伊達騒動 風雲六十二万石

だてそうどうふううんろくじゅうにまんごく|They call him a Conspirator|----

伊達騒動 風雲六十二万石

レビューの数

1

平均評点

61.3(4人)

観たひと

8

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1959
公開年月日 1959/6/23
上映時間 99分
製作会社 東映京都
配給
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督佐伯清 
脚色棚田吾郎 
佐伯清 
原作沙羅双樹 
企画杉井進 
撮影三木滋人 
美術桂長四郎 
音楽清瀬保二 
録音中山茂二 
照明田中憲次 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演大友柳太朗 原田甲斐
木村功 伊達綱宗
薄田研二 伊達安芸
大河内傳次郎 伊達兵部
山形勲 酒井雅楽頭
佐々木孝丸 片倉小十郎
沢村宗之助 白河主殿
長島隆一 伊達式部
高松錦之助 奥山大学
原京市 石河駿河
浅野光男 芦名刑部
中村幸吉 伊達弾正
那須伸太朗 鮎貝靭負
織田政雄 伊佐半左衛門
河内桃子 織恵
香川良介 茂庭周防
波島進 亘理三平
原健策 熊田甚吾兵衛
上代悠司 伊藤新左衛門
大城泰 大井
村田正夫 村田
飯島与志夫 渡辺金兵衛
河村満和 石堂数馬
若井緑郎 遠山勘解由
八汐路佳子 浅岡
藤木錦之助 多田武助
島田秀雄 園田善兵衛
松浦築枝 慶月院
山手弘 原田帯刀
雪代敬子 高尾太夫
野崎邦江 薄雲太夫
水野浩 三浦屋四郎右衛門
高橋昌也 島田重三郎
星十郎 浮世戸平
片岡半蔵 不死身の平六
小田部通麿 荒浪
加藤嘉 板倉内膳正
大邦一公 稲葉美濃守
堀正夫 久世大和守
古石孝明 阿部豊後守
阿部九洲男 島田出雲守

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

沙羅双樹の原作を「素晴らしき娘たち」の棚田吾郎と佐伯清が脚色、「東京べらんめえ娘」の佐伯清が監督した伊達騒動とその中心人物原田甲斐の半生を描く一篇。撮影は「大菩薩峠 完結篇(1959)」の三木滋人。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

徳川四代将軍家綱治下の寛文三年春、老中筆頭・酒井雅楽頭の屋敷で行われた伊達家の内紛公儀評定の席上、国家老・伊達安芸を倒し、自らも乱心者の汚名を受けて死んだ江戸詰総奉行・原田甲斐のこの悲劇は、すでに六年前、若い綱宗に家督が決った日から始まっていた。妾腹の子ゆえに十五歳まで正嫡として認められなかった綱宗は酒色に憂さを晴らし、吉原の花魁高尾太夫に執心の余り、彼女の情人・島田重三郎一味を傷つけたばかりか、なおも意に従わぬ高尾を殺した。折も折、綱宗放らつの噂に幕閣は千代田城外濠改修工事を伊達藩に申しつけた。江戸詰総奉行の甲斐は綱宗の行状に心をいためつつ、一方では改修の難工事に日夜苦労を重ねていたがついに綱宗隠居を決意、幼君・亀千代に替えることにした。が、これを実行すれば亀千代の後見役・本家直系の伊達兵部と甲斐が結託するものとして家中から邪推されることは明らか、しかし甲斐は決行した。高尾を斬り狂気にかられた綱宗は、さらに甲斐が故意に隠居を謀ったと思い重臣・白河主殿を刃にかけた。甲斐は、不忠者の罵言に耐えつつ綱宗を縛った。外濠工事は、藩祖公の遺した四万九千五百両の軍備金を費い果して完成したが窮迫した藩財政建直しのため藩士の俸給を一割けずることになった。家中の非難の声は甲斐に集った。国家老・伊達安芸は、藩の動揺を押え、伊達家中の内紛をつぶすため甲斐を倒そうと決意し、公儀に悪心二十七カ条の訴状を差出した。甲斐は二十七カ条のことごとく身に覚えはなかった。が、藩を救い、藩士とその家族を救うため、こうして酒井雅楽守の屋敷に自らを殺す決意を固めて向ったのであった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1959年7月上旬夏の特別号

日本映画紹介:伊達騒動 風雲六十二万石

1959年6月下旬号

新作グラビア:伊達騒動 風雲六十二万石

2020/08/22

2020/08/22

65点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


緊張感が乏しい

 主君に忠義を尽くし、財政が厳しかった仙台藩を救おうと懸命に努めて来た家老・大友柳太郎の悲劇を描き出した力作。「大地の侍」(1956年)のような大作時代劇に才を発揮した佐伯清監督だからこそしっかり作ってはいるが、ラストの展開に向かうまでの緊張感が乏しい点は否めず、勿体無い。
 「ゴジラ」(1954年、本多猪四郎監督)のヒロインで有名な河内桃子が本作でもヒロインとして出演している。この人はやはりこういう上品なお嬢様役がとても良く似合う。時代劇でもしかり。立派に成長はしているものの、雨風に激しく揺さぶられ、今にも折れそうな松の枝が、主人公の悲劇的な運命を思わせる。