旗本退屈男 謎の紅蓮塔

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旗本退屈男 謎の紅蓮塔

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レビューの数

3

平均評点

60.6(8人)

観たひと

14

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1957
公開年月日 1957/1/15
上映時間 79分
製作会社 東映京都
配給
レイティング
カラー モノクロ
アスペクト比
上映フォーマット
メディアタイプ
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演市川右太衛門 早乙女主水之介
田代百合子 菊路
横山エンタツ 横這いの円太
木戸新太郎 チビの弥八
渡辺篤 一年堂一徹
香島ラッキー 吾妻家五楽
本松一成 三平
喜多川千鶴 お栄
時田一男 駕篭屋の権次
伊豆五郎 間太十
赤木春恵 おかね
山形勲 藤崎平九郎
丘さとみ お千賀
月形龍之介 神坂道節
尾上華丈 道玄
吉田江利子 玄秀
香川良介 秋山主膳
有馬宏治 柿原新十郎
富田仲次郎 原口左内
上代悠司 古垣半太夫
薄田研二 手代木九左衛門
伊東亮英 手代木五左衛門
美空ひばり 千代乃
大邦一公 平川鉄心斎
楠本健二 有村弥九郎
団徳麿 片目の伝次
百々木直 羅宇屋の久兵衛
水野浩 戸田屋の清兵衛
勝浦千浪 桂昌院
凰衣子 松山
原健策 堀田備後守
加賀邦男 小谷大軒
小田部通麿 中田左京
高松錦之助 志賀藤左衛門

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「任侠清水港」の比左芳武(脚本)、松田定次(監督)、川崎新太郎(撮影)のトリオが贈る佐々木味津三原作の旗本退屈男。主な出演者は「任侠清水港」の市川右太衛門、「大江戸喧嘩纏」の美空ひばり、「新諸国物語 七つの誓い・三部作」の月形龍之介、丘さとみ、「大江戸喧嘩纒」の薄田研二、「神変美女桜」の喜多川千鶴、「拳銃を捨てろ」の田代百合子、「やくざ大名」の勝浦千浪、ほかにエンタツ、香島ラッキー、木戸新太郎、渡辺篤、山形勲、加賀邦男、原健策など。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

信州高遠藩では信州一の分限者手代木家から借りた三万両の返済に苦慮、遂に手代木の娘千代乃を側女として召し、借金を帳消しにしようと計る。だが登城の前日、千代乃は失踪、手代木家代々伝える財宝のありかも水の泡となり手代木五左衛門は困惑。揚句の果、江戸家老秋山主膳と相談し当時江戸に勢力を張る新興宗教の教組、神坂道節に内密で失せもの判断を頼む。道節の正体は由井正雪の遺児縫之助、織竜閣なる高塔を建立してその周囲に小谷大軒、福沢秀甫、平川鉄心斎など腹心の部下を集め、且つ将軍の生母桂昌院をも味方に引入れ、一大謀叛を企てているところ。道節は手代木家の財宝を軍資金にし、高遠藩を手玉にとろうと考え、一味の藤崎平九郎に命じ、お千賀という女を千代乃の身替りに仕立てようとした。そこへ乗出した旗本退屈男こと早乙女主水之介。琉球への旅から戻ったそこそこに、源八長屋の横這い円太、チビの弥八、吾妻家五楽らの聞込みから、道節の正体探りに全力をつくす。その頃、千代乃は浮浪児繁太郎と変装し主水之介の許へ難を避けて転り込む。退屈男の手が迫ると知った道節は桂昌院の権力を利用、彼に閉門を申しつける。だが源八長屋の買上げ強行で長屋の人気小僧三平を捕え、その母お栄を殺害するに至り退屈男の怒りは爆発。青竹で囲まれた門を破り、飛び出す。かくて火焔に包まれた緋竜閣上、正邪入り乱れての大乱闘。一味は主水之介の刃に伏し、塔に捕われていた千代乃も救われる。今は元の娘姿に戻った千代乃は、思慕の情も空しく主水之介の見送りを受け、街道筋を故郷へ向う。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023/05/12

2023/05/12

55点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/購入/テレビ 


量産体制の一本

可もなく不可もなし。当時の量産体制の中の一本というところ。とにかく製作しろ、という感じ。途中で早乙女主水之介が幽閉されて自由に動けないという趣向があるのが変わっているというところか。美空ひばりが演じている時点で少年のような恰好をしていても少女であるというのも意外でもないのである。

