あの石原慎太郎が主人公を演じていることに驚き。この人にもかつては役者をやっていた時期があったのか。政界なんかに移るより、こっちの世界に留まった方が良かったんじゃない?させ、作品の方はというと、鑑賞当時のプリントの損傷があまりに激しく、コマ落ちなんかも目立って話について行くのに苦労した…。
家族も、友人も、恋人も信用できなくなって慎太郎が自暴自棄に走る、みたいなストーリーじゃなかったっけ、確か?最後は絶望した慎太郎が砂浜に立ち尽くし、海を見つめているところで幕を閉じる。いずれにせよ、救いようのなさそうなラスト。
本作は俗に言う「太陽族映画」。ただし、日活ではなく東宝の作品である。その出来は堀川監督にとって不本意なものになってしまったようだ。御本人が後に「失敗作」だとおっしゃっていたように、確かにあまり出来の良い作品とは思えなかった。この方にはこういうキザな青春モノは似合わないようだ。
お父さん役は山村聰で、お兄さん役が平田昭彦。んで、平田の婚約者でありながら、山村パパと密かに付き合っていた女性が若山セツ子だった。この人は谷口千吉のふたり目の奥さん。しかし後に谷口に捨てられ、後年幾度か不幸に見舞われていくことになる。そんな彼女の運命を考えると、どうしても辛くなる。