第1部「インカ族の来襲」
「ナショナルキッド」は、1960年の放送時、私は小学1年生だったが、リアルタイムで完見していると思う。
再放送も繰り返し見た。
「仮面ライダー」は1本も見ていない。
「ウルトラマン」「ウルトラセブン」は再放送で見た。
私の場合は、「風小僧」山城新伍氏、「七色仮面」波島進氏、千葉真一氏、「少年ジェット」、「ウルトラQ」等だった。
そういうものである。
「ナショナルキッド」を監督した赤坂長義氏が、「スーパージャイアンツ」8部・9部も担当していた。
劇場映画最終作と思われる「九千万の明るい瞳」1961(主演:坂本武) は、ほぼ「ナショナルキッド」1960~1961と重なる時期の作品。
1961年から1968年まではテレビ界で監督されたとのことです。
「ナショナルキッド」の監督は、赤坂長義の他、小池淳、渡辺成男の名前もブックレットでは記されている。
第1部の特撮監督は、小池淳。
ナショナルキッド放送時期
1960年8月4日~1961年4月27日 全39話
製作:東映
今回、第1部「インカ族の来襲」13話分のみ、BOXで鑑賞。
第1部の監督は、赤坂長義。
また第7話のみ、BOX不完全収録(16分・・9分欠)となっている。
(他は24分~25分)
13話 総ランニングタイム 5時間19分36秒
39話 総ランニングタイム 16時間13分32秒
75点
総集篇VHSなどでは絶対カットされているであろう、アヴィカの神への祈りの長々としたシーンが、可笑しい。
炎の中から、男の神様が現れ、モダンダンスを踊る。
火焔銃α(アルファ)とか、ナショナルキッドより強い火星人(善人役)の登場とか、よく覚えている。
少年探偵グループ(みな孤児)の母親代わりのおねえさんは、太地喜和子さん。
クレジットは、志村妙子となっている。
彼女は、当時18才、千葉真一氏と同期ということである。
第1話の端役に、室田日出男さん、本間千代子さんが出てる。
インカ金星人の隊長アウラによれば、地球攻撃の理由は、人類の無秩序な原子力利用、他人(ひと)の惑星に人工衛星を打ち込み被害を及ぼしたとのことによる。
まぁそれで総攻撃というのも無茶な話なのだが。
またアヴィカの神は、インカ金星人だけでなく、火星人を含む多数の宇宙種族が信奉している神だった、という描写も意外だった。
これって、ひょっとして宗教戦争か!?
ここまで書いて思い出したのは、手塚治虫氏の「W3」。
同じような趣向で、宇宙会議で人類の暴虐に対し「地球消滅」を決議したあと、W3の3人が、《本当に人類は消してよい存在なのか?》を調査に、地球へ来るという話だった。
「ナショナルキッド」の特撮のセンスは、モノクロだが高度で、円盤や母船スカウの格好いいスタイルは、「地球防衛軍」のドーム・円盤・宇宙ステーションより上だと思う。
合成も、モノクロゆえか境目がはっきりしていなくて上等。
特撮の神様、円谷氏には失礼だと思うのだが、正直な俺の気持ちなので仕方ない。
こっちの円盤の、キ~ン、キ~ンという効果音も素晴らしい。
第2部「海底魔王ネルコン」9話 (14話~22話) 監督:小池淳
第3部「地底魔城」8話 (23話~30話) 監督:小池淳 脚本に赤坂長義
第4部「謎の宇宙少年」9話 (31話~39話)監督:小池淳、渡辺成男 脚本に赤坂長義
第4部では、ギャプラなる怪獣も出てくる。
製作が間に合わず、エピソード当初は透明怪獣だったのは御愛嬌だが、かえって無気味さは増して、 怖さはかなりのものだった。
実際、姿は見えず、地響きのような足音、海面に立つ水柱のみというのは「なんなんだ!?」という凄味だった。
ゴジラも大魔神も、怖さのポイントのひとつはあの足音なんだよね。