星は何でも知っている

ほしはなんでもしっている|The Stars Know Nothing|----

星は何でも知っている

レビューの数

5

平均評点

61.4(10人)

観たひと

13

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / ミュージカル
製作国 日本
製作年 1958
公開年月日 1958/8/12
上映時間 48分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング
カラー モノクロ/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督吉村廉 
脚色小川英 
原作小野田勇 
企画茂木了次 
撮影姫田真佐久 
美術千葉一彦 
音楽河辺公一 
録音古山恒夫 
照明岩木保夫 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演丘野美子 嵯峨栞
岡田眞澄 松村五郎
木戸新太郎 富本三平
平尾昌章 平戸昌彦
伊藤寿章 藤田
菅井一郎 倉谷
初井言栄 欣子
葵真木子 典子
水木京一 写真屋の男
日輪マコ ファンの娘

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ロカビリー歌手の平尾昌章が、始めて主役として映画出演するもので、主題歌「星は何でも知っている」などを歌う歌謡映画小野田勇の原作を、小川英が脚色「お笑い三人組」の吉村廉が監督「知と愛の出発」の姫田真佐久が撮影した。平尾昌章をはじめ、丘野美子・岡田眞澄・菅井一郎・木戸新太郎(キドシン)などが出演している。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

天才少女作家嵯峨栞は不幸だった。美しい髪形、つぶらな瞳、彼女の美しいスタイルは、みんなマネージャー藤田の指図によるもので、彼女の自由になるものは何一つなかった。ある日のこと、栞は藤田の目をごまかし、平凡な少女に変装して街に出た。金を持たずに出てきたので、タクシー代が払えずに困っていると、見知らぬ男五郎が現れて、タクシー代を払ってくれた。栞は嫌がる五郎の後について、盛り場を遊び歩いた。それは天才少女ではなく、あどけない少女の姿だった。ジャズ喫茶でロカビリー歌手の平戸昌彦に会った。彼は彼女の幼馴染だった。そこに入って来たのは、五郎の勤める「週刊スクープ」のカメラマン富本だった。あとで、五郎は富本から彼女が嵯峨栞だときいて、地だんだ踏んでくやしがった。翌日、編集長におこられた五郎は、「嵯峨栞のすべて」という記事をとってみせるといってしまった。五郎は昌彦を使って、栞を江の島に誘いだした。砂浜に遊ぶ二人、青春を謳歌する栞の姿を、物陰から富本のカメラがねらっていた。気がとがめた五郎は、とうとう雑誌記者であることを白状した。絶望して走り去ろうとする栞を、五郎は激しく抱きすくめ、接吻した。そして、五郎は本当の愛情をしめすために、写真のフィルムを全部駄目にしてしまった。ところが翌日、「週刊スクープ」の誌上に、駄目になったはずの写真がデカデカとのった。栞の心は再び堅く閉ざされてしまった。女流文学賞の授賞式に、栞はフランスに旅行すると語った。傷心の五郎は思い出の江の島を一人悄然と歩いた。ところがそこで、問題の彼女の写真が、記念写真屋が撮ったものだと知った。写真屋の話から、その写真を藤田が買いとり、「週刊スクープ」に売ったこともわかった。五郎は、栞と藤田が飛立つ羽田飛行場にかけつけた。真相を知った栞は、藤田一人を機中に残して外に出てしまった。プロペラの轟音をきく、五郎と栞の顔は明るかった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1958年10月下旬号

日本映画批評:星は何でも知っている

1958年8月下旬号

日本映画紹介:星は何でも知っている

2024/03/08

2024/03/09

55点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


歌詞とあまり関係のない内容なのは、歌謡映画の典型か。

一時間にも満たない尺数なので、添え物の適当な企画で製作された。テキトーとはいっても製作するからには、スタッフや俳優は一生懸命に苦労して撮影したからテキトーだなんて言ったら失礼だな。でも歌謡曲から映画化するというのはまあ映画会社のお偉いさんは、添え物ですしね、と安直に企画しただろう。なんかそこら辺の流行りもんで良いやという印象だ。そういえばヒット曲からの映画化なんて今や絶滅したジャンルなのだ。

