴る

1959年3月下旬号

シナリオ:電話は夕方に鳴る

2022/10/28

2022/10/30

50点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


新藤兼人のオリジナル脚本

市が平和過ぎるので、市の有力者の子供たちが“革命ごっこ”で刺激する、という核となる話が、今となっては意味不明。脚本は、新藤兼人のオリジナルだが、1959年(昭和34年)公開という時代を考えても、理解不能。市長の脅迫も、「どうしてこれで捕まえられないの?」というのどかさ。市長秘書の小野道子は、美人だなあと思ったら、長谷川一夫の娘だった!主演は、このラピュタ阿佐ヶ谷の【大映映画を支えたバイプレーヤーたち】特集で観た「猫は知っていた」の主演二木多鶴子。

2022/10/28

2022/10/28

-点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 

『電話は夕方に鳴る』。コメディタッチのミステリ。広岡市の市長(千田是也)に脅迫状が届く。倉敷でロケをしているのでこんな名称にしたんだろう。紅団の会合は喫茶「サタン」の2階で開かれる。市長秘書(小野道子)は探偵小説ファン。当時の50万円ってどの程度の価値なんだろう。犯人は近くにいる。

2020/02/11

2020/02/14

-点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 

『電話は夕方に鳴る』。廣岡市の市長(千田是也)に脅迫状が届く。シリアスな内容だが、話の雰囲気は喜劇風。なんだか笑っちゃう。市の幹部たちはあたふたしているが、周りの者は面白そうに見守る。倉敷でロケをしている。大原美術館や水路が何度も写る。秘密結社「紅団」、マスク着用で会合。

2007/02/08

2015/12/24

68点

映画館/東京都/新文芸坐 


ゆるーいコメディ

吉村のなかでは、あまり知られていない小品だが、一癖ありそうな連中を揃えたコメディで、そこそこ楽しめる。

2014/07/14

2014/07/18

55点

映画館/東京都/神保町シアター 


大部屋勢揃い

ネタバレ

 神保町シアターで初めて観た吉村公三郎「電話は夕方に鳴る」は、“大映の男優たち”という今回の特集テーマに相応しく、千田是也、伊藤雄之助、殿山泰司、中村是好ら、新劇やフリーの役者たちに混じって、東京撮影所の所属する大部屋男優の総動員と呼べるほど、観たことのある顔が揃っていました。
 千田是也扮する市長のもとに掛かってきた“50万円を用意しないと家族に災難が降りかかる”という脅迫電話をきっかけに、広島の隣にあるという設定の“広岡”という架空の小さな街に巻き起こる珍騒動を描くサスペンス・コメディという題材は悪くないし、唯一犯人を見つける市長秘書の小野道子が、古今東西のミステリー小説を読み漁っている推理オタクという設定だったり、市長の娘・仁木多鶴子が高校生仲間と密かに革命ごっこに興じているという設定だったりも、面白いとは思い、新藤兼人脚本らしい創意に富んでいます。
 しかし、市長の脅迫事件を機に街の膿が炙り出され、街が一歩浄化を果たすという展開の話でありながら、浄化の具体は所詮、夜の盛り場でたむろする不良たちの摘発程度にとどまっており、政治とヤクザの癒着を暴くとか、政治とカネの関係が露わになるとか、政治の言いなりになっているマスコミのだらしなさが明らかになるとかいった、具体的な成果は示されず仕舞いである点や、犯人探しという面では映画の早い段階から、市長の元運転手ながら今は失業中という杉田康の弟で、東京での仕事に失敗して久しぶりに帰郷したという設定の野口啓二に焦点が当てられるなど、底が割れている点、さらには、犯人の脅迫電話に対する警察の対応がワンパターンな点(大掛かりな捕り物準備を進めては、犯人の肩透かしを食う)など、不満もありますし、吉村演出に彼らしいテクニックが出ていない不満も覚えます。
 とはいえ、大山健二、高村栄一、伊東光一、花布辰男といったヴェテランは勿論のこと、杉田康、夏木章、早川雄三、飛田喜佐夫、中条静夫、守田学ら中堅どころ、石井竜一、三角八郎、大川修ら若手、さらには、クレジットに出ていたかどうかもわからぬ三田村元、藤巻潤など、大映多摩川の大部屋俳優は勢揃いでした。