ダニ

だに|Fancy Man|----

ダニ

レビューの数

6

平均評点

73.0(13人)

観たひと

24

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1965
公開年月日 1965/8/12
上映時間 82分
製作会社 東映東京
配給 東映
レイティング
カラー シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督関川秀雄 
脚本下飯坂菊馬 
企画園田実彦 
撮影仲沢半次郎 
美術森幹男 
音楽内藤法美 
録音小松忠之 
照明銀屋謙蔵 
編集長沢嘉樹 
スチル田中真紀夫 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演梅宮辰夫 郡司彰
北あけみ 水野晴美
杉浦直樹 水野修一
香月美奈子 由紀
金子克美 冴子
大原麗子 幸子
宮園純子 湯川福子
大村文武 木戸
沢彰謙 稲富銀次郎
須賀良 伸夫
石橋蓮司 三郎
小林稔侍 三村
八名信夫 柴田
室田日出男 高石
高橋満寿美 道子
佐々木伊都子 朱美
東百合子 民子

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「黒い猫」の下飯坂菊馬の脚本を「ひも」の関川秀雄が監督した“夜の青春”シリーズ第三作目。撮影は「いろ」の仲沢半次郎。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ヤクザ郡司彰は、組が暴力組織追放のあおりで解散し、その日から食う道を探さなければならないハメにおちいった。そこで彰は情婦由紀のところにころがりこもうと、彼女の働くキャバレーへ出かけた。そのころキャバレーでは、製菓会社の営業課長木戸が由紀を口説いていた。これ幸いと彰は二人の跡をつけ、ホテルの一室で木戸を脅迫して十万円をまきあげた。その晩、由紀のアパートに泊った彰は、彼女の前の部屋に住む喫茶店のウェイトレス冴子が銀座のセントラル商事の社長水島をくわえこんでいるのを知り、早速冴子を誘惑し、冴子と組んで水島から金をせびりとろうとした。だが遊びなれている水島はこんなことには動じなかった。金を出さない水島に腹をたてた彰は、水島の妻晴美に水島の情事をでっちあげて報告した。効果はてき面で、夫に裏切られたことを知った晴美は、激しく水島を責め、家をとび出して親友のデザイナー福子のところに泣きこんだ。この成り行きにほくそえんだ彰は、晴美を閉店中のバーに誘いだし、身体をうばった。翌日、彰は水島を呼びだし晴美との情事を告げてナルシスチックな陶酔にひたった。そんな彰にも他人には抱かせたくない女・幸子がいた。彰と幸子は他人の眼をのがれてひっそりと逢う瀬を楽しんだ。一方、次第に足が遠のく彰に腹をたてた由紀と冴子は、彰が同棲している晴美の部屋にのりこんだ。ところが晴美は睡眠薬自殺を計った後だった。そのころ彰は、幸子と共にホテルのプールで新しい金ヅルを探していた。折しも彰を追ってやって来た由紀は、二人の姿を見て逆上し彰をバルコニーから突き落した。彰はこの事故で性不能となってしまった。そんな彰の姿に絶望した幸子は、必死にすがりつく彰をふりきって、姿を消していった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1965年8月下旬記念特別号

新作グラビア:ダニ

日本映画紹介:ダニ

2022/09/19

2022/09/19

84点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


劇場鑑賞2回目―最大の屈辱?

 毎度のように巧みなテクニックで女を騙してはもてあそぶ梅宮番長。今回は北あけみ・杉浦直樹のブルジョア夫婦をターゲットにやりたい放題。更にこの夫婦の冷え切った関係は、番長に抜け入る隙を与えてしまい、ことごとく破滅に追い込まれてしまうという、衝撃的な展開が待ち構えている。
 しかし梅宮番長も笑ってばかりではいられなかった。散々他の女と遊び過ぎて、自分に尽くして来た娼婦の香月美奈子の怒りを買って腰を負傷、自身も破滅の道へと突き進んで行く―「二文字」シリーズ史上、これは番長にとっては今までにないほど大きな屈辱であったのではないか?番長の腰に、香月の恨みが乗り移ったかのようだ、怖いね。散々辱しめを受けて自殺するにまで追い詰められた北あけみだったが、香月による復讐を機に今度は梅宮番長が自ら命を断とうとする立場に陥る展開が、いかにも皮肉であり、自業自得と言える。
 それにしても関川監督ってすごいよな、もう何でも撮れちゃうんだから。「ひろしま」(1953年)を撮っている監督と同一人物とは思えない。その演出・作劇はもう変幻自在だ。カメラ・ワークは「寄り」と「引き」の多用が巧みであった。テーマ曲、何だか「007」シリーズのそれを意識してる?余談だが次作「かも」で番長、魔子ちゃんに「007」に似ていると言われます。

