水戸黄門漫遊記 鳴門の妖鬼

みとこうもんまんゆうきだいじゅうわなるとのようき|Travels of Lord Mito Pt.10|Travels of Lord Mito Pt.10

水戸黄門漫遊記 鳴門の妖鬼

レビューの数

3

平均評点

55.2(12人)

観たひと

19

観たいひと

1

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1956
公開年月日 1956/9/26
上映時間 86分
製作会社 東映京都
配給 東映
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダ-ド
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演月形龍之介 水戸光圀
月形哲之介 佐々木助三郎
加賀邦男 渥美格之進
清川荘司 式根十郎兵衛
喜多川千鶴 妻お弓
山本千秋 娘おつる
坂東簑助 四国屋治左衛門
七条友里子 姪お絹
浦里はるみ 妾お千賀
沢田清 蜂須賀宗勝公
高松錦之助 家老桜井主膳
東宮秀樹 伜主水
楠本健二 松井隼人
大邦一公 岩橋軍太夫
八汐路佳子 遊女夕霧
小金井勝 奥田仙蔵
時田一男 朽木兵六
大文字秀介 相川勘助
小金井修 近藤要
河村満和 世良大吉
千舟しづか 側室お正の方
凰衣子 阿波屋女将お徳
円山栄子 阿波屋娘お千代
葉山富之輔 阿波屋亭主佐助
山内八郎 森本伝内
大丸巌 赤沼権四郎
松浦築枝 智照尼
陽田重利 茶坊主玄沢
津村礼司 松平頼常公
月笛好子 四国屋の女中

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

鳴門の渦潮を乗りこえ、阿波に入りこむ、お馴染水戸黄門漫遊記第十話。「水戸黄門漫遊記 人喰い狒々」の尾形十三雄と「若さま侍捕物帳 魔の死美人屋敷」の村松道平の共同脚本を「水戸黄門漫遊記 人喰い狒々」に引続いて伊賀山正光が監督、杉田正二が撮影を担当した。キャストは例によって黄門主従に月形父子、加賀邦男が扮するほか「忍術快男児」の浦里はるみ、「隠密秘帖 まぼろし城」の喜多川千鶴、「水戸黄門漫遊記 人喰い狒々」の東宮秀樹、七条友里子、八汐路佳子などが出演する。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

阿波廿七万石、蜂須賀家家中では、一番家老桜井主膳の老齢を幸い、二番家老岩橋軍太夫が藩政を聾断、藩主宗勝公に乱行を薦める一方、特産藍問屋四国屋治左衛門と結託、悪辣の限りを尽していた。主膳は江戸の奥方に事の次第を告げようとしたが、軍太夫一味は四国屋の用心棒と共に使者を殺害。そこに現われた黄門さん一行。悪政に苦しむ阿波の人々のため、事件究明へと乗出す。常陸の百姓に変装した黄門さんは四国屋を訪れ、藍玉と米の交換を種に手掛りを得ようとする。帰途、とある尼寺で祈願をこめる巡礼娘おつる。父の名は式根十郎兵衛、生みの母お弓を求めて紀州から来たという。黄門さんは宿へ連れ帰り父母の行方を探そうと約束。黄門さんと四国屋の商談を知った軍太夫は主従を公儀隠密とみて、暗殺を決意。取引に現われた黄門さん一行を襲うが、助、格の奮闘で一行は逃れる。藩主にとりいるべく四国屋が遣わした遊女夕霧を、軍太夫は己れの意に従わぬと斬り捨て、宗勝公は激怒。だが今や家中殆んど軍太夫に加担、藩主の力では如何ともできない。仮面を脱いだ黄門さんは藩主に軍太夫の悪政を難詰、事露見と知った軍太夫は主膳を闇討ち、四国屋の妾お千賀と黄門さん主従暗殺を企む。これを聞いた四国屋の姪お絹、主膳の伜で恋人の主水に急報。一方おつるの母お弓こそ四国屋の内儀、旅の途次、好色な四国屋のために夫は殺害、現在に至ったものである。お弓は尼寺でおつると晴れて母子の対面。だがお絹の口から四国屋こそ夫の仇敵と聞き、恨みの刃を向けるが返り討ち。やがて鳴門の大渦を見下す岬の上の桟敷に集う黄門さん一行と宗勝公。阿波踊りのお囃子と共に斬り込む軍太夫配下の鬼面の武士。アワヤと見えた時救援に応じた隣藩頼常公の軍船。かくておつるは両親の仇を討ち、黄門さん阿波旅の一幕は下りる。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024/02/23