まあ話の骨子は「ローマの休日」であるが、日本では王政がないので、文学賞を取った人気作家に設定した。けれど、なんかアイドル並の騒ぎになっているのはどうかなあと思ってしまう。この映画の製作当時なら、文壇は芸能界とはちゃうわいと突っ込みを入れられそう。今なら文学だって芸能界みたいな軽さがないと、著作も売れないなあ。

日本で「ローマの休日」みたいに某国の王女様通りにするならば、皇室にしなきゃいけない。男社会の皇室だと、
主人公の男女の立場を逆にせねばならないし、何よりも皇室をこういう映画で使うことなんて、いくら戦後でもできないよなあ。

しかし、「ローマの休日」は名シナリオライターがアカ狩りのために匿名で書いた脚本を名監督ウィリアム・ワイラーがとびきりのロマンチック・コメディに仕上げた。
オードリー・ヘップバーンのカリスマ性も加味して、「タイタニック」以前の日本人がもっとも好きな洋画になって、今だオードリーは人気がある。

そんな超ド級な名画と比べたら酷だけど、本作はなにもかも劣る。
オードリーに敵わないのは当然だけど、ヒロインの丘野美子に華がなさすぎる。逆にファンファンの若い頃はジゴロ風の軽さを感じられるものの、逆にこの映画のように誠実な男なのもなかなかだ。平尾昌晃はヒロインの幼馴染として脇役で出ている。
ロマンチックコメディだけど、特に演出にうま味を感じないので、数年経ったら忘れ去られるな。

そんな映画史の片隅にも記載されないような凡作である。
だが平尾昌晃が歌手だった頃で、彼がロカビリー歌手として歌っている映像は初めて観た。そういう意味では日本の芸能史・音楽史的にはこれも資料価値は抜群で、残しておきたい映画・・・と思うのは、芸能関係に関心があるなら
ここだけ見どころだ。

2023/01/31

2023/02/01

65点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/テレビ 


「ロック夕焼け小焼け」「ロック会津磐梯山」!

平尾昌晃の「ロック夕焼け小焼け」や「ロック会津磐梯山」という曲を以前聴いて驚いたのだが、本作で歌唱しているのを観られたのが嬉しい。
 「ローマの休日」チックなドラマだがプログラムピクチャーとして悪くない。岡田真澄好演。

2023/01/05

2023/01/05

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


ロカビリー歌手時代の平尾昌晃の演奏シーンを観るのは初めてだったので興味深かった。いくら賞を取ったからといって小説家がアイドル並に人気があるという設定はどうなんだろうと思うが。

2022/12/22

2022/12/23

55点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


人気作家の休日。

ネタバレ

平尾昌章のヒット曲をタイトルにして、本人も歌手役で出演しているが実質的な主役は岡田真澄と丘野美子。丘野演ずる嵯峨栞は、日本のサガンと呼ばれる小説家で、岡田は週刊誌の記者・五郎。取材の難しい嵯峨をレジャーに連れ出して撮った写真が週刊誌に載って、五郎の信頼が落ちるが、実は五郎はフィルもを破棄していた…

「ローマの休日」を下敷きにしているのは明らかながら。50分に満たない歌謡映画の中で描かれるので、かなり簡素な内容。ロカビリー歌手の平尾は、後年、「必殺」シリーズの音楽家という印象が強い。

2007/05/04

2016/01/02

62点

映画館/東京都/ラピュタ阿佐ヶ谷 


ベースは「ローマの休日」

売れっ子少女作家と週刊誌記者の江の島の一日。ベースは「ローマの休日」。ロマンスに発展しないところが中途半端な印象を与える。コメディにもなっていない。