2020/02/25

2020/03/01

-点

映画館/東京都/新文芸坐 


なるほどこれが梅宮か

銀座の女たちとそれを食い物にする男の業を描くいくつかの名作とは比べられないものの、予想したより遥かに面白かった。名手・中沢半次郎がモノクロで捉えた当時の銀座に辰兄いの硬質感のアンサンブルが効いている。私が辰兄いを知ったときは既にスケコマシキャラから卒業していたが、なるほどこれが梅宮辰夫か!と大いに納得した。

2019/06/20

2019/06/20

50点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


こんな映画までシリーズ化してしまうんだ

何でも括ってしまうのは問題と思うが、本作は「夜の青春」3部作の1作だそうだが意味が分からない。
梅宮達夫がイメージ通りのチンピラとなり、女や弱いものを食い物にして都会の中で生きてゆく。任侠映画のような大義も義侠心は皆無で、まさしくダニにふさわしい生き方かもしれない。
食い物にした女に、手痛いしっぺ返しを受け、下半身が不自由になり、因果応報とも思えます。この先、新たな女をゲットできるかは極めて困難に思えます。当時の風俗を切り取ったようなストーリーとも思えず、得る処のない空虚な作品でした。

2019/06/15

2019/06/15

80点

映画館/東京都/シネマヴェーラ渋谷 


振り回しては裏切って

 「夜の青春」シリーズの三作目。次作の「かも」(1965年)もそうだったが、大胆なロケーションが素晴らしい。こういう撮影が出来るなんて羨ましい。そしてカメラワークがなんと流麗なこと(!)。観ていて惚れ惚れする。
 金のために散々女をつかまえ、振り回しては裏切る梅宮辰夫の悪役ぶりは「かも」を凌ぐかも…なんちゃって(笑)。そんな彼の悪行も長くは続かず、不幸にも彼は女遊びの出来ない身体に…まぁ、自業自得なんだけど、それにしてもこの展開があまりに急で呆気ないなぁ。
 梅宮に振り回される夫婦は杉浦直樹・北あけみ。北が自分の夫の秘密を梅宮から聞かされ、夫と喧嘩する場面、ワンカットの長回しで見せている。あそこが印象に残る。夫を信頼できなくなり、梅宮にまんまと利用されては襲われ、初めて夫婦の愛の尊さに北が気付かされる。この展開がなかなか良かったのだが、夫・杉浦が情けないこと情けないこと…。自分の地位や名誉を守ることだけに精一杯、妻を見捨て、更には妻が死ぬことを望む…。なんてひどい奴なんだ!マジで腹立つわ!男って、本当駄目ねぇ~。
 北あけみの友人は宮園純子。村山新治監督の「旅路」(1967年)で夫との関係が上手くいっていないことで悩む女性の役を演じていた方。「旅路」の時とはまた異なった印象の女性を演じている。終盤には大原麗子も登場。知り合って間もないのに梅宮と愛し合うような仲に。しかし梅宮は彼女に呆気なく捨てられる。まぁ、これも自業自得だ。

2012/01/08

2014/08/27

75点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


生々しい映像の魅力

梅宮の名高いカナ2文字シリーズを観るのは、恥ずかしながら初めてだったのですが、組を解散されたヤクザが女たらしぶりを武器に美人局に精を出し、女も次々に取っ替え引っ替えするという題材自体は目新しくないものの、まるでドキュメンタリーのような生々しい映像が魅力。映画「ダニ」の生々しさは、ザラついたモノクロ映像のルックを作り上げた仲沢半次郎キャメラマンの成果ですが、そのルックの要因は、東映らしいベタ照明を排し、陰影に富んだナチュラルソース・ライティングに徹したせいでしょう。役者たちをロングで狙った関川秀雄演出も相乗効果を上げています。

2012/01/08

2012/01/17

82点

映画館 


ラピュタ6本目はダニ。梅宮の名高いカナ2文字シリーズを観るのは、恥ずかしながら初めてだったのですが、組を解散されたヤクザが女たらしぶりを武器に美人局に精を出し、女も次々に取っ替え引っ替えするという題材自体は目新しくないものの、まるでドキュメンタリーのような生々しい映像が魅力。
映画「ダニ」の生々しさは、ザラついたモノクロ映像のルックを作り上げた仲沢半次郎キャメラマンの成果ですが、そのルックの要因は、東映らしいベタ照明を排し、陰影に富んだナチュラルソース・ライティングに徹したせいでしょう。役者たちをロングで狙った関川秀雄演出も相乗効果を上げています。