2024/02/23

60点

VOD/Amazonプライム・ビデオ 


「妖鬼」といっても怪獣は登場しない純正の時代劇。映画が始まって20分間黄門様が登場しない。1時間半枠になって時間に余裕が出来たらしい。母親と娘の感動的な再会でめでたしめでたしと思いきや・・・、意外にシビアな展開になって驚いた。

2013/05/25

2021/05/01

60点

選択しない 


妖鬼は出て来なかつた

月形黄門、第十作目「鳴門の妖鬼」であります。お馴染み伊賀山正光監督。「漫遊記」を付したシリーズとしてはこれが最後で、次作よりグレードアップした新シリーズになります。

 鳴門の渦逆巻く四国は阿波の国。浪人・式根十郎兵衛(清川荘司)は道中、賊に襲はれ命を落します。妻のお弓(喜多川千鶴)と幼子のおつるも攫はれさうになるところを、商人四国屋治左衛門(坂東蓑助)に救はれます。しかしこれは罠で、おつるは海に流され、お弓は強引に四国屋の女房にされてしまふのです。

 数年経ち、阿波の城主は悪辣な家老に骨抜きにされ政務を疎かにしてゐます。家老は四国屋と結託して悪政のし放題。そんな所へ水戸の御老公一行がやつて来ます。悪事のあるところに黄門あり。黄門さまは商人に化けて、四国屋が違法な取引をしてゐることをつきとめます。それを知つた家老は黄門一行を公儀隠密とみて殺害を計画します。

 一方海に流されたおつる(山本千秋)は助けられて、母を訪ねて単身巡礼の旅をしてゐます。黄門さまは彼女と知り合ひ、何かと力になります。お弓はまさか我が子ではないかと、おつるを訪ねますが......

 地方で為政者(この場合は家老に操られてゐるが)と商人が結託して悪事をなす、といふ黄金パタン。商人は坂東蓑助ですが、政治家側のワルが大邦一公で、少し弱いですな。それよりも浦里はるみの悪女ぶりが際立ちます。とにかく憎らしく悪知恵が働く。しかし自らの野望を軽々しく口にするなど、少し頭は悪いやうです。

 今回の肝はやはり喜多川千鶴・山本千秋の母娘が再会するまでのドラマではないかと存じます。ありふれた物語でせうが、日本人好みのウェットな演出が効いてをります。夫を殺され娘は失踪、自分は好きでもない男に妻にされ、しかも別の悪女が自分を亡き者にして妻の座に座らんとしてゐる。そして折角娘と再会できたのに、夫の仇を知つたために、あゝ...... まあ不幸を絵に書いたやうな人生ですな。かういふストオリイなので、緋牡丹お蝶の出番は無かつたのでせうか。

 ところで妖鬼といふのは只の人間が面をしてゐただけです。またゴリラとか狒々みたいなトンデモ動物が出るかと期待(?)すると裏切られます。無論最後は黄門・助さん格さんらの活躍で一件落着。個人的には、裏の功労者として、命令に反しおつるを殺さず舟に乗せたチンピラ共を挙げておきたいと思ひます。
 これで「漫遊記」シリーズは終り。助さんとお蝶の関係は尻切れトンボでした。

2014/10/23

2014/10/23

60点

テレビ/有料放送/東映チャンネル 


この紋所が・・・は無い

月形龍之介の水戸黄門シリーズ。
馬鹿殿さまと悪家老以外は特にストーリー的な破綻はない。今でいえば為政者としての殿さまの能力が無い、悪事が露見しても平気で殿さまの面前で居直る家老などいるわけがない。もっとも水戸黄門シリーズでは武家の作法とは常識を言っては始まらないので、良しとしよう。
黄門様は自ら黄門と名乗り出ることによって正体を露見させる。その上で悪の一味をやっつける。
喜多川千鶴が娘と再会する場面は、わかっていてもほろりとさせられる。好演。娘役の山本千秋もがんばっていた。