だが、敵役が月形龍之介なので市川歌右衛門と月形のチャンバラが見どころになる。まあ東映時代劇でチャンバラが見どころにならないものってあまりないけどね。客だってチャンバラが観たいんだから、ここがみどころじゃなきゃ、どこを観るんだというところか。

本作はモノクロでまだ旗本退屈男はメインのシリーズでもなかったんだなあと思った。したがってあまりお金もかけていないように思えるのだが。

2014/08/08

2021/01/30

75点

選択しない 


月形龍之介との対決は必見

 市川右太衛門による旗本退屈男、戦後版12作目であります。前回で総天然色になつたのに、また白黒作品に逆戻りしてしまひました。ゲストに美空ひばりも出るのに、シブチンですね。監督は松田定次、脚本は比佐芳武、撮影は川崎新太郎、音楽は深井史郎とお馴染みの面面。

 退屈男の取り巻きたち(横山エンタツ、渡辺篤、キドシン)が好奇心から酔ひに任せて紛れ込んだ緋龍閣。曲者として追手に襲はれる三人ですが、ここは我らが退屈男・早乙女主水之介(市川右太衛門)に救はれます。
 それを見てゐた浮浪児風の少年(美空ひばり)が、繁太郎と名乗り主水之介の家に置いて欲しいと願ひ出ます。承諾する主水之介。長屋には浪人・藤崎平九郎(山形勲)が武家娘風の女(丘さとみ)を連れてきて、なにやら企んでゐる様子。山形勲だけに、やはりワルなのでせうか。

 すぐに想像は付きますが、繁太郎は実は信州の金満家・手代木家の娘でした。彼女を探索する祖父の九左衛門(薄田研二)は高遠藩と結びつき、怪しげな教祖の道節(月形龍之介)を頼る。しかし道節は由井正雪の子で謀反を企むワルでした。更に将軍生母の桂昌院(勝浦千浪)までを利用し、煩い主水之介を幽閉してしまひます。退屈男が動けぬのを良い事に、長屋の少年・三平(本松一成)を拉致、人質にしてその母のお栄(喜多川千鶴)に主水之介殺害を命じます。拒否するお栄は殺されてしまふのです......

 粗筋は特段の事はないけれど、主水之介が蟄居の身になつて、自由に動けぬ事態を作るのは目新しいところです。紅蓮塔とは、緋龍閣が燃える比喩でせうか。怒りに燃える主水之介とオーヴァーラップします。
 最後の月形との一騎打ちは中中見応へがあります。流石に二人とも嘗て「七剣聖」と呼ばれただけの事はございます(あとの五人は、阪東妻三郎・長谷川一夫・嵐寛寿郎・片岡千恵蔵・大河内傳次郎)。ひばりもそつのない演技で、子役時代から培つた「藝」といふものを感じさせます。個人的には、この年代の彼女が一番好きであります。そして敵か味方か判然としなかつた山形勲もニクイ役です。

 しかし何といつても右太衛門の超越した芝居、もう「へへー」と畏まつて鑑賞するのみであります。古き良き時代劇といふものを十二分に堪能出来るのでした。プハッ。

2014/08/12

2014/08/12

70点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


どこかで見たようなストーリー

見ているうちにどこが出見たようなストーリーだと思い、調べたら2年後に作られた大友柳太朗主演の「江戸の悪太郎」とそっくりだった。それもそのはずで、どちらも脚本に比佐芳武が関わっていた。たぶん「退屈男」の脚本の設定を変えて流用したのだろうと思う。
佐々木味津三の原作とは言え、「座頭市」シリーズのように主人公の設定のみを拝借し、物語そのものは原作と離れているように、比佐芳武の創作かもしれない。
さて市川右太衛門はかっこいい派手さだ。相手をやっつけるときの独特の台詞回しは聞いていてもぞくぞくする。後年の退屈男シリーズよりもストーリーに無理がない。
一方敵役の月形龍之介は最後のチャンバラでものすごい殺陣を見せてくれる。今まで見たこともない長刀を振り回し、それがとっても豪快で、すばらしい動きだ。月形の殺陣のうまさは定評があるが、これまで見た映画中でも一番ではないだろうか。
また山形勲が一見善人風、実は悪人で善人という役柄。こちらの方もなかなかの演技だった。
美空ひばりはおまけ。別に悪いわけではないが、ひばりである必然性は無い役柄だ。「江戸の悪太郎」では大川恵子が演じていた。
薄田研二は相当な年寄りで頑固者の役だが、年寄りをうまく演じている。脱帽。